漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

お伊勢参り

2014-01-21 17:54:31 | 雑記


直前期にもかかわらず漢検に関係ない話題で恐縮ですが、今日、明日で伊勢神宮にお参りに来ています。前回の遷宮のときにも来ましたが、逆にそれ以来ですので20年振りということになります。

今回、これまででもっとも参拝客が多いとのことでしたが、平日にもかかわらずかなりの人出でした。お若い家族連れやカッブルも少なくなく、関心が広がっているのかな? だとすれば嬉しいのですけれど。

ここに来ると、やはり何かしら背筋が伸びると言うか、身が引き締まる思いがしますね。^^

明日はできるだけ早朝にもう一度参拝したいと思っています。

意味の覚えにくい四字熟語

2014-01-17 10:20:40 | 四字熟語
 25-3 まであと2週間強。1級配当の四字熟語を少し細かく復習していますが、書き取りはともかくとして、意味の記憶が曖昧なものがまだまだたくさんあります。特に、筆跡や文章についての譬えになっているものは、個々の漢字本来の意味からは類推が難しいものが多くて難渋しています。本当は準1級以下の四字熟語まで網羅して、「漢検 四字熟語辞典」の「完全征服」を目指したいところですが、なかなかそちらまでは手が回らないですね。(汗)


(かっこ内は、「漢検 四字熟語辞典」初版の掲載ページです。)



【雲烟飛動】   うんえんひどう   (100)
 筆勢が躍動して力強いことのたとえ。


【游雲驚竜】   ゆううんきょうりょう   (456)
 空に流れゆく雲と空翔ける竜。
 すぐれた筆跡の形容。


【談天雕竜】   だんてんちょうりょう   (327)
 弁舌や文章などが広大で見事なこと。
 広大だが実用には適さない無用の議論や行為のたとえ。


【太羹玄酒】   たいこうげんしゅ   (317)
 規則のみにしばられた淡白で面白味のない文章のたとえ。


【一瀉千里】   いっしゃせんり   (84)
 流れの非常に速いこと
 文章や弁舌がよどみなく、すらすらできることのたとえ。
 ものごとが速やかに進みかたづくこと。


【波詭雲譎】   はきうんけつ   (380)
 文章が自在で非常に巧妙なこと。
 波や雲のように自由自在に限りなく変化すること。


【含英咀華】   がんえいしょか   (133)
 文章のすぐれた部分をよく味わい、心の中に蓄積すること。
 詩文に妙味があることのたとえ。


【燕頷投筆】   えんがんとうひつ   (107)
 一大決心をして志を立てること。
 文筆をやめて武の道に進むこと。

気まぐれ演習問題 5

2014-01-11 20:25:10 | 演習問題
 今年最初の演習問題です。



<訓読み>

1. 荘厳な 【楼】 が天を衝くばかりに聳える。
2. ノビルの古名を 【蘭】 という。
3. 刀の 【茎】 に銘が刻まれている。
4.  【髱髪】
5. 和服の前身ごろの襟から裾まで縫いつける半幅の細長い布を 【袵】 と言う。


<書き取り>

6.  【ユウチュウ】 に日を窺う。
7. あの男は 【ロク】 に挨拶もできない。
8. 年齢と経験を重ねるにつれ、貫 【ロク】 が出てきた。


<語選択書き取り>

9. 地面や水面が広々としているさま。
10. 年寄りと子供。
11. 身分不相応なことをのぞみねがうこと。
12. 学問・研究に精進すること。
13. 星や月の光がきらめくさま。

きゆ  さんぎょう  ぼうげい  らんかん  ばんけい  


<熟字訓・当て字>

14. 【巻柏】
15. 【羅漢柏】
16. 【竹柏】
17. 【扁柏】
18. 【檜柏】
19. 【玉柏】
20. 【花柏】
21. 【側柏】



<解答>
(かっこ内は、「漢検 漢字辞典」初版の掲載ページです。)

1. たかどの   (1601)
2. あららぎ   (1537)
3. なかご  (386)
4. たぼがみ  (1397)
5. おくみ  (812)
 相変わらず訓読みは難しくて、まだまだ穴だらけです。(汗)

6. 【牖中】 (1500)
 【牖】 の訓読みは 「まど」。【牖中に日を窺う】 とは、視野の狭いたとえ。音読み問題として20-3 で 【牖戸(ゆうこ) 】 が出題されています。

7. 【碌】  (1607)
8. 【禄】  (1607)
 油断してる(?)と区別が曖昧になります。

9. 【万頃】 (1431)
 24-3 で文章題の書き取り問題として出題された熟語です。私は実際には受検していないのですが、過去問題集でやった時にはできませんでした。「知らない熟語だ」 と思ったのですが、実は準1級配当の四字熟語に 【万頃瑠璃】 (青く広々としているさま。)、【一碧万頃】 (青い海や湖などが限りなく広々と広がっているさま。) というのがあります。準1級の範囲はかなり忘れてしまっているのでそれをやり直す必要を感じていると同時に、26-1 からは準1級も同時受検しようかな・・・などと(少し)思い始めています。

10. 【旄倪】 (旄:1403 倪:401)
11. 【覬覦】 (覬:281 覦:1488)
 【覬覦/覬む】 (きゆ/のぞ・む) は、熟語の読み・一字訓読みの頻出問題。平成18年以降で4度出題されています。【覦】 も 「漢検要覧」 には 「のぞ・む」 との訓読みが記載されています。

12. 【鑽仰】 (586)
 「さんごう」 とも読みます。

13. 【闌干】 (1536)
 「てすり。」 「涙がとめどなく流れ落ちるさま。」 という意味もあり。また、【欄干】 とも書きます。

14. いわひば  (226)
15. あすなろ  (1526)
16. なぎ  (1029)
17. ひのき  (1366)
18. びゃくしん  (184)
19. まんねんすぎ  (350)
20. さわら  (139)
21. このてがしわ  (952)
 「柏」 族の熟字訓・当て字をまとめました。これも紛らわしいものが多いですねぇ・・・



 そうこうしているうちに、25-3 まで残り3週間。実際の期間が短い上に年末年始が入るので、本当に第2回から第3回まではあっという間ですね。そろそろ新しい語彙の増加よりも、過去問と自作問題の総復習に重点を移して、しっかりやっていきたいと思います。


心癒やされる歌

2014-01-11 10:56:16 | 和歌

東風吹かば 匂ひをこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ
(菅原道真)



しののめの ほがらほがらと あけゆけば おのがきぬぎぬ なるぞかなしき
(読み人知らず   古今和歌集 巻十三 恋歌三)



難波津に 咲くやこの花 冬ごもり 今は春べと 咲くやこの花
(王仁   古今和歌集 仮名序)



世のなかも かくあらまほしき おだやかに 朝日にほへる 大海の原
ふりつもる み雪にたへて いろかへぬ 松ぞををしき 人もかくあれ
(昭和天皇御製)



 2番目のは、「後朝(きぬぎぬ)」という熟字訓を調べるとしばしば紹介されていますね。

 私は特に和歌に造詣が深いわけでも、きちんと勉強したことがあるわけでもありませんが、やはりなにやら心に残る歌というのはあるものです。詠まれている情景や心情はご覧の通りさまざまですが、なんとなく共通点があるかな?

【筌蹄】

2014-01-06 21:47:20 | 故事・成語・諺
 「魚を得て 【筌】 を忘る。」 という故事成語があります。先日の25-2を含め、たびたび出題されている頻出問題ですね。

 これを復習した際、改めて 【筌】 を 「辞典」 で調べ、 【筌蹄】 という熟語に出会いました。「辞典」 から引用しますと、「① 目的を達成するための方便や手段。② 案内、手引き。」 の意で、ここでは 【蹄】 はウサギを捕る罠を意味するとのこと。

 次いで 「四字熟語辞典」 で 【得魚忘筌】 を改めて調べたところ、類義語として 【得兎忘蹄】 というのが掲載されていました。

 【得魚忘筌】 と 【得兎忘蹄】 はどう見ても対になっていますから同じ出典ではないかと思い、【得魚忘筌】 の出典である 『荘子』 を検索してみたところ、やはりありました。



【 『荘子』 外物 第二十六 】

  筌者所以在魚 得魚而忘筌
  蹄者所以在兎 得兔而忘蹄
  言者所以在意 得意而忘言
  吾安得忘言之人而與之言哉

 魚や兎を捕まえてしまえば、そのための道具である筌や蹄のことは忘れてしまう。言葉も、その意味を理解してしまえば、その言葉自体のことは忘れてしまう。私は、どうにかしてそのように言葉を忘れられる人を探して、語り合いたいものだ。


 【筌】 から出発して、【筌】 ⇒ 【筌蹄】 ⇒ 【得魚忘筌】 ⇒ 【得兎忘蹄】 ⇒ 【 『荘子』 外物 第二十六 】  までたどりつくことができました。

 漢字の学習は、こういうところが楽しいですね。 ^^




<「漢検 漢字辞典」初版 掲載ページ>

【筌】 P.896
【蹄】 P.1089


<「漢検 四字熟語辞典」初版 掲載ページ>

【得魚忘筌】 P.365