最後に、c220dを乗っていて今一つだった点を3つ挙げておく。
①メンテナンスが高額
これは、感想(その2)にも書いたが、エアサスの今後の修理が出たときなどを考えると不安はつきまとう。まあ、じっくり修理をしながら長く乗る、と肝を据えればそれでよいのだが、国産車の手軽な料金と比較してしまうと、やはりためらいがでる。
車検、タイヤ、修理無料の保証パック、メンテナンスパックなどを考慮し、将来の修理についても思いを巡らしたけっか、早期の買い換えを促す一つの要因にはなった。
実際、購入した瞬間から、このクルマとどこまでつきあっていくのかは、カーライフサイクルにおいて大きな主題=課題だった。
正直なところいわゆる退職後の 「上がりのクルマ」としては申し分ない、と手放した後でも思っている。修理代が大きい額になるといっても、新車を新たに購入するという計画が向こう10年ぐらいないのなら、むしろ愛着を持ってメンテしていくのは楽しみの一つにもなる。だから、メンテナンスが高額だということは必ずしも手放す決定的要因ではなかった。むしろ周囲に対するいいわけの意味の方が大きかったかもしれない(笑)。
そうはいっても、考慮しなければならない要素ではある。
②キャンプ道具がギリギリだ。
ソロキャンプを始めた。
もちろん収納を工夫すれば、一人分のキャンプ道具は十分に積めることができる。
(感想その1)の写真はキャンプ場にてのもの
だが、どうがんばって車中泊はつらい。
50代のはじめなら座席に座ったまま仮眠することもできた。実際ロードスター(NC)では、トータル4000キロのうち、往復の2000キロは車中で休憩しながらの旅だった。しかし、60を過ぎてから、それはつらい。
「上がりのクルマ」
に乗る人は、そういうことをしないということなのだろう。
ビジネスホテルに泊まりなさいという話だ。
そしてそれで十分旅行は成立する。
だが。
多動症のままリタイアした自分は、クルマにのって日本中どこまでも走っていきたい。走り抜けるだけならc220dが好適だ。
だが、車中泊をしたりキャンプをしたりしながらいろいろな場所を訪ねるためのクルマを考えたとき、最適解は一つとは限らない。
車検までに考えようと思っていたポイントをグルグル考え続け、出した結論が乗り換えだった。
決定打は、次のポイントだったのだが。
③ディーゼルターボの4駆が欲しい!
冬を二回過ごしてみて、c220dは、冬の山を走るクルマではない、という結論に達した。高速巡航ならばトラクションコントロールがあるからFRでも十分いける。しかし、下道の坂はほぼ無力にちかい。何度も 「坂を上れない」という状況に遭遇した。
結果、季節を問わず、どこへでもクルマを走らせ続けたいという欲望が、気持ちよく運転できる最上のドライブフィールに対する思いを上回ることになった。
で、最終的な選択が、国産ディーゼルターボエンジン搭載の4輪駆動車で車中泊ができて、運転もまあまあ愉しいクルマ=CX-8
ということになった。
幸い、下取りの関係で、同じ3年落ち程度のものであれば、追加のお金はそれほど必要ない条件だったので、3日程度で決めてしまった。
一つ書いておくと
「下取り査定がシュテルンの方が50万円以上低いってのはどういうことか」
という疑問を持った。つまり、購入するクルマを決めずに査定をしたとき、50万円も低く自社の製品を査定するのはちょっとなあ、と思ったということでもある。
まあ、下取りは値引きと一体だから、単純にはいえないだろうが、単純な査定をした場合に自社製品にそれほど低い値段を付けるというのは、意図を感じずにはいられなかった、ということでもある。
ディーゼルターボの4駆に限っていえば、確かに輸入ブランドにはたくさんの車種がある。だが、紹介されたのは追加のお金で乗れるタイプではなかった。200万円~300万円が必要だという。
まあ、それもよい。ブランドだからね。
でもだったら、もうちょっと下取りの金額を考えてくれても良かったのじゃあないかな。
というわけで、メルセデスの乗り味をもう一度味わいたくなったら、今の年式のクルマを5年後に再度購入してもよい、という結論になったわけである。
今でもc220dは、とてもすてきな一台だったと思う。
しかし、そういう点でいえば、ロードスターもかけがえのない一台だった。
将来、本当に最後につきあう一台を考えると、やっぱりロードスターかなあ。
(というわけで、この項終了です。)