北の風に吹かれて~独り漫遊記~

町歩きを中心に、日々の出来事を綴ります。 
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上磯ハリストス正教会

2024-12-02 20:13:07 | 渡島・檜山地方

昨日の日中、突然自宅のテレビで、NHK総合が電波受信不良に陥り、しばらく何も映らない状態に。

それも、Eテレは正常なのに、総合だけが映らないという不思議な状況で、全チャンネルをチェックしたところ、他にもテレビ北海道(テレビ東京系)が映らない状態。

テレビ北海道はほとんど見ないので大した問題はないけど、NHKはなんだかんだで見るので、どうしたものかなあと思っていましたが、何とか夕方には復旧し、今は普通に見られています。

電波不良が主原因のようだけど、今のテレビはもう10年以上経っているので、そろそろ買い替え時かなあということを考えさせられた出来事でした。

 

さて、そんな書き出しとは全く関係ない話題になるけれど、東京旅行記も書き終えたので、また函館とその周辺の話題を少しずつアップしていきます。

先日、「カトリック北町教会」のロケ地レポをアップしたとき、ロケ地仲間でもあるブロ友から、「(教会もロケ地として使われることが多いので)教会協会」なるものの結成を促されるコメントが寄せられましたが、ロケ地とは関係なく、函館でガイド活動をしている関係上、教会を見て、色々と気になるなと思うことが増えてきています。

ということで、今日はこちらの教会を。

 

 

 

函館の隣の北斗市にある「上磯ハリストス正教会」。

「上磯」とは、2006年2月に「大野町」という町と合併して「北斗市」となった、「上磯町」という町のことですが、「ハリストス正教会」といえば、改めて書くまでもなく、函館の西部地区を代表する教会の一つである、ロシア正教会の教会を思い浮かべます。

ガイドで「『函館ハリストス正教会』は、日本最初のロシア正教会の聖堂ですが、『ハリストス正教会』自体は、函館だけではなく、札幌や釧路にもあるんです」という話をすると、割と食いつきがよく、興味を持っていただけるように感じていますが、北斗市にもあるということは、まだ一度も話していなかったように思います。

 

(札幌のハリストス正教会)

 

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(釧路のハリストス正教会)

 

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ロシア正教会の象徴ともいえる、「ロシアン・クロス(八端十字架)」が掲げられています。

一番下が、まっすぐではなく斜めになっているのが大きな特徴で、聖書によると、キリストが十字架にかけられた際、両隣の十字架に盗賊がかけられたと記されており、その右側、上の写真だと向かって左側にかけられた盗賊は、キリストの説諭により最後は悔い改め、天国へ召されたとのことですが、キリストの左側、上の写真で向かって右側にかけられた盗賊は、最後まで悔い改めなかったことから、地獄へ落とされたとされています。

そのような話の象徴として、キリストから見て右側が上り、左側が下がっているというのが、ロシアにおける十字架の特徴となっており、ロシア正教会の信徒たちは、この十字架を見る度に、魂の救いのために悔い改めることがいかに大切かということを思い起こしているそうです。

 

 

大きな鐘が吊るされていました。

「函館ハリストス正教会」は、大きく響く鐘の音から「ガンガン寺」とも呼ばれていますが、その「ガンガン寺」に1968年に寄進されたという先代の鐘が、この「上磯ハリストス正教会」に設置されていると、先日読んだ本に書かれていました。

ということはこれ・・・なのかな。

 

 

教会の経緯が記されていました。

「函館ハリストス正教会」は、1858年に来日した初代ロシア領事「ゴシケヴィッチ」が、西部地区の「実行寺」というお寺に仮領事館を開設し、翌年小さな司祭堂が付設されたことに始まっていますが、上磯の方は、その函館正教会から分離したもので、1875年に、上磯の民家を利用して布教を始め、解説板にもある1884年に、「有川正教会」として会堂が設立された歴史があります。

車じゃないと来ることが難しい場所なので、観光客は、ドライブで来る方ぐらいしか訪れないと思いますが、次回「函館ハリストス正教会」をガイドするときには、この教会の話にも触れてみようと思います。

 

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八雲神社

2024-10-25 20:14:07 | 渡島・檜山地方

 

 

懐かしい思い出の町八雲町。

これからも何度か足を運ぼうと思いますが、ひとまず今回の散策記はここまで。

最後は「八雲神社」です。

 

 

正門の、所謂「一の鳥居」から社殿までは、約300mほどあるそうです。

 

 

とは言いつつ、「300m?1kmくらいあるんじゃないの?」と、とても長く感じました。

 

 

 

穏やかな表情の狛犬。

割と新しいなと思ったら、それもそのはず、2018年5月の竣工だそうです。

 

 

 

 

尾張徳川家の当主によって開拓が進められた八雲町。

社紋も、徳川家の三つ葉葵です。

 

 

八雲神社は、1884年(明治17年)、移住者たちの精神的拠り所として社殿が建設され、1886年(同19年)12月に村社列格されました。

1887年(同20年)3月に、移住者たちの故郷熱田神宮に御分霊願を出願し、分社となる。熱田皇大神の御分霊を正式に許可されたのは史上八雲神社のみだそうで、。この裁可は、明治新政府の創成にあたり、尾張徳川家第17代当主、徳川慶勝の功績を高く評価した明治天皇の特別の計らいによるものだそうです。

このことからも、八雲町は、現在の名古屋市と切っても切れない関係にあることがわかります。

そういえば、八雲町の郊外に「熱田」という地名があり、同級生の実家の牧場があったのを思い出しました。

 

 

 

「英霊碑」。

これまで訪れた多くの神社で同じような碑を見てきましたが、こちらは、1908年(明治41年)に設立された「八雲在郷軍人会」が、日露戦争戦没者の忠魂碑として設置したもので、1951年(昭和26年)に八雲神社に移設されています。

 

 

神社の所在地は「宮園町」と言います。

住んでいた当時、同級生が何人かこの近くに住んでいましたが、地名の由来は、「なるほどそういうことか」と、40年経った今になって納得しました。

 

追記:10月26日 9時22分

八雲神社の神紋ですが、熱田神宮の神紋である「五七桐竹紋」という、古くは豊臣秀吉の家紋であり、皇室が用いていたこともある由緒あるもので、徳川家の「三つ葉葵」とは別なものでした。

調べて行る中で見つけたサイトに「三つ葉葵」と書かれていたのを、裏取りせず鵜呑みにして書いてしまいました。大変失礼いたしました。

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開拓移住者上陸第一歩の地碑

2024-10-23 19:57:42 | 渡島・檜山地方

 

 

八雲町の郊外に、このような木製の碑が設置されています。

相当前からあると思うのだけど、先日テレビ番組で紹介されるのを見るまで全く知りませんでした。

 

 

先日、木彫り熊の歴史に深く関わった、尾張徳川家第19代当主の徳川義親について紹介しましたが、その二代前の当主であった徳川慶勝は、明治維新後に無職となった旧藩士達の授産のため、北海道移住に着手し、それにより、町内を流れる「遊楽部(ゆうらっぷ)川」の河口付近にあったとされる「ユーラップコタン」周辺に和人も住み始めたことから、「徳川家開墾試験場」を開設しました。

1878年には、尾張徳川家の旧家臣が遊楽部川沖まで船でやってきて、はしけ船やアイヌに背負われて上陸し、内陸側に移住したとされています。

そんな開拓の第一歩を踏み出した地の碑が、こうして解説板と共に建立されているということですが、本当にこの碑の存在は知らなかったです。

木彫り熊の歴史と共に、また一つ、思い出深い町に興味深いエピソードを発掘することができました。

 

 

碑の近くに咲いていた花を1枚。

その綺麗さを見て、碑の維持管理と共に、大切にされていることが窺えました。

 

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木彫り熊資料館

2024-10-21 20:09:54 | 渡島・檜山地方

 

JR八雲駅から、線路を挟んで少し北へ移動した所にあるこちらの建物。

外壁の色は変わっていますが、私が住んでいた40年前から、変わらず同じ場所にあります。

 

 

「八雲町郷土資料館」。

小学生のとき、副読本で町の歴史について勉強していたこともあり、当時もよく通っていましたが、写真の幟は、さすがに当時はありませんでした。

「熊彫のまち八雲」と書かれていますね。

 

 

そうなんです。40年前は「郷土資料館」の看板しかなかったのですが、ここ八雲町が発祥の地とされている木彫り熊の歴史を広く伝えるべく、現在は、同じ館内に「木彫り熊資料館」が併設されているのです。

 

 

 

立派な存在感のある熊がお出迎え。

 

 

こちらはまた、珍しい形の彫像です。

 

 

こちらは、5年前に閉店した、函館駅前にあったデパート「棒二森屋」にあった像だそうです。

市街地再開発準備組合が寄贈を受けたものを八雲町が一時借用しているということは、再開発の状況次第ではまた函館市に戻るということなんでしょうかね。

でも、その頃にはもう函館にはいないだろうなあきっと。

 

 

 

解説板の最後の方をご覧ください。

ベイエリアにある「北海道第一歩の地」碑のモニュメントをデザインした方の作品だそうです。

 

 

これが「北海道第一歩の地」碑のモニュメント。

八雲町に縁の方のデザインということで、木彫り熊の歴史も含め、ガイドするときに上手くエピソードを組み立ててみようと思います。

 

 

ということで、ここからが「木彫り熊資料館」です。

 

 

 

 

 

 

 

見ていて圧倒されるくらい立派な彫像が揃っています。

 

 

 

現在の八雲町に、道外から移住者が来たときの様子が描かれています。

 

 

 

 

先程の根本勲氏の解説が、こちらにも掲示されていました。

 

 

 

 

 

木彫り熊は、北海道のお土産と言えばと問われた人の大多数が真っ先に思い浮かべたほどの人気の民芸品で、現在でも根強い人気を誇っています。

八雲町で初めての木彫り熊が作られたのは、およそ100年前。町内の農場主であった、尾張徳川家第19代当主、徳川義親公が、スイスから持ち帰った木彫り熊を真似て、農民たちにお土産として作らせたのが最初とされ、そこには、厳しい冬の寒さや経済不況で悩む農民たちを救済するため、木彫り熊を日本で作り、農民たちの生活を少しでも豊かにしようという配慮があったとされています。

やがて木彫り熊は、北海道を代表する民芸品として、その地位を確固たるものとしていきました。一時、彫る職人の数が徐々に減少し、衰退の一途を辿っていったこともありましたが、近年になって、またその魅力が幅広い世代から注目されるようになり、SNSで国内のみならず海外まで発信され、再び人気の民芸品として脚光を浴びるようになっています。

八雲町にたくさん思い出のある私としても、木彫り熊が今後とも末長く大切にされていくことを願っています。

 

 

最近、八雲町内でこのようなロゴマークが多く見られるのだそうです。

次回また行く機会を作って、探してみようと思います。

 

 

 

「木彫り熊資料館」に隣接する公民館の敷地内に、先程触れた徳川義親公の像が建っています。

義親公は、木彫り熊だけでなく、町内における酪農業の礎を築いたり、農民の生活改善のために、レンガ造りの家や暖炉の家、ストーブなど導入するなど、町の発展の歴史に多大なる足跡を残しています。

 

 

 

今回、久しぶりにこの場所へ行ったことで、懐かしい思い出と共に、木彫り熊に対する思いを深く持って行きたいと思うようになりました。

 

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山越駅

2024-10-19 19:35:38 | 渡島・檜山地方

 

八雲町山越地区のスポット紹介第3弾。

「停車場」とありますが、ということは・・・。

 

 

 

そう、JR函館本線の山越駅です。

右側の札に「山越内関所」あるとおり、かつての関所をイメージした駅舎となっています。

 

 

一昨日の記事でも触れた、江戸幕府による直轄の歴史と、この地に関所があった経緯が記されています。

 

 

小さな無人駅ですが、このように待合用の椅子が置かれています。

 

 

一つ隣の八雲駅には特急が停車しますが、ここは普通列車のみです。

時刻表を見ると、上り下りの時刻が近い時間帯が多いですね。

 

 

 

駅舎内には、関所の模型と平面図が設置されています。

 

 

外へ出てみました。

 

 

八雲に住んでいた当時は鉄道少年だったこともあり、町内の駅名はきちんと頭に入っていました。

なので、函館よりの隣接駅である「野田生(のだおい)」というのも大変懐かしい響きです。

 

 

ホーム側も、正面と同様、関所を模した構造になっています。

地域の歴史を窺い知ることができる趣深い駅舎。今後とも大切にされ続けていってほしいと思います。

 

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