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小さな移植患者

病室のベッドに寝ていると、出入り口に引かれたカーテンの下から見えるのは
大人の足。
患者さんの足だったり、見舞いの方の足だったり、はたまた医師・看護士だったり。

でも時々、目と目が合うことがある。
小さな小さな移植患者だ。

1年過ごした7階外科病棟には、お母さんに伴われた2・3歳くらいの子ども達も
共に入院生活を送っている。

産まれつきの胆道狭搾で移植を受けた子ども達が多かった。

H大に転院して初めに驚いたのが、これだった。
自分のいる外科病棟に小さな子どもがいる事、そして皆移植手術を受けている事。

大人の患者さん達が、自分も含め、ある種の悲壮感を漂よせているのに対し、
子ども達は皆明るい。
わけがわからない、ということももちろんあるのだろうが、見ていてかなり元気
を貰った。


いつも考えていたのは、もしこれが我が子だったら、ということ。
もちろん条件さえ合えば、自分が真っ先にドナーになっていただろう。

痛さも辛さも上手く伝えられるのだろうか、とか、苦しみを表現できるのだろうか
とか、そんなことを思いつつ、また一つ考える。

それは・・・、肝臓を貰った身としては、万が一、万が一この先、子どもになにか
あった時、自分がドナーになることはできないんだ、ということ。

せめて子ども達には同じ思いはさせたくない。健康であることを願うばかりだ。
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