近所にマックの店ができたのは何時だったろうか?、子供が小さい頃はお昼に家族全員で食べに行っていた。大きくなると子供たちの注文を聞いて私が買出しに行った。そして子供が独立して家を出て行った今、外出しない休みは新聞を持って珈琲を飲みに行く。そんなことを思い出すとマックは私の生活にすっかり馴染んでいた店である。
そんな身近にあったマクドナルドが昨年の使用期限切れの肉を使ったナゲットの問題、そしてその後の異物混入事件から大きく売り上げを落としていく。直近の1月の売り上げは前年比-38.6%、客数は-28.5%、客単価は-14.1%と最悪な状況である。ナゲットの問題からすでに半年が経過している。それでも回復できず、より大きくダウンしているのはマクドナルドの構造的な問題にあるように思うのである。
私の通うマックの店は駐車場付の郊外型である。朝10時頃店に入るとまだモーニングメニューの時間帯である。ガランとしている店内のお客さんは、私と同じように100円の珈琲でゆっくり新聞や本を読む年寄りが多い。以前であれば10時30分以降の昼メニューに変わってからは家族連れが入ってくるのだが、しかし今は子供連れの家族は1/3程度になってしまった。これは明らかにナゲットと異物問題での不信感の表れである。以前であれば席を確保するのも大変だったが、今は何時行っても席は空いている。
そんな状態が半年以上続いていくと、お客さんの利用目的が次第に変化しているのに気づく。今まではハンバーガーやポテトを食べに来た人達が多かったのに、今は空いた店内を利用して集会所的に利用するお客さんが増えている。例えば私のよう珈琲一杯で新聞を読んだり、仕事の整理をしたり、主婦や町内会の打ち合わせに利用したり、学生の勉強の場に、保険等の契約の場所として、さらに英会話教室の個人レッスンにと利用されるようになった。そしてそういうお客さんのほとんどがドリンク1杯の人達である。これでは客単価が落ち、売り上げが落ちていくの自明の理であろう。
マクドナルドが日本に上陸したころ、アメリカの文化をまとったファストフードとして若者を中心に人気が出て、瞬く間に日本中を席巻していった。当時はお洒落に感じたハンバーガーも時代と共に飽きが出てくる。あれから40年日本の食に対する意識も変わってきた。量から質へ、均質からこだわりに、そして健康志向へと変わってきた。しかしマックのメニューや味は旧態依然として大きな変化は見当たらない。だからなのか今では、パサパサしたバーンズに薄っぺらいパテ、冷めると極端に不味くなるポテト、そんな風に感じてしまうのである。
今、外でハンバーガーを食べようと思うときは、ほとんどモスバーガーを利用する。オーダーしてからの時間はかかるし値段も高い。しかし原料にこだわりがあり、調理は丁寧で、セットのメニューにも野菜セットなどがあってなんとなく健康的に感じるからであろう。そんな私の変化は実際の数字にも表れ、昨年上半期の売り上げは6.4%、利益は20%も増えているという。
大量生産大量消費時代そのままで、変化に対応できなかったのがマクドナルド、今現在日本に3600店舗もある。これだけ大きなスケールになると、小手先でメニューだけを変えて回復を図るのは無理なように思ってしまう。
今郊外型喫茶店(駐車場付)に人気が出ている。(コメダ珈琲や星乃珈琲など) そんなことから郊外型のマクドナルドを「マックカフェ」として、喫茶中心の店に変化させたらどうだろうと思う。テーブルや椅子を落ち着いた雰囲気にし、ドリンクの値段を200~300円に上げる。バーガー類のメニューを極端に絞り込み、野菜を使ったメニューを増やす。セルフサービスはそのままに、コメダや星乃よりはリーズナブルな価格帯での展開をめざす。日曜日の朝、マックで新聞を読み終え、まだ空席の目立つ店内を見てそんなことを考えてみた。
ある日のマックの店内アレコレ
一人静かに本を読む
自分の書斎代わりに使う人
PTAの打ち合わせで大きく席を占領、各自ドリンク一杯
町内会の打ち合わせ
友達と勉強の場に、仕事の整理で
保険の契約?
英会話教室 珈琲一杯で1時間
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