エルソル飛脚ブログ ~Run 4 Fun~

四万十川周辺をチョロチョロしている飛脚の記録です。

エルソル大阪物語■13■「合コン!」

2018年01月14日 | エルソル大阪物語

■13■


男子校(工業高校)出身の『えひめ福嶋』は、
クラスの女子に気軽に喋れる共学校出身の僕を羨ましく思い、
「スケコマシ上田」と呼びます。

男子校出身者は他にも結構いました。
それを不憫に思った僕は、
同級生の女子大生達に声を掛け「合同コンパ」を段取りしました。

「ケツ堀之口」「和歌山水落君」「えひめ福嶋」「高知谷田」は
常時の合コンメンバーでした。

世間も「合同コンブーム」で、
ビールの「一気飲み」を競ったり「カラオケステージ」で歌ったり、
皆「目立つこと」に一生懸命になっていました。

「帝塚山」「梅花女子」などなど、
次々と「女子大生コンパ」を持ってくる僕は、クラスの皆からも尊敬されはじめ、
ついに『スケコマシ大王』に昇格しました。


夏休みに田舎の自動車教習所で知り合った1コ上の先輩岸本さんは
「大阪女子短期大学」の学生寮に住んでいました。

上田「あ、すみません!岸本さんお願い出来ますか?」
寮の電話に出た当番の学生に呼び出してもらいました。

館内放送の乾いた声が響きました。
「岸本さん、岸本さん、お電話です・・」
パタパタというスリッパの足音がして、「もしもし」と言いました。

上田「あの~、こっちは散髪学校やけど、コンパしてくれる?」
岸本「ええよ」

日曜日、難波「ロケット広場」に理容科合コンメンバーを集めました。

岸本さんは4人の女性を引き連れて現れました。
岸本「みんな寮の仲間なんよ~」

早速近場の居酒屋に向かいました。
途中、岸本さんが耳元で囁きました。
岸本「上田君、あの娘今日のオススメで」

上田「あのスカーフの娘?おお!かわいいね~」

岸本「その横っ!!・・どう?」

笑顔で振り向いた顔は色白で可愛く、
白のワンピース姿、ストレートの長い髪は、後ろから見るととても大人びていました。

上田「おお~いいね~」
  「今日はあの娘で頑張りますワ」

地下の居酒屋に着くと、テーブルを挟んで5対5に並びました。
まるでフィーリングカップルです。
「カンパ~イ!」

上田「ヨッシャー!まずはジョッキ3杯いきま~す!!」
場を盛り上げるために頑張ります。

早速僕は白ワンピースの横に付きました
上田「あの~、名前教えてもらえます!?」

  「アンズです」
  「キミヅカ アンズです」
口元に笑みを浮かべて恥ずかしそうに答えました。

上田「アンズ!?変わった名前やけどカワイイね~♪」
上田「アンズちゃん、大阪の人?」

アンズ「兵庫です・・」

上田「もしかして神戸!?オッシャレ~」

酒も入り、テンションがあがります。
上田「アンズちゃん!今度2人でどっかいこうやー!!」

岸本「上田君のぉ~!ちょっといいとこ見てみたい~!・・」
  「それ!イッキ!イッキ!イッキ!・・」

ことあるごとにジョッキで「イッキ飲み」をやらされました。 

楽しい時間はあっという間で、一次会はお開きになりました。

上田「お~い、次いくでー!」

岸本「もう寮の門限があるから帰るワ」
  
上田「コラー!アンズー!次行くぞー!!」
  (かなりな酔っ払い)

岸本「ちょっとこの人何とかして~!」

すぐに後ろから水落君に羽交い絞めにされました。
上田「コラー!アンズ!コラー!逃げる気かー・・」

男達だけで終電まで飲みました。
水落君は僕と同じ南海電車でも「高野線方面」だったので、駅改札で別れました。
水落「オモロかったね~」
上田「じゃあバイバ~イ♪」

終電の各駅停車に乗り込みました。
さすがに車内はガラガラでした。

一人になったとたんに頭の中がグルグルと回り始めました。
「うう・・気分悪い・・」

各駅停車だと「羽衣駅」まで約20個の駅に止まります。
「長いな・・ヤバいぞ・・ヤバいぞ・・」

「堺駅」に着いたとき、ついに吐き気に襲われました。
「うぐッ!」
吐き出す直前、口の中で止めました。
ほっぺたが膨らんだままです。

前の乗客の女性と目が合いました。
女性の顔はこれから起こるおぞましい光景に脅えているようでした。

立ち上がり、頬を膨らませたまま扉の前に向かいました。
電車はようやく次の駅に到着しました。

「湊ぉ~湊でございます、降り口左側になります・・」
扉が開くと同時に、無人の駅ホームに向かって吐き出しました。
「オエーーッ!」

扉が何事もなかったかのように閉まりました。

「終電」なんで降りるわけにはいけません!!

「次の吐き気」に備え、扉の前に立ち続けました。

「諏訪の森ぃ~諏訪の森でございます~・・・」
「オエーーッ!」

「浜寺公園ッ~浜寺公園でございます~・・・」
「オエーーッ!」

何とか「羽衣」まで辿り着きました。

翌朝、
「難波」に向かう電車の中から、
まだ片付けられていない自分の「モノ」を各駅で確認しました。

■13■


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« エルソル大阪物語■12■「シェ... | トップ | エルソル大阪物語■14■「女子... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿