エルソル飛脚ブログ ~Run 4 Fun~

四万十川周辺をチョロチョロしている飛脚の記録です。

エルソル大阪物語■37■「炎はアツく」

2018年01月23日 | エルソル大阪物語

■37■

『ヘアーサロン ターニン』は
西区のアメ村近くにあり難波の学校からも近かったので、
「水落君」が仕事終わるまで待って一緒に見に行ってもらいました。
水落君はもうすっかり「先生」が板についた感じでした。

ビジネス街のラーメン屋の角すぐ横にお店はありました。
先に水落君に見てもらいました。

水落「まあまあエエ感じちゃう?」

続いて僕が見に行きました。
「チラッ」と見ると、
接客中らしく外の様子を全然気にしてない様子で割とゆっくり観察する事が出来ました。

不思議なことに、そのまま『散髪してもらいたくなる』様な雰囲気でした。

次の日、面接に行きました。

面接には喫茶から出前のコーヒーが出されました。

マスターは愛媛県出身の小柄な30代後半でした。
『タニさん』ではなく『久里さん』でした。

背の高いメガネの奥さんも一緒にいましたが、
土日とか夕方とかの忙しい時だけの手伝いということでした。

久里マスター「同じ四国というのはうれしいね~」
      「給料はあまり出せないけど、大丈夫かな~?」
      「いい人そうでうれしいね~」
      「なかなかいいスタッフっていないもんでね」
      「いつから来てもらえる?」

  上田「明日からお願いします!」

つい最近までヒロユキさんという元関美理容部職員が勤めていたということで、
(本当に偶然で向こうも驚いていた)
元学校職員ということが変に「高い期待」をされる事も無く、
ちゃんと見習としてスタート出来そうでした。

もっとビックリしたのは、マスターの高い技術でした。
「きっちりしているのにやわらかいカット」
「手グシで再現性のあるブロー」
唯一気に掛かったのはカミソリの刃で、二枚刃を使うということだけでした。

翌日入店する事になりました。

『ターニン』の久里マスターの言う事は単純で理にかなったもので、
とても分かりやすいものでした。

お店は土日と平日の夕方以外は暇でした。
その暇な時間は全部レッスンに費やしました。
一からの修行なのでシャンプーからのレッスンでした。

シャンプーはスタンドシャンプーでした。
営業中なのにマスター自らモデルになってくれました。
マニュアルどおりの「こうしなさい」「ああしなさい」ではなく、
「どうすればお客さんが気持ちいいのか?」から始まり、
そのためにこう手を動かしたらいいんじゃないか・・という風に、
すべてのレッスンが『お客さん側を主体』にしたものでした。

もうこのお店しかありませんでした。

「絶対に今までの一年半の遅れをとり戻してやる!」
「絶対皆見返してやる!」
「やってやる!!・・・」

心の中でメラメラと炎が燃え始めました。

「若い時は遊ぶ事も大事」
ということで基本的に夜のレッスンはありませんでした。
そのせいで「レッスンしたい病」に襲われました。
お客さんがいるときでも、手の空いている限りレッスンさせてもらいました。

何より技術にハングリーで飢えていました。
ガツガツしていました。

2週間もすると「2枚刃カミソリ」に何の抵抗もなくなっていました。
それどころかお客さんに不快感を与えないので、
こっちの方がいいに決まっていると思うようになりました。

マスターとお客さんのコミュニケーションがしっかりととられていたので、
どんどんお客さんに入らせて貰えました。

CUT料金が周辺の店よりワンランク高かったので、
一生懸命やることだけは怠りませんでした。

お店のある「南堀江」は難波・心斎橋の繁華街のすぐ隣で、
仕事を終えると、「アメリカ村」「道頓堀」「グリコの看板」「カニ道楽」
などの大阪名物を横目にしながら帰りました。

戎橋の長いアーケードはとても賑やかで遊び心をくすぐられますが、
誘惑には負けません。

もう地に足がしっかりとついていました。

初任給ではすぐに『鋏』を買いました。

■37■


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