エルソル飛脚ブログ ~Run 4 Fun~

四万十川周辺をチョロチョロしている飛脚の記録です。

エルソル大阪物語■60■「ヘアーサロンふくしま」

2018年01月31日 | エルソル大阪物語

■60■


「ついに店出したのか!?よっしゃ!次の休みに見に行くワ!」

【1月下旬】
日曜日の夜、大阪梅田からの夜行バスに飛び乗りました。
行き先は「愛媛八幡浜」です。

専門学校同期の『福嶋』が、地元の愛媛八幡浜にお店をOPENしました。
『ヘアーサロン ふくしま』

帰省で利用する夜行バスは気持ちが高ぶってなかなか寝つけないが、
「八幡浜行き」はぐっすりと眠れました。

朝6時に八幡浜駅に着きました。
空はまだ暗く、空気が澄んでいました。
八幡浜駅は意外と人の出入りがあり、
売店の横でホットコーヒーを飲む僕の目の前を慌しく行き来していました。

公衆電話から福嶋に電話しました。
上田「着いたぞー!、迎えに来てー」

福嶋「俺の必殺の車で行くから、そこで待っとけや」

受話器を置くとテレホンカードが出てきて、
「ピピーッ、ピピーッ」という甲高い音が駅構内に響き渡りました。

「(必殺の車かぁ~・・)」

空が少し明るくなり、間もなく福嶋が車でやってきました。
「ニッサン シルビア」でした。

上田「久しぶり!」
  「しかし、お前がこんな大人の車に乗るようになるとはなぁ」

福嶋「大人になったけんのう」

助手席に乗り込もうとすると、

福嶋「アホゥ、靴脱がんかい!」

やはり「土禁」でした。

久しぶりに会った福嶋は激太りで「男前」が台無しでした。

「必殺でもない車」は漁港に向かって走り、
細い路地に入り込んだところにお店はありました。

月曜日は定休日なんで、店内に入ると福嶋が電気を点けました。

とりあえず荷物を置いて、
上田「腹減った、喫茶のモーニングでも食いに行こうや」というと、

そんなこと言う奴初めて見たというような顔をして、
福嶋「何処にあるかのう・・」と悩みます。

少し歩いたところに喫茶がありました。
重い扉を開けると「酒」の匂いがしました。
カウンターでは客のオッサンが朝から酒を飲んでTVを観ていました。

「漁師町やけんのう」
福嶋が言いました。

トーストではなく「焼き魚定食」を食べさせられ、腹ごしらえ十分にお店に戻りました。

「ヘアーサロン ふくしま」
派手なサインポールと看板が目立ちます。

福嶋「上田、上見てみ!電話番号が書いてあるやろ、」
  「何か気付かんか?」

上田「フリーダイヤル、294050?・・・分からん」

福嶋「フ・ク・シ・マ・へ・ゴ・オー・や!」

上田「・・・」

カット椅子2台の真新しい店内。
目に付くのは店販品の多さ、「ヘアムース」は特に多く50本位並んでいました。

福嶋「このムースはお客さんに配るヤツや、」
  「お客さん1人に1本配るんよ」
  「お前の店とかカット20%オフとかやってるんやろ」
  「それする位やったら、そのオフの値段で店販品をあげたらエエんよ」
  「店販品気に入ってくれたらまた買うてくれるし・・」

なるほど、そういう考え方もあるのか・・。

「こっち来てみ」
奥の小部屋に案内されました。
その部屋は大きな水槽がいくつもあり、いろんな熱帯魚が飼われていました。

上田「お前が生き物飼うとはなぁ~」
  「食うんか?」

福嶋「アホかボケェ~、ナンボすると思うとるんや!?」

手馴れた様子でエサをやり終えた福嶋は、
ソファーにドシンと寝転がり、足を長く伸ばしました。

福嶋「お前、藤と一緒にやってるんか?」
  「それは反則やな、最強や」
  
上田「どうや?ここのお店は・・」

福嶋「繁盛しとるよ、でもパーマが苦手でのう、」

上田「お前、学生時代から全然アカンかったもんなぁ~」

福嶋「この前、エライ失敗したワ・・」

福嶋「この前、オールバックのオッサンがパーマに来てんよ」
  
  「前の方パーマ巻いとったら、急に腹痛なってのぅ、」
  
  「お客さんにバレんように屁ェこいたんよ」
  
  「そしたらミがちょっと出てしもうてのぅ(笑)」
   
  「パーマ途中で止めて、トイレに行ってキバってのぅ、」
  
  「パンツもズボンも着替えてのぅ、」
   
  「そしたら、かなり時間が経ってしもうてのぅ、」
  
  「後でロッドはずしたら・・」
  
  「前の方だけキュルキュルキュルってきっついパーマが当たってあんねん!」

上田「ハハハ・・アホや」

その後、八幡浜の街をぶらりと歩きました。

福嶋「どや、長げーやろ!?」

アーケードの商店街は細長く続いていました。

福嶋「ここで、八幡浜てやてや音頭をみんなで踊るんよ」

  「て~やて~やうんいぇい!って」

  「うんいぇい!で片足上げるんよ!こうしてな・・」

  「やってみ!こうして・・」

上田「もうええワイ」

夕方になり、
「とうまん」という固~い饅頭をお土産に持たされ、再びお店に帰りました。

上田「あ~さすがに疲れたな~」

  「おい福嶋!お前の必殺のマッサージ、やってくれや」

福嶋「しゃーないのう!死んでも知らんけんな!」

松山の厳しいお店で修行を積んだ福嶋のマッサージは、
本当に必殺で、お金の取れる素晴らしいマッサージでした。

上田「お前もかなり頑張ったんやな・・」

福嶋「そーとー頑張ったワ」

晩飯を弁当で簡単に済ませ、帰り支度をしました。

上田「スマン、頭だけここで洗わせて!」

とんぼ返りで再び夜行バスに乗らないといけない・・、

シャンプー台でうつむいて頭を洗いました。
頭と一緒に顔をバシャバシャと洗いました。
それだけでも随分スッキリします・・

福嶋「これ使えや」

福嶋が新しい綺麗な「タオル」を出してくれました。

(昔はカーテンやったな・・)

駅まで送ってもらいました。

間もなく出発する夜行バスは、暖房を効かしているため
「ボボボボ」とうるさい音を出していました。

そのうるさい音に負けないように福嶋が声のトーンを上げました。

福嶋「上田、まだ難波で頑張るんか!?」

  「・・たいしたもんよのう!!」

  「藤にもヨロシク言うてな!!」

「大阪行」の夜行バスもゆっくりと眠れました。

■60■

福嶋必殺マッサージ


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