漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

「要覧」の誤記?

2015-10-31 19:08:02 | 雑記
 27-2 の詳細な振り返りをしたいところなのですが、未だに標準解答が来ません。(汗)
 他の方のブログなどを拝見すると、昨日すでに届いている方も多いようですが、協会からの郵便物は何故か私のところへは遅れて到着することが多いです。

 だからというわけではないのですが、きょうは、ずっと中断していたエクセルの「自分辞書」作り(「辞典」第二版の内容の反映)に勤しみました。



 その中でちょっとした発見がありましたので、ご紹介します。



【憑】   (「漢検 漢字辞典」初版 P.1294/第二版 P.1305)
音 : ヒョウ (フウ)
訓 : よ・る  つ・く  たの・む (かちわた・る) (いか・る)

 ()を付けた音訓は、初版になく、第二版だけに記載されている読みです。
 さて、それで何が「発見」かと言いますと、漢検の出題・採点基準である「漢検要覧」には「いか・る」の訓の記載がなく、その代わりに「かか・る」が載っています。念のため、「要覧」の前身である「漢字必携」も確認しましたが、記載内容は「要覧」と同じでした。一方、「辞典」第二版では読みだけでなく意味欄にも、「いかる。いきどおる。」の記述があります。

 手元の辞書では、「漢語林」「漢辞海」どちらにも「いか・る」も「かか・る」もありませんでしたが、「大漢和辞典」には「いかる」の読みと、【憑怒(ひょうど)】という用例が載っていました。

 ですので、【憑】にはやはり「いか・る」との意味と読みがあるようです。とすると、「要覧」「必携」の「かか・る」はおそらく「いか・る」の誤植なのでしょう。

 「辞典」初版にない読みと意味なので、本試験に出ることはほとんどないと思いますが、勉強になりました。