エルソル飛脚ブログ ~Run 4 Fun~

四万十川周辺をチョロチョロしている飛脚の記録です。

「第21回四万十川ウルトラマラソン~かなり私的な敢闘記」(4)

2015年11月09日 | 四万十川ウルトラマラソン~レポート

■4■

車道は日影が無くて暑い。

しかも少し上っている。

「四万十ウルトラはおおかた下り勾配」

だれが云ったかは知らないが、地元民の感覚では間違いといっても過言ではない。

山沿いの旧道が大半を占めるコースは、小さなアップダウンの連続なのである。

この2車線の直線の車道はトンネルに向かう上り、

自分の中ではここが最初のチェックポイント、

「この37km地点からの車道をちゃんと走れているか・・」

問題ない、調子はいい。

涼しいトンネルを抜けると小野大橋を渡って再び旧道に戻る。

小野の集落は日当りがよくて気持ちがいい。

橋のたもとのエイドで初めて首元に水を掛ける。

予報では最高気温27℃だった。

【40km地点通過】

「4時間33分」。自分にしてはいいペース。

【41.8km、60kmの部との合流地点】

十川大橋は赤い鉄橋。

橋のたもとのエイドからは黄色い声が飛んでいる。

このエイドには十川中学校の生徒達がボランティア参加している。

素朴な学生達の一生懸命な姿に勇気をもらう。

飛脚応援青年を発見。

彼も抽選に漏れた高知市内のランナー。

60kmの部・100kmの部、合流地点で効率よく飛脚メンバーを応援してくれる。

「冷却スプレーありますよ!要りますか!?」

そういえば、今回は全く脚が攣らない。

エイドではオニギリを探す。

しかし、見ただけで手に取れない。

朝からの胸焼けで胃の調子がよくない・・。

固形物を諦めてバナナだけ口に押し込む。

エイドには60kmの部のランナー達が駆け抜けた空気がまだある。

先を急いで出発する。

川の向こうに「道の駅とおわ」が見える。

「十和(とおわ)村」、

昭和地区と十川地区が統合した村。

市町村や学校などの統廃合は今後も続くのだろうか・・。

【42.195km地点】

ご丁寧に立て札があった。

フルマラソン×2、足す・・・やめておこう。

【44km地点、ライダーズイン四万十】

普段はライダー専用の宿泊私設だが、トイレを借りられる。

ここのトイレは100㎞の中で一番贅沢な空間だろう。

各部屋に備え付けのトイレ(前に利用した時は洋式)を貸切り出来る。

【50km地点通過】

まだエイド以外では一度も歩いていない。

6月に脚の中足骨を疲労骨折した。

7月はリハビリウォークからのスタートだった。

9月には月間300kmを走ったが、わずかな練習期間でよく50kmも走れたものだ。

この辺りから高架上を線路が走る。

コンクリートの壁を横にしながらひた走る。

エイドでは脚に掛け水をして冷却する。

大きなポリバケツになみなみと注がれている水。

この水もボランティアの手間が掛かっている。

前日夜10時から当日深夜の2時にかけて水道班が各エイドに給水に走る。

意外と知られてはいないが、ボランティアには「深夜班」があるのだ。

感謝の気持ちを持ちながら掛け水をする。

【53.8km、半家(はげ)沈下橋】


長い山道を走ってきたご褒美のように沈下橋を往復する。

欄干の無い橋の上は大自然を満喫できる癒しスポット。

四万十ウルトラの一番の名所といっていいだろう。

橋の上は業者の写真撮影ポイントになっていて、

ランナー達は笑顔でポーズを決めている。

川のせせらぎ、美味しい空気、開放感、

疲れた脚もこの瞬間だけは生き返る・・。

【半家の峠】

神様は残酷である。

ご褒美の後にちゃんと試練を用意している。

ルンルン気分で沈下橋を渡った後には第2の峠越え。

半家の峠は「みんな歩きなさい!」の号令が聴こえているかのようで、

みんな歩く。

正直、完走だけが目標の一般ランナーには、

歩いても走ってもそんなにタイムのロスにはつながらない。

【半家の落人伝説】

その昔、平家の落人が源氏からの追手から身を隠すために、

「平」の横線を移動させて「半」にして「半家」となった・・、

という言い伝えがある。

どうでもいいことを考えながら峠の上りを歩いていると、

横を歩く年配ランナーが声を掛けてきた。

「この下の線路は中村まで続くんですか?」

「いや~これは中村には行かないですね~、宇和島に行くヤツです」

最近新幹線の格好をした列車が話題になったJR予土線、

噂の新幹線を見られたランナーはいるのだろうか・・。

半家の峠はすぐに頂上を迎え、下りに入る。

この下りは傾斜がかなりキツイ。

堂ヶ森で痛かった足の爪が悲鳴をあげる。

結局、半家の峠はほとんどを歩いた。

【56.5km、第2関門】

歩きで時間を使ったが、まだ関門タイムを1時間以上残している。

エイドで給水してトボトボと走り出す。

山際は日影が多くて随分と助かる。

【60km地点通過】

「7時間40分」、黄色信号が点いた。

以前の完走時の記録よりも30分も遅れている。

疲れも隠せなくなり、

間もなく現れるレストステーション「カヌー館」が待ち遠しくなる。

レースは後半に入る・・。

■4■


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