風月庵だより

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韓国訪問記4 無礙堂

2010-08-27 09:50:57 | Weblog
8月27日(金)晴【韓国訪問記4 無礙堂】

東京は、今朝は少し涼しかったです。9時を過ぎてから、また少し暑くなりました。

さて、この度の韓国訪問は、日程も短かったのと、母があまり歩けませんので、あまり遠出はできませんでした。

それで本覺法尼の運転で、ソウルから車で1時間半ほどにある友人のお寺に伺いました。

上の写真は、この友人と友人の犬と私です。友人は名前を公表されることはきっと好まないから、無礙堂堂主と言っておきましょう。無礙堂堂主は書家です。本覺法尼がソウルの普陀寺(ポタサ)の住職として、尼僧のための鉄筋5階建ての寮を建設したりしているときに、総務(監司のように、寺の事務一切を取りしきる役)として活躍してくれた人です。私とも平成2年以来の友人です。無礙堂堂主は韓国語、私は日本語を話しながら通じてしまうという友人です。

今は静かに坐禅と、布教につとめています。

左に見えるのが、無礙堂です。前の住職が売りに出したのを買いました。

韓国では、公的なお寺以外は、売り買いができます。売った場合は、その一割を宗務庁のような組織に収めればよいのだそうです。

お寺の運営が檀家方式ではなく、信者方式で運営されていて、住職個人の所有としての権限がある韓国のお寺ならではの、合理的な仕組みです。日本では、私も二ヶ寺のお寺の住職をつとめたり、留守番として入っていたお寺も改築したり、お寺の建物を保持するのに尽力しましたが、住職としての権限は全くない状態でしたので、それだけのことです。

多くの尼僧さんは、住職として、堂々とつとめている方もいます。私がたまたま、そうでないところに縁があったわけで、私なりの流れなのだと思っています。今は全く怒りはありません。

しかし、今のところ、日本の尼僧寺の状況(私の経験にすぎません)に懲りてしまいまして、お寺に入ってはいません。
本師が揮毫してくださった庵号の看板を持ちながら、どこにいっても「風月庵」として生きていくつもりです。なにも問題はありません。お寺に恵まれなかったお陰で、大学院にも入ることに方向転換をしまして、曲がりなりにも研究生活を送るような展開になりました。

今あるのは、当時マイナスと思えることがあったお陰ですね。せっかくきれいにしたのだからなどと執着していたら、道は開けなかったでしょう。まだこのままで固定ではないかもしれませんが、今、今を生きるだけです。無礙です。
いいですね、「無礙堂」、友人にピタリの寺名です。

それにしても本を読み出すと眠くなるのは、まだ収まりません。力量以上のことにチャレンジしているせいかもしれません。分かりやすく言いますと、難しいので眠くなるのですね。

さあ、今日も無礙の心境で、力量以上などと限定、比較しないで自分を生ききりましょう。皆さんもこの残暑、もう少しの辛抱ですね。お元気で。

*無礙:なにものにもとらわれず自由自在であること。ちんどう
珍島犬:無礙堂主人の傍らの犬は、チンドールという名の珍島犬です。珍島犬は珍島固有の犬で、他の犬種を島に入れないようにしているそうです。