前半戦は1-0でいわき、天皇杯では0-1で福島と一勝一敗で迎えた2022年の福島ダービー。
結果は
4-1でチーム状態好調を維持しているいわきの快勝でした。
結果、いわきFCは8月21日(日)時点で鹿児島と勝ち点1の差で首位をキープしています。
有馬、有田、鈴木、岩渕
と、フォワードとサイドの4人が入れ替わり立ち替わり福島ゴールに波状攻撃をかけつづけ、堅守の福島も持たなかったという試合運びのように感じられました。
いわきFCは22年度今の時点で最多得点と最少失点を保持していますから、言うことはない……のですが、先を見据えて考えると、上位陣とやってどこまで勝てるのだろうという心配も出てきます。
というのは、現在好調でJ3上位のチームに、いわきFCはなんと1勝もしていないのです。
現在のJ3順位でいえば、
2位鹿児島、3位松本、4位富山、5位藤枝、6位今治
と上位陣に対して、勝ち点3を全く取れていません。
負けないのは素晴らしいといえば素晴らしいのですが、J3上位に勝てる試合はしていないという現実はまちがいのないところでしょう。
(下の表を参照のこと)
<style type="text/css"></style>日時 | 対戦相手 | ホーム | 得点 | 失点 | 勝ち点 |
2022/3/13 | 鹿児島 | 1 | 1 | 1 | |
2022/4/3 | 富山 | 〇 | 1 | 1 | 1 |
2022/4/17 | 今治 | 〇 | 0 | 1 | 0 |
2022/5/15 | 藤枝 | 〇 | 2 | 2 | 1 |
2022/6/19 | 北九州 | 〇 | 2 | 2 | 1 |
2022/6/26 | 松本 | 1 | 2 | 0 | |
2022/7/30 | 富山 | 1 | 1 | 1 | |
2022/8/7 | 松本 | 〇 | 0 | 0 | 1 |
興味深いのは、「負けないいわきFC」のサッカーは、むしろ引いて守るのではなく、前線とバックの間を圧倒的に詰めつつ、隙あらば前に飛び出して4人5人とゴール前に攻め込んでいくいわゆる戦闘的なスタイルなのに、負けていないという点です。
引いていて、ロングボール一発で得点という形で上位に引き分けを狙っているのではありません。むしろその逆です。
次々にボールを素早く前に渡し、それに見合うだけ「前に走る」。そして前線でボールを奪われたら直ちに奪い返そうとするのです。
そしてサイドを抜かれたら、「走って戻る」。
実際、得点シーンを3月から見ていると、サイドをきれいに抜かれてセンタリングされてゴール、あるいはもうひとつそれを折り返されて中央から入れられるというシーンが少なくありません。
素人が見ていても、得点されるシーンは、ある程度「覚悟の上」なのだろうと感じます。
しかし、実際にはそれはそう簡単に失点に繋がっているわけではないのも事実。
なぜだろう?と考えます。J3の水準が低く、いわきが戻れるまでにきちんとシュートできないことが多い?
まさか。
だとするなら、
いわきFCは前後のラインを詰めて次々に前へと人数をかけ、ワンタッチでボールをつないでいくサッカーをしていて、
奪われても自陣にいわきの選手が沢山いて詰めてくるので、簡単にはビルドアップできない状態を作り上げている、
ということになるのではないでしょうか。
もちろん、バックの選手がほぼ真ん中まで出てきているわけですから、サイドを抜かれたら、必死に戻らねばなりません。
その「戻りの走りの早さ」と体力もある、ということになるのでしょう。
第18節の対松本戦などを見ても、もし力のあるチームにがっちり守られたら、たとえシュート数で上回っても実際にはなかなかゴールをこじ開けられないということは少なくありません。
しかし、90分守り切れないチームなら、後半立ち上がりに怒濤の加点ということが起こる。あるいは90分ぎりぎりに追いついたりもできる。
フィジカルが強いといういわきFCの特徴の中には、単純に当たり負けしないマッチョな強さだけではなく、幅の狭い強いサッカー、速度のある前後の走りを続けられるサッカー、という側面もありそうです。
これがJ3の後半戦、上位陣に対する勝利となって結実するといいのですが。
期待しつつまずはアウェーの藤枝戦を待ちたいを思います!