上の写真は28日放映NHKテレビ「イブニング信州」から。インタビューに答える反町監督
2016年11月28日14時31分
ネットに興味深い記事が載っていた。
日刊スポーツ現場発 サッカー担当記者が取材現場の空気を熱く伝えます
「誤審に思う、サッカー界のビデオ判定は是か非か」
鎌田直秀記者
「誤審」は是か非か-。もちろんあってはならないことだが、個人的には、それもスポーツかな? と思ってきた。だが最近、再考させられる“事件”があった。
11月20日、J2最終節の松本-横浜FC戦(松本)。相手ハンドで得たPKを決めるなどして、松本は3-2で勝利したが、勝ち点84で並んだ2位清水に得失点差で及ばず3位が決まり、自動昇格を逃した。試合後、反町康治監督(52)は「我々はイーブンと思っている。前回はPKをとられなくて、今日はPKなんですから、不思議なものですよ。なぜこういう話をするかというと、レフェリーにも何か感じて欲しかった」と、1週間前の出来事に言及した。
同12日の第41節・町田-松本戦(町田)では、ペナルティーエリア内で2度、ファウルと受け止められてもおかしくはない場面があったが、松本にPKが与えられることはなかった。1-2で敗れ、7月10日から4カ月間維持してきた自動昇格圏内の2位から3位に陥落した。クラブはJリーグに意見書を提出。反町監督は「この前の2つともPKです、そういう回答がきた」と苦笑い。そして、続けた。「我々のサッカー人生、松本市民の人生、テレビ局の人生、新聞社の人生とか、いろいろ変わってくるということです」。人生に「たら、れば」は後の祭り。だが、もし2つのPKを得て、2得点していたならば、勝ち点3を得て、優勝した札幌を上回る可能性もあった。1度下した判定を「誤審」と簡単に認めてしまっていいのだろうか。私には疑問が残った。
1969年、大相撲界は“事件”によって変化した。春場所で大鵬が「世紀の大誤審」で戸田に負け、連勝が45で止まった。映像では戸田の右足がかなり早く土俵の外に出ていた。古い体質と言われてきた角界だったが、これを機にいち早く「ビデオ判定」を導入。現在ではテニス、バレーボール、ラグビーなど数多くの競技で審判や監督、選手らに、ビデオ判定を求める権利が与えられている。
サッカー界でも、ICチップを埋め込んだボールを使ったゴール機械判定技術(ゴールライン・テクノロジー)が導入されつつある。だが、国際的に統一されてはいない。もちろんビデオ判定は認めていない。プレーが止まった時の判定では容易だが、サッカーではプレーが続く中での判定を見定めることも多くなり、プレーを寸断することになる。だからこそ難しい。ですが、判定が覆らないにもかかわらず後で「誤審」と認めるのであれば、その場で見極めた方が、みんなが納得するのではないだろうか。
ただ、それとひき換えに、86年W杯メキシコ大会での「マラドーナの神の手」などの歴史は生まれることはない。プレーが止まればロスタイムは必然的に増え、27日のJ1昇格プレーオフ準決勝で松本がロスタイム弾に泣いたような場面も増えそうだ。映像が残る現代だからこそ、観客も“審判”として判断できてしまう。審判泣かせの時代でもある。
私はアナログタイプだが、公正公平を求める時代だからこそ、サッカー界のビデオ判定導入賛成に傾きつつある。みなさんは、どう考えますか? 【鎌田直秀】
◆鎌田直秀(かまだ・なおひで)1975年(昭50)7月8日、水戸市出身。土浦日大-日大時代には軟式野球部所属。学生時代には挟殺プレーの“誤審”による敗戦も経験。98年入社。販売局、編集局整理部を経て、サッカー担当に。相撲担当や、五輪競技担当も経験し、11月からサッカー担当復帰。180センチ、増量阻止中。右投げ左打ち。
これまた日刊スポーツの記事から
J1昇格を逃した松本の反町監督が退任する可能性が高まった。引き分けでも決勝進出の優位な状況だったが、リーグ戦を含み3戦連続で先制を許す苦しい展開。一時はCKをMFパウリーニョが頭で合わせて同点としたが、ロスタイム弾に屈した。
試合後は「選手には勝ち点84は胸を張っていいよと言った。すべて私の責任。私にとっても、これ以上の強いチームを作るのは至難の業。悔いもございません」と肩を落とした。また、GKダニエルには古巣仙台復帰を含め、J1複数クラブから獲得オファーが届いている。
この通りだとしたら寂しい気がする。