エルソル飛脚ブログ ~Run 4 Fun~

四万十川周辺をチョロチョロしている飛脚の記録です。

エルソル大阪物語■64■「美容バブル」

2018年02月01日 | エルソル大阪物語

■64■


「コラージュ」「ヘアテック」は団結力を増し、
行動を共にする時は『コラテック』(造語)として活動しました。

住之江にフットサル場が出来たと聞きつけ、「フットサルチーム」を結成しました。(ミニサッカー)
磯野・パンツ四藤は高校時代サッカー部だったらしく、
普段では考えられないようなキレのある動きをしました。

対戦相手は、お客さんチームや同業者チームでした。
しかし、営業時間終了してからの試合だったので、
夜10時からのキックオフになってしまいました。(深夜サッカー)

妹の結婚式の為にウチに泊まっていた同級生チャン中沢も深夜フットサルに参加させました。
高知県中学短距離記録保持者の中沢、
人工芝コートを縦横無尽に走る中沢の姿は、ミュージシャンというより、やはり「野人」でした。

「コラテック」は「早起き野球チーム」もつくりました。
西区の球場で朝6時プレーボールです。
三銃士井垣・藤は野球経験があり、目立ちました。
中でもイケメン上山田は大分柳ヶ浦野球部出身のスラッガーでした。


春になり、
三たび大相撲の方々が訪れる季節になりました。

呼出しカツユキさん「すっかり店長らしくなったね~」

何げな一言が嬉しかったりします。
しかし、「ヘアテック」にまたまた試練が・・・

四藤君が辞めることになりました。

理容師のお父さんが新しくお店を開くことになり、一緒に働くということです。
これは止めることも出来ません。

「ヘアテック」はまたも貴重な人材を失ってしまいました。


学校が四藤君の代わりに新卒者を送り込んでくれました。

『坂田』くん、インターン(男)
色白メガネ、背高、フェミニンな若者。京都出身。

履歴書に目を通した藤がつぶやきました、

藤「上田君、京都はやっかいかも知れへんで・・」

京都に偏見を持つ藤の予想は、少なからずもハズレではありませんでした。

この若者、鏡を拭きながら自分の顔ばかり眺めます。

「そこから見てたら曇りが見えんやろ、色んな角度から・・・」
と言いかけると、

坂田「そこが汚れている!って言ってもらったほうが助かります」
と言います。

タオルの洗濯のやり方、レッスンのやり方、本人が納得するまで動きません。

上田「君のやり方は何事にも遠回りしてしまうで」

坂田「そうかもしれませんが・・」

なかなかの頑固者が入店しました。

「頑固者」は不器用なだけで、進む方向さえ掴めば猪突猛進できる。
自分に当てはめて「プラス思考」に考えました。

しかし、「コラテック」としての野球・サッカーも参加を拒みます。

上田「嫌かもしれんがみんなが余計な心配するから、たまには来い」

坂田「・・分かりました。」

京都の坂田君を家に泊めて早起き野球に参加させました。

そんな坂田君でもお客さんには愛想もよく、営業に関しては問題ありませんでした。


世の中は不景気風が吹き始める中、理美容業界はバブル絶頂期にありました。

『カリスマブーム』到来です。

3ヶ月向こうまで予約が取れない「カリスマ美容師」と呼ばれる美容師が、
次々とTV・雑誌に露出しはじめました。

コンサート会場・ホールなどで開かれるヘアショーなどでお金が取れる時代になりました。

「関西美容理容難波専門学校」、この名称も『グラムール』というシャレたものになりました。

旧高砂殿にあった「クラブQOO」は梅田JR高架下に移転し、関西を代表するクラブになりました。

業績の悪かった「エステサロン」は閉店、
ライブハウス「WO’HALL」も巻き添えで閉める事になりました。

旧高砂殿は「美容室DEW」を残し、美容学校の別館となりました。

学校「美容科」は定員300名に対し、6000人の受験人数がありました。

まさに、空前絶後の『美容師ブーム』でした。

対する学校「理容科」の方は定員割れ、
「ダサい」「職人気質」が若者に嫌われ、事態は深刻になっていました。

「先生方の現場での勉強不足」という社長の変な判断で、
日替わりで先生達が「ヘアテック」でスタッフとして働きました。

長島「上田店長、よろしくお願いします」

長島先生、古尾先生が訪れました。

事情を知っている僕は、
社長が会社に居る時だけ働いてもらい、普段は通常業務に戻っていただきました。

『美容バブル』に乗った社長は、「大阪厚生年金会館」でヘアショーを開催しました。

「ヘアメイクアクア」「ミンクス」「KC」etc‥
1億円の費用を投資してまでTVでお馴染みのカリスマ美容師達を呼びました。

我らが「コラージュ」も同じ舞台に立ちます。
僕達「ヘアテック」は裏方として、それぞれの控え室に入りました。

舞台では「コラージュ」のみんなも負けず劣らず、無事ショーは終了しました。

ちなみに会場チケットは¥8000、そんな高値でも完売でした。

「美容バブル」、バブルは所詮バブルです。

我らが「理容」はしっかりと足元を見つめるのみです。

■64■

坂田・藤と・・


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