Fさんの日々の記録と山歩き

 山歩きが生き甲斐の団塊世代オッサン、ある事無い事日々感ずるままに綴っていこうと思います。

日本三百名山回顧№9、北海道日高、幌尻岳(百名山)

2017年07月05日 | 三百名山回顧

 平成5年8月8日~10日  

 

額平川登山口ゲート→ 幌尻山荘→ 戸蔦別岳→ 幌尻岳→ 額平川登山口ゲート

 

 数ある北海道の山の中でも、幌尻岳は最も登りたい憧れの山であった。平成4年の夏、初めて訪れた時は大雨の為、登るどころか幌尻山荘から退却した。翌年の夏、リベンジの思いを秘めて幌尻岳へ向かった。

 この時のメンバーがS子さん。A子さん、O子さんと当時所属する山岳会の会長だったHさんと我々夫婦の計6名、登山前夜は苫小牧市の居酒屋で登頂成功の前祝をした。

 初日の朝、日高本線、豊川駅に到着(現在日高本線は列車が走っていない。)

 今回は大変天気に恵まれて、前年に比べ額平川も水量が少なくて、清流の冷たさが心地よい程だった。労せずして初日の宿の幌尻山荘に着いた。当時は百名山ブーム以前の良き時代だったので山荘もそれ程混んでおらず快適な一夜だった。

 額平川の遡行

 同 上

 幌尻山荘の夕餉

 翌二日目、陽の明けやらぬ未明に出発する。日高の山は概ね沢を遡行して尾根を急登するコースが多いが、戸蔦別岳への道もその例に洩れず六の沢を遡行し標高差900mの尾根を急登する。

 六ノ沢を登る。

 急登の辛い登りに耐え稜線に達すると日高の山並みが一気に拡がる。戸蔦別岳(1959m)山頂からの展望は素晴らしく幌尻岳やカウイエクウチカウシや1839m峰等日高の雄峰が見渡せる。

 戸蔦別岳山頂

 山頂から南の展望(カムイエクウチカウシや1839m峰が望まれる)

 山頂から北の展望(北戸蔦別岳やピパイロ岳が望まれる)

 山頂から幌尻岳(左下が七ツ沼カール)

 戸蔦別岳から幌尻岳を繋ぐ稜線は痩せ尾根で東面には神秘的な七ツ沼カールが在り、Hさんと私の男二人は七ツ沼カール経由で幌尻岳に向かう。痩せ尾根を登ってようやく永年の憧れだった幌尻岳(2052m)に到着、当時の幌尻岳は登る人もそれ程おらず静かでたおやかな山頂であった。

 七ツ沼カール

 幌尻岳へ向かう痩せ尾根

 痩せ尾根から戸蔦別岳を振り返る。

 幌尻岳山頂

 山頂を後にすると広大な北カールの縁を伝う尾根道を降って幌尻山荘へ戻った。その夜は幌尻山荘に泊り、登頂できた喜びに夕食時皆で山の歌を歌って周囲のひんしゅくをかった事を微かに覚えている。(当時の登山者は晩餐の時、やたら山の歌を歌っていたのだ。)

 幌尻山荘へと尾根道を降る。

 素晴らしい天気の下、憧れの山に登れて、私にとっては忘れ難い貴重な想い出の一つである。この時一緒に登った仲間のうち、HさんとS子さんは天国へ召されてこの世にはいない。もし今も存命しておられたら沢山の山を共に歩けただろうに、ちょっと切ない思いが募る。

コメント
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