年末、お正月に読む本を買いに近所のツタヤに行った。宮本輝の随筆集と新書の2冊を持ってレジに向かう。途中大きなPOPが付いて籠に並べられている本が目に止まった。スーパーの特売品のような売り方、そうとう目だって「上手い売り方だな」と思う。本のタイトルは「察しない男・説明しない女」、そのPOPを読むと、いかにも興味を引きそうな内容の一部が書いてある。しかし買ってまで読もうとは思わない。とりあえず参考までにとスマホのカメラに収めておいた。
今週会社に出てきてパソコンに取り込んで拡大してみると、POPには以下のような男女の思考方法の違いが書いてあった。面白いと思うのでここに列記してみる。
《 こんなにちがう男と女 》
男は理屈で動く
女は感情で動く
男はほめてほしい
女はわかってほしい
男はナンバーワンになりたい
女はオンリーワンになりたい
男は会議が好き
女はおしゃべりが好き
男は結果を重視する
女は過程を重視する
男は子どもでいたい
女は女でいたい
男は使えないものを集める
女は使えそうなものを捨てられない
男は日常が好き
女は記念日が好き
男は「初めての男」になりたい
女は「最後の女」になりたい
以前友人に、恋愛遍歴での男と女の違いをパソコンの保存方法になぞらえて、「男は名前を付けて保存」、「女は上書き保存」と聞いたことがある。男性は過去に好きになった女性を個々に大事に覚えているが、女性は新しい恋愛感情が起こると前の男性のことは興味がなくなる、ということであろう。だから女性は男性も自分と同じように考ると思うから、「最後の女」になりたいのかもしれない。
人間も哺乳類に属する動物であるから、当然雌雄によって動物的な役割は違ってくる。だからその思考方法も違ってきて当然のように思うのである。男も女も同じ人間だから同じように考えると思うと、そこに大きな落とし穴がある。お互いが頭の中で理解するだけで、実際のところはなかなか理解しがたいのである。以前読んだ女性心理学者の本にこんなことが書いてあった。女は感情の糸で思考方法が紡がれていて、男は理屈の糸で紡がれている。同じように見えても、そこは微妙に違ってくる。例えば「理性」ということにしても、女性はそこに感情的な要素が加わり、男性は「こうあるべき」という理屈が優先する、というようなことであった。男と女は本当には理解できないまま、一緒にいるのかもしれない。
以前のイギリスのサッチャーのように、今は国のトップも女性が活躍するようになった。お隣の韓国の朴 槿惠(パク・クネ)大統領は女性である。だからなのか女性ならではの外交政策になっているように思う。隣接する大国中国には「長いものに巻かれる」的な部分があり、北朝鮮とは角つき合わすのではなく、平和裏にことを進めたいとの思いが強い。一方日本とは「嫌い」という感情が先に立って、なかなか打ち解けられないように見えるのである。一方ドイツのメルケル首相は「肝っ玉母さん」のように、どっしり構えて混乱するユーロ圏の中で頼れる存在のように見える。あまりでしゃばらず、どちらかといえば控えめであるが自国の利益はしっかり守る、そんなイメージである。
来年11月にはアメリカ大統領選挙が行われる。そこでヒラリー・クリントンが立候補し当選すれば、アメリカ初の女性大統領である。そうなればアメリカの外交も大きく変わってくるように思う。権力志向(ナンバーワン志向)の強いロシヤのプーチンや中国の習 近平(しゅう きんぺい)、そんな相手に女性(オンリーワン志向)の大統領が相まみえたとき、どんな外交が展開されるのか、本当に理解しあえるのか?興味津々である。