どっちが主人公だっけ?と思う作品ランキング(gooランキング)
半分以上が観たことのない作品ばかりだけど、私はずっと、「ドラえもん」の主人公はのび太であると思いながら観続けてきた。
理由は、「主人公は誰か?」という問題は、その物語が誰の目線で描かれているかに注目すべきだと考えているからであるが、もう一つ言うと、「主人公」=「主役」では必ずしもないとも思っていた。
この考えを当てはめると、「ドラえもん」の場合、「主役」は、作品名にもなっているドラえもん自身でよいと思うが、ドラえもんは、のび太の暗い未来を危惧して、それを良い方向に持って行くためにやってきたロボットであり、それが作品のコンセプトである以上、一つ一つのストーリーがのび太の目線で描かれるのは自然なことで、ドラえもんの役どころというのは、主題歌のフレーズにもなっている「こんなこといいな できたらいいな」というのび太の願望を実現するための存在と言えると私は考えている。
この点に関しては意見は様々かと思うので、そんなことないだろうと考える人がいても別に反論するつもりはないが、私が、長年先のような考えで観続けてきたのは事実なので、その考えは今後とも変わることはないと思う。というか、変えてしまったら、作品自体を楽しめなくなってしまうと思うし。
ランキングには入っていないけど、同じような考え方で、そのとおりだなあと思った作品に、「ウルトラセブン」がある。
二十年くらい前の話だが、あるウルトラ関連の書籍の中で、収録されているコラムの執筆者が、「『ウルトラセブン』の主人公はモロボシ・ダンではない。ウルトラ警備隊である。」と書かれていたのを読んで、確かにそのとおりだと思った。
こちらも、ドラえもんと同じで、「主役」は、ダン=セブンでよいかと思うが、一つ一つのストーリーは、その時々で中心となっている隊員だったり、あるいは警備隊全員の目線で描かれているように私には思える。
例えば、フルハシ隊員の乗るウルトラホーク3号が、カナン星人の策略によりコントロールを狂わされ、旅客機と正面衝突する危機に見舞われる、第24話「北へ還れ」は、完全にフルハシの目線で描かれていて、ダン=セブンは、そんなフルハシを救うための役どころでしかないのがわかるし、フルハシだけでなく、キリヤマ隊長、ソガ、アマギ、アンヌが中心のエピソードでも同じことが言えると思う。
また、第47話「あなたはだあれ」に登場する中年サラリーマンのように、ゲストが物語の中心と言っても過言ではない回もあるが、ゲストの目線も大事にしつつ、その危機を救うために活躍するウルトラ警備隊(この回の場合、正確にはフルハシとダンの二人)の目線で物語が描かれていることが、やはり観ていてよくわかる気がする。
そのように、隊員(登場人物)一人一人のキャラクターをしっかりと確立し、その時々において中心となる者の目線で描くという基本がぶれていなかったことも、「ウルトラセブン」が、シリーズ最高傑作と言われ、間もなく放送開始五十年を迎えるという今になっても根強い人気を保ち続けている理由だと、私は思う。
セブン関連の方が長くなっちゃったけど、私はこれからも、「主人公=物語が誰の目線で描かれているか」という視点から様々な作品を観続けていきたいと思います。