60歳からの眼差し

人生の最終章へ、見る物聞くもの、今何を感じるのか綴って見ようと思う。

箱根駅伝を歩く(10)

2015年10月02日 08時14分58秒 | 散歩(6)

 「箱根駅伝を歩く」も最終回、今日は箱根登山鉄道の小涌谷駅から芦ノ湖のゴール地点までである。朝10時30分小涌谷駅を出発、どんよりした曇り空の中、傘を持って歩き始めた。相変わらず登り坂が続く。しかしハァハァと息切らすほどの勾配ではなく、平地より20%程度の負担で登れる感じである。所々に温泉の施設があるが基本的には両側は緑に覆われた山である。曇天で見通しも利かず変化に乏しい山道を登りながら、野草を写真に撮って気分を紛らせて歩いていった。

 やがてこの道の最高点874mを過ぎると、今度は徐々に芦ノ湖に向かって下っていく。元箱根まで降りると、今度は芦ノ湖の湖畔に沿ってのフラットな道である。駅伝中継の時、各選手が必死の形相で最後の力を振り絞って走る区間である。恩賜箱根公園の脇を過ぎ、箱根関所南の交差点を右に曲がるとゴールである。両脇の人垣の中を走って、自分の所属する大学の仲間の中に飛び込んでいく、感動のシーンはここで展開される。そのゴール地点に記念の石柱が建っていた。
 
 今回、箱根まで歩いての感想は、昔は旅をする時は皆歩いていたという事実である。自分の足で一歩一歩大地を踏みしめて歩く。そのことで見る風景や土地土地の印象は、車でサアーっと通ったのとは全く違う濃さを持っているように思うのである。目的地を見て回るだけの観光ではなく、自分の足で味わう手作りの楽しみ、だんだん年齢を重ねてくると、その方が大切になってくる。来年1月2日の箱根駅伝、中継で見る風景や高低差は自分が体験したそのものである。たぶん今までにはない楽しみな箱根駅伝中継になるだろう。
 
 箱根駅伝のコースを歩いた行程
① 大手町(読売新聞社前)⇒大森海岸(京急)
② 大森海岸⇒鶴見市場(京急)
③ 鶴見市場⇒保土ヶ谷(JR)
④ 保土ヶ谷⇒戸塚(JR)
⑤ 戸塚⇒辻堂(JR)
⑥ 辻堂⇒大磯(JR)
⑦ 大磯⇒国府津(JR)
⑧ 国府津⇒風祭(箱根登山鉄道)
⑨ 風祭⇒小涌谷(箱根登山鉄道)
⑩ 小涌谷⇒芦ノ湖(ゴール)
 
   
 
                                    箱根登山鉄道小涌谷駅
 
   
   
                      1号線
 
   
 
 
   
 
            
 
                温泉の湯煙が上がっている
 
   
 
                   金木犀の大きな木
 
                                 
 
             
 
          
 
          
 
          
 
             
 
           
          
 
           
 
   
 
   
  
                    湯坂道入り口
        湯坂路は、鎌倉時代に阿仏尼の十六夜日記にも歌われ、
          江戸時代まで箱根越えの道。今はハイキングコース
   
   
 
   
 
               坂はだんだん勾配が少なくなる
 
   
 
            頂点になってから一旦下って又上がって行く
 
   
 
              国道の左は雲で霞む上ニ子山
 
   
 
                国道1号最高地点 874m
 
   
 
                     五輪塔
                俗称曽我兄弟虎御前の墓
 
   
 
                     六道地蔵
 
   
 
                      精進池
 
          
 
                   石仏群と歴史館
 
   
 
   
   
 
               芦ノ湖に向かってだらだらと下っていく
 
   
 
   
 
   
 
                     元箱根
 
   
 
                  1号線をまたぐ大鳥居
 
   
 
                      杉並木
 
   
 
                     芦ノ湖
 
           
 
                  鳥居の所が箱根神社
 
   
 
                   右側が恩賜箱根公園
 
   
 
                    箱根関所跡
 
          
 
   
   
               ラストスパートをする最後の直線
 
   
 
              箱根関所南の交差点を右に折れる
 
   
 
                    この先がゴール
 
               
 
                  駅伝往路ゴール地点     
 
   
 
                    箱根町港
 
 大手町から芦ノ湖まで歩いたことを人に話すと、「なに、それ酔狂?」と言う人もいる。母がなくなったとき心に大きな空洞が出来た。郊外を歩くことはそれを埋めることが目的で始めた。あれから13年、たぶん600日は歩いているであろう。だから近郊では行く所がなくなってしまった。従って今は新しいテーマを見つけて歩いている。何か目標を見つけて自分を縛らないと、私の性格はその場限りになってしまうからである。人には酔狂に見えても、私には私の理由がある。