龍の尾亭<survivalではなくlive>版

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メルセデスベンツのC-classセダンc220dを20ヶ月乗った感想(その2)

2021年06月22日 13時39分25秒 | クルマ

エンジンについてもう少し触れておくと、このW205型は2014年~2021年に生産されたもので、そのうちディーゼルターボエンジンは、OM651という前期型とOM654という後期型に分かれる。

前期型は長距離を運転したことがないのでなんともいえないが、静粛性をとるなら、後期型OM654を推奨しておきたい。

音の静かさと9速ATとのマッチングを考えるとmOM651よりもOM654に分があるように思える。エンジンの音自体は、マツダのエンジンの方が少し静かかもしれないが、室内の総合的な遮音や振動の遮断を含めて考えるとやはり後期型c220dが上だろう。  「ディーゼルかあ」、と二の足を踏んでいる人にこそ、奨めてみたい。このエンジンとオートマのマッチングはすばらしい。低速時にこそすこし変速のためらいがまれに感じられるが、走り出してしまえばこの二つの協調性の高さは、それだけでこのクルマを選ぶ理由になる。ガソリン車から乗り換えても違和感はきわめて少ない。スポーツディーゼルというのはこのクルマの性質からはかなり外れているが、日常使いの中で愉しく運転する範囲なら十分な加速感、コーナリングを見せてくれる。中古でねらうならいい感じ、じゃあなかろうか。

他方、低速トルク感は、前期型に搭載されていたOM651エンジンの方がリッチなのかもしれない。ディーゼルらしい感じを好む人なら、むしろ前期型もありかも。できるなら試乗比較されるといいと思う。エンジンとトランスミッションは肝だから。

さてでは、次に、最高の美点とまではいかないけれど、良い面があった点を3つ挙げる。

 

①AMGラインに付いてきたエアサス。

 

今回発表(2021年4月)ではとりあえず外れてしまったようだが、AMGラインというオプションにはエアサスが付いていた。これはかなり重宝した。これはエンジン出力と組み合わせになっていて

エコ、コンフォート、スポーツ、スポーツ+

の四段階を選べる。その他、インデペンデントモードというユーザーがサスペンションとエンジン出力特性を独自に組み合わせてメモリできるモードもついており、至れり尽くせりになっている。

これは、同乗者がいるときやゆったり流したいときにはコンフォートを、ハンドルを積極的に切って走ることを愉しむときにはスポーツ+をと切り分けて利用していた。明らかにコーナリングの姿勢も変わり、路面とのやりとりの感触も変わってくる。

これはやはり、このクルマがある程度(ディーゼルながら)スポーティに走らせる楽しみを持っているというメーカーの意志表示でもあったのだろう。このサスペンションは一つ上のクラスに搭載されていたものがCクラスにも降りてきたのだと記憶している。

路面の凸凹を上手に吸収して上質の乗り心地を提供してくれるという意味ではバネサスに比してアドバンテージがあることに間違いはない。まちがいなく上質であり、かつスポーツモードもあるのでどちらにも対応してくれる。

だが、ご案内の人もいるだろうが、実際のところいったんインデペンデントモードに自分の好みの組み合わせを登録してしまえば、そうそう切り替えてつかうものではない。ちょっとスポーティなディーゼルターボセダン、に必要不可欠な装備、というほどではないとも感じた。

不安もある。エアサスが故障した場合には、一つだけではなく4輪の部品交換が推奨されることも予想しておく必要がある。値段を見積もってもらったことはないが(メンテナンス無料保証をつけていたので心配はなかった)、中古でこのサスを選ぶ場合は、エアサス(過去の経験でいうとやはりバネサスよりはずっとトラブルは多い)が故障したときのリスクマネージメント(ディーラーではなくリビルド品などで対応するとしたらどれだけかかるのか、修理可能かを相談できる工場屋知り合いなど)は考慮しておいた方がいいと思う。

 

②平常速度域でも積極的に指示するレーンキープアシスト。

運転支援システムは、レガシィ5代目、レヴォーグ、C220d、CX-8と4台乗り継いできた。レガシィは9年前なのではずして考えるとして、2017年から2018年にかけての3台の比較は興味深いものがあった。

その中で、もっともレーンキープアシストを積極的に介入してくるのがメルセデスだ。普通の60キロ以下速度帯でも、車線の認知能力はもっとも高いと感じた。また、前車追従においても、交差点近くで右折車が前の視界からはずれ、前の前のクルマに自動追従のターゲットを移したとき、もっとも確実に移行してくれるのがメルセデスのシステムだった。

まあ値段も違うから、といえばそれまでだが、3~4年前のシステムとしてレヴォーグ、C220d、CX-8を比較すると、c220dがもっともハンドルに手応えを感じた。ただし、もちろん万能ではないので、あくまであえて比較した場合の話だ。

高速道路の速度域になればレヴォーグもCX-8もC220dもいずれもハンドルに手を添えてさえいれば、安心して巡航する事が可能だ。平地との差が大きいのがマツダ、いずれも比較的力強い介入をするのがメルセデス、その中間がSUBARUという印象。慣れと好みの範囲になるかと思うが、信頼性というか、クルマがこちらになにを援助したいのか  「執事」の姿勢をもっとも確実に感じられるのがメルセデスだったということだろう。逆にマツダは平地ではとても控え目だ。あくまで運転支援に徹している。任せようとするとむしろふらつくかもしれない。その代わりといってはなんだが、マツダのCX-8はGベクタリングがあって、カーブでこちらが選択しようとするラインが明確であれば、それを支持・支援してくれる感触がいちばん強かった。

SUBARUのアイサイト2018年4月(年次改良MC版)では、車線が左右見えていれば、支援してくれる。他方、ハンドルを切ったらドライバーしだい、という面は強い。

いずれも、平地でレーンキープアシストを過大に考えるのは禁物だから、単なる印象という程度で理解してもらえれば。それにしても、メルセデスの  「執事」感は、ここでも比較的顕著である。

 

ちなみに、中速コーナリングのイメージはやはり、レヴォーグは4輪でがしがし曲がる感じ、CX-8は三車の中では同じ4駆でもちょっとFFに近い感触でしかし同時にしなやかに支援してくれる感じ、メルセデスはFRらしい駆動とハンドルが別で制御できるリッチな情報感があった。後を引く魅力はやはりメルセデス。

③圧倒的に明るいLEDの自動制御のヘッドランプ

こういうところは、コストを出し惜しみしないc220dの特徴がでている。

他のクルマが悪いわけではないが、自動でぐりぐりとヘッドライトが上下左右を適切に照らしてくれるのは頼もしい。

まあだが、遠目の明るさがあまりにも圧倒的なので、結局は手動で上下を切り替えるのが一番視界確保にはいいと思った、とにかく、遠くまでよく見える。老年の域に入った筆者にとっては、一番重要なポイントの一つなのかもしれない。

普通のヘッドランプで不都合がない人は、それほど気にしなくてもいいのかもしれない。ただ、一度こういう明るい照明を体験すると便利で病みつきになります。

 

(この項さらにつづく)

 

 

 

 



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