函館市電の電停「魚市場通」と「十字街」の中間くらいに、このような標柱があります。
ここが、北海道における警察官派出所、「交番」の発祥の地ということです。
ですが、「二箇所」と書いてあります。
もう一箇所はというと・・・、
市電「函館どつく前」停留所近くの住宅地です。
ありましたありました。
同じことが書いてありましたね。
色々な「発祥の地」があるものです。
こちらの建物。
一箇所目で紹介した方の近く、市電「十字街」停留所の近くにある「函館西警察署 十字街交番」。
このような警察の建物のことを、今では「交番」と言っていますが、先程の標柱には「派出所」とあります。
今でも「派出所」という表現を用いることも多いですが、調べたところ、1994年(平成6年)に、「派出所」という表現は公式には廃止され、「交番」が正式名称となっているのだそうです。
では、そもそも「交番」ってどういう意味なのか、皆様御存知でしたでしょうか?
先日、一箇所目で紹介した方の歴史を調べていて初めて知ったのですが、この「交番」という言葉が北海道で初めて公に用いられたのは、1872年(明治5年)制定の「邏卒自守条目」という規程だったそうです。
「邏卒」とは、明治初期に、各府県において、現在の警察業務に当たる業務を担っていた官吏のことですが、この規程の中に、こんな条文があったそうです。
「屯所内へ一名不寝番を極め置き、巡邏の時計を計り、夜中の取締等致すべき事、但し『交番』の儀は屯所の適宜に定めるべき事」
要するに、派出所において、夜間、寝ずの当番を一人置いて、取り締まりが手薄にならないよう徹底することを命じつつ、次の当番と交代する時刻は、各派出所において定めることという意味なのですが、この条文がきっかけで、「勤務を交代する」という意味の「交番」が生まれ、「巡査交番所」という言葉が生まれて、現在に至っているという説があるそうです。
北海道の話を書きましたが、東京においても、明治7年(1874年)に警視庁が設置され、それまでの「邏卒」が「巡査」と改称され、「巡査が、警察署から徒歩でパトロールを行いながら、交代で立番(りつばん)などを行なう場所」として「交番所」という名称を用いるに至ったという歴史があるそうです。
なるほど、「派出所」は、現在は公式な名称ではなく、廃止されたのは1994年だったんですね。「週刊少年ジャンプ」に連載されていたあの人気漫画シリーズは、それよりもずっと前に始まっていたから、「派出所」という表記が用いられていたということなのか。なるほど納得です。