流浪オヤジの探検日記

KOBEを拠点に各種イベントや名所・旧跡を見て歩き、紹介していきます。

たばこと塩の博物館

2013-03-19 | 博物館・資料館等
「たばこと塩の博物館」は、渋谷区に所在するJT(日本たばこ産業)が運営する
企業博物館です。
同館は昭和53年、日本専売公社(当時)によってたばこと塩に関する資料の収集
や調査を行うことを目的に、現在地である渋谷・公園通り沿いに開設されました。


『たばこの来た道』(中2階フロア)


たばこが、原産地の南米から、どのように人間と関わりながら世界に広がり、
日本に伝わったかを展示しています。


「たばこの葉」
左側:ニコチアナ・トメントスフォルミス(複製)
右側:ニコチアナ・シルベストリス(複製)


「世界の喫煙具」


『日本のたばこ』(2階フロア)


「刻みたばこ」と「きせる」に代表される江戸時代


「かんな刻み機」(複製)
寛政(1789~1801)末から文化(1804~1818)初めごろ実用化されました。


「ぜんまい刻み機」(複製)
弘化(1844~1848)ごろ江戸で発明されました。


「明治期のたばこ文化」


政府は明治37年、「煙草専売法」により原料葉たばこの買い上げから製造販売
まで国の管理(製造専売)で行われることになります。


大蔵省専売局から日本専売公社へと引き継がれながら、昭和60年3月まで
専売の時代は続きました


「戦前のたばこ」


「戦後のたばこ」


「公園通り商店」(復元)
店先部分は、昭和初期から平成まで世田谷区奥沢で実際に使用されていたもの
を移築したものです。
外壁、入口、屋根などは、大正後期から昭和初期にかけて、東京及び関東近県
を中心に建てられた装飾付き商店建築(看板建築)の想定復元とのこと。


商店内も復元されていました。
昭和の懐かしい思いが甦りますね。(^_^)


「たばこの自動販売機」
本機は、昭和8年に上野駅に設置された他、一部の地域で使われたそうです。


「たばこのできるまで」
植物のたばこが嗜好品になるまでの過程を紹介しています。


『日本の塩・世界の塩」(3階フロア)


生活に身近な塩、その基本的な性質、生活との関わりや、世界の塩資源分布
などを紹介しています。


「岩塩」
ポーランド(ヴェリチカ)産、重さ1.2トン


「能登の揚浜で使われていた鉄釜」
昭和初年から昭和58年まで約60年間使われたそうです。


「瀬戸内海の入浜」
潮の干満を利用して、海水を自動的に塩浜へ導入する方式です。


干満差の大きな内海や、干潟の発達した場所に多く見られたそうです。


「流下式塩田」
表面に粘土を張り、ゆるい傾斜をつけた「流下盤」の上に海水を流し、太陽熱で
水分を蒸発させます。
さらに、竹の枝を組んだ「枝条架」の上から滴下させ、風力によって蒸発させて、
かん水を採る方法です。


「現在の製塩工場」(縮尺1/80)
現在は、イオン交換膜法による「採かん」と真空式蒸発缶による「せんごう」を
組み合わせ製塩法を採用しています。


「平釜」(模型縮尺1/15)


「蒸気利用式塩釜」(模型縮尺1/40)


「真空式蒸発缶」(模型縮尺1/50)


「村井兄弟商会 芝工場門柱」(左側)
明治を代表するたばこ商の村井兄弟商会芝工場(旧東京市芝区芝田町)にあった
ものだそうです。工場は明治37年、大蔵省専売局に吸収されます。
「シンボルモニュメント」(右側)
原型は、19世紀の初め頃、スウェーデンのたばこ屋が看板として使用していた
ものだそうです。

たばこ・塩が、人類の歴史と文化に深くかかわり、産業史の上でも大きな意味を
持っていることを認識できました。
日本のみならず、世界に類を見ない貴重な博物館でした。(^_^)

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