== あとがき ==
最後までお付き合いくださったみなさん、お疲れ様でした!
読みづらく、分かりづらかったことでしょう。
誤字・脱字、色々な間違い、そして失礼の数々をお許しください。
この冬に10年ぶりの高校の同窓会がありました。
ついに50歳を迎えた私達、
それぞれの子供達は都会に進学したり、新社会人としてデビューしたりと、
慣れない環境に四苦八苦しているようです。
随分歳を取った私の趣味の一つが山歩きです。
先日、足元を黄金色に光輝く「苔」に目を奪われました。
「モスグリーン」という言葉があるように「苔」も美しく光輝いていました。
その「苔」を持ち帰り「苔玉」を作ってみました。
水分を多めに与えたり、朝の陽射しにさらしたり、出来るだけ採取した環境に近づけてみました。
しかし「苔」は輝きを失い、日に日に弱っていくようです。
「苔」といえども、その場所の水、湿度、陽の当たり具合、土との相性、
私の知らない「数多くの」条件が重なり合い、それではじめて光り輝いているようです。
私達人間も一人で生き抜くことは非常に困難です。
まして新しい環境で闘う子供達は、おそらく苦悩の毎日を過ごしているでしょう。
今回、この物語はそんな新人達への親世代からのエールでもあります。
出来るだけ多くの人に出会い、悩みを共有し、
出来るだけ多くの人に関わり、助け、または助けてもらう。
「多くの出会い」「多くの関わり」は多くの苦悩を乗り越え、
やがては人を成長させ、そしてやっと光り輝くことになるのでしょう。
このお話は、
今から約20年前、ヘアテック時代のスタッフ四藤君(本名佐藤君)が
その後ヘアテックを辞めて「大衆理容」で働くことになり、
「長文の励ましメール」を書いたことがはじまりです。
そして今から10年前、
高校同窓会があり、会員制SNSが誕生し、
どこか懐かしいこの昔話を、同じ時代を共に生きてきた同級生達に対し、
物語形式で披露することを思いつきました。
物語は「青かった昔」を振り返った『第1部』、
『第2部・店長編』では少しは立派になったものの、やはり修行・苦悩が見え隠れ、
結局は「第1部・第2部」全体で、
【一人の「理容師」が出来るまで】を描いたカタチとなりました。
舞台は人情の街「大阪」。
田舎から出てきた青年。
そこに感情の起伏の激しい大阪人が絡むと、 物語は勝手にドラマチックになります。
ほぼ「ノンフィクション」で登場人物はすべて実在しています。
自分自身、昔を振り返るいいきっかけになりました。
今思うと「こんな風には考えない!」と思いますが、
当時の自分の考え方、気持ちを大切にし、 出来るだけ忠実に描きました。
当時の手帳・システム手帳に書かれた予定表、写真などを睨みながら、
ノスタルジックな世界に惹きこまれて、うまくタイムスリップ出来たように思います。
「アナログな時代」には「味」がありました。
若い頃、遠方の同級生達によく「手紙」を書きました。
出した手紙の返事を期待してポストをよく覗きました。
頂いた手紙の筆跡から相手の表情が浮かびました。
黒電話では相手の親が出てきた時に備え、挨拶文句を考えたりました。
待ち合わせ場所ではとても我慢強く待てました。
多くの隣人に関わりました。
それぞれに事情がありましたが、みんなちゃんと受け止めていました。
「喜怒哀楽」が激しく、大げさに「一喜一憂」しました。
現在の「乾いた時代」に読み返すと、 「湿気」がもつ「温かさ」が心地よく感じます。
私と同じ世代からすると「何処か懐かしい物語」、
その子世代には「多くの人に関わり、前を向いて頑張れば何とかなるもの」というエールです。
「立ち止まった後は、そこで待つのではなく一歩だけ前に進んでみればいい」
何はともあれ、
長い長~い物語にお付き合い頂き、ありがとうございました!
また、これからもみなさん!、もう少しの間お互いに頑張りましょう!!!
== あとがき (完) ==
「Pellicule」by 不可思議/wonderboy
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