町中を歩いていて、こんな広告を見つけました。
「愛され続けて40年」とあるけれど、これを見て、「そういえば、昔食べたことある、懐かしい~」と思いました。
「ユカたん」というのは、かつて札幌市内で人気だった「ニシムラ」という和洋菓子店の人気商品で、シフォンケーキの中にカスタードクリームの入ったお菓子のこと。
「ユカたん」という名前も、この広告を見るまで忘れていたけれど、「ニシムラ」というブランド名も、そういえばあったな~と思い出しました。
私もすっかり忘れていた、「ニシムラ」さんの歴史。
読み取れないと思うので書きます。
1929年(昭和4年)、札幌。
ニシムラファミリーの前身企業である西村食品工業は、「すべての札幌の子どもたちにシュークリームを」と唱えた、キリスト者西村久蔵により今の札幌グランドホテルの地で創業されました。
※久蔵の人に尽くした生涯は、小説『氷点』で知られる作家の三浦綾子氏が『愛の鬼才 西村久蔵の歩んだ道』という本に記しています。
戦時中は水産加工業に転身した時期もありましたが、戦後はパン・ケーキの製造販売に戻り、学校用給食パン製造等で順調に販売を拡大しました。
その後は、「マリモ羊羹」「雪もち」「バターフィンガー」「レモンケーキ」「ユカたん」などのヒット菓子を出し続け、「洋菓子のニシムラ」として長く道民に親しまれてきました。
写真に写っているお店のロゴ。札幌市民であれば見覚えがあるという方も多いと思います。
かつては、札幌の地下鉄駅構内で営業していた聴覚障碍者のお店「リリー」にもケーキを供給していました。
平成15年(2003年)に、母体である「西村食品工業」が倒産して全店舗が閉鎖され、その後は、千歳市にあった「ニシムラファミリー」が事業を承継するも、そちらも四年前に破産。今度は「どさんこエナジー」という会社に商品が引き継がれ、このほど、札幌市内に、人気商品であった「ユカたん」のショップが開業したということです。
行ってきたのは、札幌の中心部にある「札幌ナナイロ」というビルの1階にある店舗。
このほか、JR手稲駅前と、地下鉄北24条駅直結のバスターミナルにも店舗があります。
これもまた美味しそうですが、今回はあくまでも「ユカたん」が目当てなので、こちらはスルー。
ぜひまたの機会にということで。
いつ以来でしょう食べたのは。
とても懐かしい味で、また一つ、道外の方にオススメしたいお菓子ができました。