60歳からの眼差し

人生の最終章へ、見る物聞くもの、今何を感じるのか綴って見ようと思う。

難聴なのか?

2013年04月19日 08時50分20秒 | Weblog
 先日親しい友人と2人で会話していたとき、「今日のFさんは少しおかしいよ??」と言われる。それは会話の中の私の返事が相手の趣旨と違うことを答えていたのだろう。たぶんそれも何度も。しかしそれを自分でどう認識し、どう伝えていいのか分からず、「そうかもしれないなぁ~」と苦笑いしながらやり過ごすしかなかった。別れたあとで自分の状況を振り返ってみる。多分、相手の話の2~3割は聞こえていなかったように思う。ところどころ聞き取れなかった部分を前後の話をつなぎ合わせて自分なりに解釈し、相手と会話していたのであろう。それがちんぷんかんぷんな会話になったのかもしれない。最近相手の話が聞き取り辛いと思うことが時々ある。広い部屋で相手と1m以上離れていて、しかも周りに人の話し声がする時にそう感じるようである。相手の声質が低く弱いからなのか?それとも自分の聴力が落ちているのか?、今までは特に支障はなかったからほって置いた。しかし、人に指摘されると気になってしまう。「もう耳が遠くなってもおかしくない年齢、一度ちゃんとチェックしておこう」、そう思って会社の近くの耳鼻咽喉科に行くことにした。

 待つこと40分、やっと自分の順番がまわって来た。症状を話すと、「まずは計ってみましょう」と看護士に指示して検査室に通される。両耳にヘッドホーンを付けさせられ、「今から周波数の違う音を出しますから、聞こえた時点でボタンを押してください」と言われ検査が始まった。低い音から中間の音、高い音と5段階ぐらいに分けて音が聞こえてくる。そしてその数値を検査者がグラフにプロットしていく。グラフの縦軸は20から100くらいまでのメモリがある。多分、これは音の強さ(デシベル)であろう。そして横軸は周波数だと思う。私のデーターは山型になった折れ線(左耳)と、谷型になった折れ線(右耳)が縦軸の40から60付近に横に引かれていた。検査が終わって、再び診療室で先生と向かい合う。検査グラフを見ながら先生が、「まあ特に聞こえないと言うことは無いのでしょうが、左右のバランスが悪いですね」とグラフを見せる。先生は「左の耳は高い音や低い音より真ん中の音が良く聞こえ、右耳は反対に真ん中の音が聞こえ辛い。このバランスの悪さが聞き取り辛くしているのかもしれませんね」、「一回の検査では何ともいえませんから、血流をよくする薬と,末梢神経をよくする薬を出しておきます。又1週間後に検査してみましょう」、と言うことであった。
 
参照 120デシベル ・飛行機のエンジンの近く
    110デシベル ・自動車の警笛(前方2m)・リベット打ち  
    100デシベル ・電車が通るときのガードの下
     90デシベル ・犬の鳴き声(正面5m)・騒々しい工場の中・カラオケ(店内客席中央)
     80デシベル ・地下鉄の車内・電車の車内・ピアノ(正面1m)
     70デシベル ・ステレオ(正面1m、夜間)・騒々しい事務所の中・騒々しい街頭
     60デシベル ・静かな乗用車・普通の会話
     50デシベル ・静かな事務所・クーラー(屋外機、始動時)
     40デシベル ・市内の深夜・図書館・静かな住宅の昼
     30デシベル ・郊外の深夜・ささやき声
     20デシベル ・木の葉のふれあう音・置時計の秒針の音(前方1m)
 
 帰ってからネットで調べてみる。難聴の原因は大きく2種類で、「伝音難聴」と「感音難聴」とがある。「伝音難聴」は音を伝える器官の障害による難聴で、これは音を聞く神経に異常がないので治療できる可能性がある。そしてこの症状は補聴器で音を大きくすることによりかなり聞こえるようになる。中耳炎などによる難聴はこれに当たるようである。一方「感音難聴」は内耳か又は聴覚神経に障害がある難聴で医学的な治療は困難である。大きな音は健聴者並に煩く感じるのに、小さな音は聞こえ辛い。そのため、補聴器には高度な機能が要求される。老人性難聴の多くの場合はこの2つの特徴を併せ持つ「混合難聴」が多く、どちらの度合いが強いかは個人差が大きい、と書いてあった。 これを読む限り私の難聴は「感音難聴」の方であろう。とりあえず薬を飲んで、また来週検査に行ってみよう。

 私は気になれば直ぐに病院で見てもらう方である。しかし周りの人たちの中には病院嫌いの人は意外と多いのである。「自分のことは自分が一番よく分かっている」、「医者の金儲けに協力したくない」、「どうせ死ぬときは死ぬんだから」、と言い訳しながら病院に行かないでいる。そして行ったときは手遅れという人も数多く知っている。それは行くことが億劫だからなのか、現状認識からの逃避からなのか、私にはよく理解できない.。私は健康診断も1年1回は欠かさないようにしている。それは自分が今どのレベルにあるかを自分なりに把握しておきたいと思うからである。知った上で、どう対処するかは今度は自分の判断である。68年間も使ってきた体、どこかに異常が出てきてもおかしくはない。しかし自分の現状を知っておいた方が後悔が少ないように思うからである。








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