12月25日(金)
朝方映画館へ出掛けた。早朝にも係わらず館内はかなりの混雑で、これはどうも今話題の映画「スーターウォーズ」見たさの賑わいらしい。だけど私の観たかったのはこれじゃなく「海難1980」という映画だった。
これは125年前、和歌山県串本沖で海難事故に遭ったトルコの軍艦乗組員を地元民が必死の救助をした実話を映画化したものです。トルコが世界で最も親日的な国と言われるのも、この出来事に一因があるらしい。
トルコ海軍エルトゥルル号は、日本親善を終え故国に戻る途中暴風雨に遭遇し串本沖で座礁大破、乗組員500名以上が命を落とす大惨事となった。しかし嵐の中地元の日本人が必死の救助で六十数名の乗組員が救われる。実話であるがゆえ日本人とトルコ人の真心が触れあう感動のドラマです。
しかし話はこれだけで終わらずその90年後、今度はトルコの人々が日本人の命を救う。時はイラン・イラク戦争下のイランの首都テヘラン、暴君サダム・フセインは48時間後にイランを無差別爆撃すると声明を出す。
各国は自国民を救おうと、競って救援機をテヘラン空港へ差し向ける。ところが日本だけは、民間機を危険な所には行かせぬと言い、自衛隊機は国会の承認が無いから行けぬと言って、戦禍のテヘランに日本人だけが取り残されようとしていた。それを救ってくれたのがトルコで、日本からの要請を受け自国民より優先して日本人を救援機で脱出させてくれたのだ。
真にトルコと日本の友好を象徴するような涙そうそうの感動ストーリー映画であった。しかしその感動とは裏腹に、自国民を見放した当時の日本政府の弱腰には、甚だ腹立たしく情けなく憤りさへ覚えてしまう。
日本・トルコの両首脳もこの映画の試写会を同席して観覧したようだ。映画の冒頭にはトルコ首相の推奨コメントも流れてくる。映像には流れぬけれど、幕間から「ネッ、だから安保法案が必要なのよ。」という安倍総理の声が聞こえたような気が・・・