北の風に吹かれて~独り漫遊記~

町歩きを中心に、日々の出来事を綴ります。 
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道の駅なないろ・ななえ

2024-07-02 20:36:14 | 渡島・檜山地方

 

函館の隣町、七飯町の道の駅に行ってきました。

2018年に開業している、道南地方では最も新しい道の駅です。

 

 

 

駐車場で車を降りて、真っ先に目に入ったのがこちらのモニュメント。

何を模ったものでしょう・・・?

 

 

近づいて見ると、一つ一つ形が違っています。

 

 

正解は、七飯町で栽培されている果樹でした。

1869年、R・ガルトネルというプロシア(ドイツ)人が、五稜郭を占領した榎本武揚と開墾条約を結んで大規模な農場を開き、リンゴやブドウ、サクランボ等の種子を直接本国より取り寄せ栽培を試みたことが、日本における西洋果樹栽培のはじまりとされています。

先程のモニュメントは、リンゴ、ブドウなどを模ったものなのですね。

 

 

モニュメントの側に、七飯町の西洋果樹栽培の歴史が記されています。

 

 

歴史が新しく、国道に面している立地条件の良さもあって、土日祝日は多くの客で賑わっています。

 

 

館内には、七飯町の歴史についての解説板があります。

こちらは、先程触れた西洋果樹栽培の歴史。

 

 

七飯町の開墾に尽力した「八王子千人同心」の解説。

「八王子千人同心」とは、武蔵國多摩軍八王子(現在の八王子市)に配置された旗本およびその配下の武士(同心)によって構成された江戸幕府直轄の職制で、関ヶ原の戦いへの参陣や甲州街道、日光街道の整備など多岐にわたる業務の中、蝦夷地の警固と開拓にも当たっていた歴史があります。

「日米和親条約」によって箱館が開港した後、幕府が蝦夷地の警固と開拓に当たる志願者を募ったところ、これに応じて七飯にやって来たのが、「秋山幸太郎」という人物をはじめとする15名の「八王子千人同心」で、彼らは開墾、養蚕、織物などに従事して、七飯の発展に尽力しました。

 

 

箱館奉行所は、「七重村御薬園」という幕府直轄の農園を設けて、マツやスギなどの苗木や薬草を植えました。

現在、函館から七飯に至る国道5号には、両脇に赤松が植栽されていて、「赤松街道」と呼ばれていますが、そのルーツとしての歴史が記されています。

 

 

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「倉山卯之助」という人物の功績を記した解説板。

赤松街道の赤松もそうですが、七飯町は、北海道における植林事業の先駆けとなった場所でもあります。

 

 

この解説板にもありますが、五稜郭のイメージが強い「箱館戦争」は、現在の七飯町峠下という場所での戦いから始まったとされています。

七飯町の隣にある森町の鷲ノ木という場所に上陸した旧幕府軍は、陸軍奉行大鳥圭介が率いる部隊と、かの土方歳三が率いる部隊とに分かれ、そのうち大鳥隊の方が、峠下で新政府軍との戦闘を繰り広げ、ここで勝利した後、五稜郭を占拠するに至っています。

 

 

先程から「七飯」と「七重」という表記を混用していますが、どちらも「ななえ」と呼びます。

現在の「七飯」という地名は、1879年に、「七重村」と「飯田村」という二つの村が合併して誕生したもので、「七重」とは、「ナアナイ」(いくつもの川の意)若しくは「ヌアンナイ」(豊かな沢の意)というアイヌ語に由来し、「飯田」とは、八王子千人同心の頭取であった「飯田甚兵衛」が開墾したことに由来するとされています。

解説板にある「七重官園」とは、明治新政府直轄の農場で、国内外の作物の試験栽培や、最新の技術と知識を身に付けた人材の育成に当たっていました。

 

 

別な記事でも改めて触れますが、七飯町は、男爵薯の発祥の地とされており、その歴史を伝える碑が、赤松街道沿いに建てられています。

 

 

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せっかく寄ったので、何か美味しいものでも頂きましょう。

 

 

ということで、真っ先に目に入ったのがこちらでした。

 

 

駐車場の一角には、このような幟が立っています。

さっぱりとした味わいで美味しそう。

 

 

しかし、私にはこちらの方が強いインパクトを覚えました。

「ガラナ」のソフトクリームです。

 

 

7年前、全国から人が集まる研修で東京にいったとき、北海道を象徴する飲み物として「ガラナ」を挙げた人がいました。

そもそも「ガラナ」って何?という話かと思いますが、ブラジルで「不老不死」として扱われていた「ガラナ」という木の実を基に作っ、コーラよりも少し酸味が感じられるドリンクです。

誕生したのは1958年で、その頃は炭酸飲料と言えば、ラムネやサイダーが一般的である中、数年後にはコカ・コーラが数年後に上陸するとの噂に危機感を抱いた飲料メーカーが製品として投入したそうです。

その後、コカ・コーラが日本に上陸すると、あっという間に大人気炭酸飲料になり、ガラナの生産は低調になっていきましたが、本州から北海道にコカ・コーラが渡ってくるまでには約3年のブランクがあったそうで、その間にガラナ飲料は北海道民に広く定着して、今でも北海道民のソウルドリンクとして親しまれています。

その「ガラナ」がソフトクリームに。初めて食べましたが、ぶっちゃけ、好き嫌いがはっきり分かれそうな気がしました。

美味しかったですけどね。

 

 

 

館内では、特産の野菜や、お土産としても人気のワインも販売されています。

 

 

こんな可愛らしいキャラクターが出迎えてくれる、「道の駅 なないろ・ななえ」。

初めて行ってきましたが、楽しめる場所でした。車での道南観光に当たってのオススメスポットです。

 


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