アーバンライフの愉しみ

北海道札幌近郊の暮らしの様子をお伝えしています。

第148回直木賞受賞作~安部龍太郎著「等伯(上下)」

2013年09月24日 | この一冊
信長から秀吉の時代に活躍した絵師、長谷川等伯の伝記的小説。
日経11年1月~12年5月連載、上下巻都合714頁の大作。第148回直木賞受賞。



物語~養父母の非業の死で故郷(七尾)を追われた長谷川信春は、激動の戦国を生き抜き、都で天下一の絵師をめざし奮闘する。秀吉の世で得た一時の平穏も、狩野派との争い、心の師千利休の自刃等から孤高の闘いを強いられる。

そして、等伯(信春)がたどり着いた愛と鎮魂の境地が国宝「松林図屏風」(6曲1双)であったという。ご一読をお勧めします。(お勧め度:★★★)

直木賞選評:林真理子氏
上巻は戦国の世を生き抜く等伯を描いて、まるで冒険小説のような面白さだ。そして下巻は、政治に翻弄され、陰謀と策略の世界に身を置く画家を描ききった。違う色彩で、上下巻を一気に読ませる力はさすがである。
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安心して電車に乗りたい~JR北海道

2013年09月24日 | ドラミング
JR北海道における車両火災や脱線事故に加え、職員による安全装置の破壊などの不祥事は目に余るが、加えて、保線管理のずさんさが表面化した。



つまり、100ヶ所近い線路で、その間隔が規定値を越えていたというから驚く。
線路の間隔が広がれば、脱線につながるだろうことは素人にもわかる。

その結果発生したとされる今回の事故は、貨物車両の脱線だったから人命に被害はなかったが、日頃、JRを利用しているわが身としては心配だ。

また、これらの保線管理情報が担当部署は勿論、本社においても、どのように管理され蓄積されていたのか定かでないというのだから恐れ入る。

このように、巨大企業におけるガバナンスの欠如は、東京電力における福島第一原発の事故において経験済みではなかったか。

つまり、2008年時点で10mを越す津波の襲来が予見できていたにも拘らず、何の対策も施されなかったことが大事故に発展した。

JR北海道は、今回の不祥事を単に保線管理の問題に矮小化することなく、巨大企業におけるガバナンスの問題として真剣に検討し、対処して欲しい。

そうでなければ、私たち利用者は安心して電車に乗ることができない。
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