5月11日(火)晴れ【首座和尚の晋山式】
首座和尚の晋山式というタイトルに僧侶の方は、変に感じたかもしれません。
正確に言いますと、3年前、私が晋山式をつとめさせていただいた折、首座をつとめてくれた僧侶が、晋山式を挙行なさったということです。
この僧侶のお寺は、格地という格付けのお寺なので、住職名を出したら3年以内に晋山式をしなくてはならない、という規則があるのです。
まだ20代の若さで、晋山式をつとめることは、かなり檀信徒の皆様のご協力が無くてはとてもつとめられません。勿論近隣のご住職やその徒弟さんや、僧堂安居した折の同安居の友人たちの協力もあるでしょう。とにかく晋山式のような大きな儀式を挙行するには、とても一人でできることではありません。
ことに大変なご苦労をなさったのは、新命和尚さんのお母様でしょう。方丈様が突然にご遷化されてから、子どもたちの世話からお寺の管理から、なにからなにまで想像を絶するお働きをなさったと思います。そして9日は母の日でした。なによりの贈り物でした。
よかったです。とても立派に新命和尚をおつとめになり、大和尚になりました。素晴らしい晋山式でした。
出かける時、新命和尚さんのお師匠様の遺影にお茶をさしあげる時「きょうは、○○さんの晋山式です、おめでとうございます。」と言って手を合わせた途端に、涙が溢れました。
それから、きょうも、遺影の前で、「よかったですね、本当に素晴らしかったです。」と言っているうちに、また、涙が溢れました。
新命和尚の赤ちゃんの時から知っています。とてもおおらかな少年から青年になり、そして永平寺に安居していた時も、たまたま2回、『修証義』の解説と、「道元禅師様の道歌(和歌)」の解説を、安居の雲水さんたちの為に、講師をつとめさせてもらいましたが、その2回とも、新命和尚が修行僧として安居しているときでした。(因みに今回の首座和尚さんもお聞きくださっていたという縁でした。)
不思議な縁だと思います。
20代の若さで、お寺の家族を養い、お寺の責任者になるということは、並大抵の苦労ではありませんが、飄々として勤めています。大したものだと感心しています。
(またも猛烈に眠くなりました、本日ようやく施食のための塔婆を全て書き終わりました。明日は施食会の、本堂の準備です。)