どくたみの 十字を切りし 白衣かな
馬糞 Bafun
どくだみの、十字の白花の頃になった。
どくだみは、いかにも医療の花である。
実際、十薬といわれる漢方薬である。
利尿作用に優れ、毛細血管をつよくするなど、多くの効能を持つら
しい。
化学肥料や農薬のように、医薬品も医療も、鉱物的な医療になっ
ているが、有機農法に習って、植物や微生物の持つ不思議な生命エ
ネルギーを用いる医療に戻るべきなのではないか。
【高齢化社会から病を追放しよう】
現代医療は、唯物医療である。
すなわち、心の医療が欠けている。
病院で死ぬことは、決して幸福ではない。
人は必ず死ぬ。
人には天寿がある。
死ぬべきときに死ぬ。
問題は、どのように死ぬかである。
心を清め、心を温かくしてあの世に旅立つことである。
くよくよしてはいけない。
お金のある老人は、スポーツクラブに行こう。
スポーツクラブは、老後のスポーツを研究しよう。
生涯スポーツは、老後世代から立て直すべきかも知れない。
お金のない老人は、働かなければならない。
死ぬまで働けることもまた、幸せなことかもしれない。
だれも、見捨てたりはしない。
働く老人を、誰が見捨てるだろうか。
【高齢者医療イノベーション】
死ぬまで働けるためにも、日々、健康でなければならない。
歩くのが一番だ。
俳句をひねりながら、行商するもよし。
老人のための店開きを考えてもよし。
老人の、老人による、老人のためのベンチャーに、銀行も政府も、資
金提供することだ。
高齢者が悲壮感ではなく、楽しみながら商売できるように、高齢者
医療の一環として、健康保険で公設市場を作ってはいかがか。
高齢者医療に必要なのは、ポンコツになった肉体の補修だけでは
なく、ポンコツを支える精神と経済の豊かさを生み出す機会を処方す
ることである。
花鳥風月を楽しめる「どくだみ処方」、楽しく運動する「シルバース
ポーツ処方」、楽しく収入を確保させる「公設市場出店処方」・・・。
医療概念のイノベーションが必要である。
老人が豊かな国こそが、真に豊かな国である。
梅士 Baishi