New Order
23 SEP 2015
iTunes
http://www.neworderonline.com/
最高にかっこいい!実に10年ぶりの新譜は、MUTEレーベルからのリリースである。高まるだけ高まった期待は、まったく裏切られることがなかった。一部ではダンス・ミュージックの復活!と噂されていたけれど、それほど強い印象は受けなかった。それより何より、やっぱ New Order だなあと、しみじみ思ったのだった。かれこれもう30年くらい聴き続けているのか。変わらないなあ。この歳になってまた新譜を聴くことができるという奇跡を喜ばずにはいられない。
悲劇とともに語られることが多いせいか、非常に内相的なイメージがつきまとうバンドである。でも、それで何が悪いと開き直ったところが、逆に強みとなっている。ソロ活動に没頭しようが、メンバーが脱退しようが、バンドは存在し続けた。それが運命と言わんばかりに、こうしてまた最高傑作を世に送り出した。フッキーがいなくても、わりと上手くいったんじゃないかな(笑)。
New Order というのは、やれポスト・パンクだ、やれアシッド・ハウスだと、どうしてもサウンド・スタイルがクローズアップされてしまう。もちろん、それだけクオリティが高い音を構築しているわけだけど、個人的にはバーニーが歌い奏でるメロディーにこそ、その魅力があるのではと思っている。「Restless」から「Singularity」といきなり飛ばすあたりは、「GET READY」あたりを彷彿させるが、真価は「Academic」や「The Game」みたいな地味な曲にあるような気もする。
改めて、自分のセンスにいちばん近いバンドであることを認識した最重要アルバムとして、生涯語り継がれるであろう。心して聴け!