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病人の長い一日~その3(自宅編)

長い入院生活の狭間で、外泊や一時退院で帰宅すると心底ほっとする。

病院という隔離された空間から開放されると共に、集団生活から自分の世
界へ戻れる瞬間だ。


ただそれは、病院で看護師さん達に管理、守られ、ある意味安心して生活
していた事から、すべて自己の責任で管理しなければならなくなることも
意味する。

移植から再手術までの6度の入退院で、満足した状態で退院したことは無
かったので、自己管理を含め、家族の負担も大きかった(らしい)。



入院中は自分が多少忘れていても、看護師さんがフォローしてくれたり、
むしろボケッとしていると、矢次早やに指示されたりする。

そんなこんなで、入院中とは違った緊張感が自宅にいても味わえるのだ。
やはり工程表でも作らないと自己管理できない。



【帰宅中のある一日】

 6:00  ・起床
       ・自己測定による「体温」「血圧」「血糖値」「体重」の
        計測      
 6:30~7:30
       ・洗面
       ・インスリン自己注射(15単位)
       ・朝食
 8:00  ・免疫抑制剤服用(プログラフ)(時間遵守)
 8:00~ ・朝薬服用(プレドニゾロン2錠、ゼフィックス1錠、
            ガストローム1包、ラシックス1錠
            スローケー1錠、ラクツロース40mL、
            ウルソ2錠、アミノレバンEN1包)
        恥ずかしながら薬の服用に1時間以上費やしていた。
        特にアミノレバンENには閉口、体調の悪い時は飲みきれ
        ないこともあった。
11:30  ・自己測定による「体温」「血圧」「血糖値」の計測
       ・インスリン自己注射(20単位)
11:30~ ・昼食
       ・昼薬服用(ラクツロース40mL、ウルソ2錠、
             アミノレバンEN1包)
13:00~ ・PCをいじったり、横になったり
       ・さすがに仕事はできなかった
16:00~ ・シャワー(体にドレンが挿入されているので、防水処理
        を自分でしなければならない。専用防水テープを使用、
        シャワーを終えた後は、挿入部分の消毒とドレンの固定)
17:30  ・自己測定による「体温」「血圧」「血糖値」の計測
        (血糖値は通常人指し指か中指から採血するが、回数が
         かさんでくると痛くて測定針を刺せなくなる)
       ・インスリン自己注射(5単位)
        (通常腹に注射針を刺すのだが、段々と固くなり刺す場
         所が無くなってしまうのには苦労した)
       ・夕食
18:00  ・夕薬服用(スローケー1錠、ラクツロース40mL、
             ウルソ2錠、アミノレバンEN1包)
19:50  ・病棟に電話確認(免疫抑制剤の服用量の指示を仰ぐ)
20:00  ・免疫抑制剤服用(プログラフ)(時間遵守)
       ・就寝前薬服用(ガストローム1包、ラクツロース40mL)
21:00~22:00
       ・就寝



入院中との違いは、回診と検査・採血が無いこと。

ただ、定期検診と泌尿器科や放射線科などの他科受診がほぼ毎週のように
あるので、むしろ入院中より忙しかったりする。

この頃はまだ車の運転ができる状態ではなく、公共交通機関で通院できる
状態でもなかったので、検診のたびに妻に会社を休んでもらい、送っても
らっていた。

     

水分摂取量のチェック、排便回数のチェックなどは病院にいた時と同じよ
うに毎日しなければならない。


自宅で良かったことと言えば、勿論家族と一緒にいられること。

そしてなにより、9時に電気が消されないこと。
寝る時間は自由だ。

それどころか、疲れて寝たくても、子供がうるさくて寝れないという贅沢
な悩みが出てきてしまう。


病院が懐かしくなってしまうのは困ったものだ。
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