3月9日(木)
先日の雪だるまスキーで私のパートナーだったH君から今年も感謝の葉書が届いた。「Fさん、おげんきですか。ぼくはげんきです。ゆきだるまスキーはたのしかったです。ありがとうございました。 H記」と簡素にお礼の言葉が綴られ、彼のお母さんからも丁寧な感謝の言葉が追記されていた。
相性が良いと思われているのか、この3~4年の雪だるまスキツアーではH君のパートナーを専ら私が務めている。彼は殆ど言葉を発しないので普通の会話ができない。沈黙が苦痛で最初は何かと彼に一方通行の声掛けをしたが、最近は考えを改めた。
H君がスキーを楽しめるのは年に一度この機会だけ、だったら会話など関係なく思い切り彼にスキーを楽しんでもらう事だけ考えればよい。彼を先導してただひたすらに滑りまくるだけだ。H君はマラソンをやっているので足腰が強く、ボーゲン直滑降で中級斜面までなら私にピタリとついてくる。最近はそんな彼との沈黙のスキーにも馴染んで、私も自然体で楽しめるようになってきた。
ツアー最終日、スキーを終えて別れる時、彼は付き添って来たお母さんに促され「ありがとうございます。」と頭を下げてくれた。「本当に楽しかった?」と半信半疑の私だが、お礼の便りで彼の気持ちが判りジンワリ喜びが湧いてくる。・・・・私こそ彼にお礼を言いたい。世界広しといえど、私に感謝の便りをくれる人は彼一人しかいないのだから。