Fさんの日々の記録と山歩き

 山歩きが生き甲斐の団塊世代オッサン、ある事無い事日々感ずるままに綴っていこうと思います。

八ヶ岳、赤岳~阿弥陀岳登山(詳細)

2018年01月09日 | 山歩き

 1月7日(日)     天気=晴れ

06:05美濃戸口→ 06:59~07:13美濃戸山荘→ 09:05~40行者小屋→ 10:37~39地蔵ノ頭→ 10:44赤岳展望荘→ 11:19~46赤岳→ 12:23~26中岳→ 13:02~20阿弥陀岳→ 13:55~59行者小屋→ 14:17赤岳鉱泉

 

 今年の初登山は何処へ行こうかと決めあぐねていたが、八ヶ岳の最高峰、赤岳を登る事にした。八ヶ岳の山々は通年営業の小屋があり入山者も多いので、冬でも比較的登り易い。

 昨夜は中央道の双葉サービスエリアで車中泊し、今朝方午前5時過ぎに登山口の美濃戸口駐車場へ着いた。広い駐車場はほぼ満杯で相当数の入山者がいるようだ。駐車場の片隅に車を停めて寒さに震えながらモタモタと準備をし、6時過ぎに出発する。

美濃戸山荘まではダートの林道歩き、雪は少ないものの道路が凍結してるので、途中からチェーンアイゼンを装着する。1時間足らずで着いた美濃戸山荘では玄関先でまきストーブが燃え、無料の暖かいお茶を頂けたのがありがたかった。

 美濃戸山荘

 此処で道は右の南沢コースと左の北沢コースに分岐する。右に曲って南沢の道を登って行く。南沢は概ね緩やかな沢で歩き易い道が続く。道の一部は凍結してスケートリンクのようになっている。他の登山者と抜きつ抜かれつしながら、単調な樹林帯の雪道を登って行く。

 スケートリンクのような登山道

 やがて頭上に赤岳から横岳に連なる岩壁が望めるようになり、程なく赤岳直下の行者小屋に着いた。行者小屋は年末年始の間だけ営業しており、周囲には沢山のテントが張られていた。

 遠くに横岳の稜線が見えた。

 行者小屋のテント群(右奥の山は阿弥陀岳)

 此処は赤岳の西直下に位置する為、朝陽が当らず非常に寒い。凍える手でアイゼンを12本刃に履き替え、防寒対策をして出発する。ここから赤岳への登りは文三郎尾根と地蔵尾根の2コースあり、私は最短距離で稜線に達する地蔵尾根を登る。

 地蔵尾根は距離の短い分急登の連続で、行者小屋を出発するとノンビリ休める場所が無い。しかし標高をグングン稼げるので樹林帯を脱すると素晴らしい展望が得られ、冬山登山の醍醐味を存分に堪能できる。

 地蔵尾根の登りから中岳(左)と阿弥陀岳(右)

 同じく横岳方面

 時折下山の人と交差し道を譲ってくれるのは有難いが、こちらは息も絶え絶えなので、その都度呼吸が乱されて苦しい。やがて急な傾斜も緩み、行者小屋から1時間足らずで稜線の地蔵の頭に着いた。ここから眺める横岳と赤岳の威容が壮観だ。

 地蔵尾根の稜線直下

 

 地蔵の頭から横岳方面

同じく赤岳

 地蔵の頭から僅かに赤岳側に歩き、何末年始は営業している赤岳展望荘の建物脇で一息入れる。ここから赤岳山頂までジグザグの一気登りとなり、強い西風が凍えるように冷たくて厳しい登りが続く。

 赤岳の登り

 黙々と我慢の登りを続け、赤岳展望荘から約25分程で頂上小屋がある赤岳の北峰に達した。隣りの南峰に山頂標識があり、そこまで進んで赤岳(2899m)に到着した。

 赤岳北峰山頂

 山頂は大勢の登山者で賑わっており、皆一様に登頂できた喜びで笑顔が溢れている。私も他の登山者にお願いして写真を撮ってもらい、しばらく山頂の一角に憩い360度の展望を満喫する。

 赤岳山頂

 山頂から富士山方面

 山頂から阿弥陀岳方面(遠くに北アルプスの稜線)

 山頂から権現岳方面(遠くの山は南アルプス)

 今宵は赤岳鉱泉に宿泊予約をしており今から直行すると時間が早すぎるので、中岳~阿弥陀岳を経由して向かう事にする。25分程の休憩を終え山頂を後にすると、文三郎尾根を降って行く。地蔵尾根に比べるとこちらの道は傾斜も緩く幾分楽な感じがする。

 文三郎コース最上部

 キレットへ向かう分岐を過ぎ、次の分岐で行者小屋へ降る右の道と中岳へ向かう左の道に分かれる。私は左へ曲がって稜線沿いに鞍部から中岳を登って行く。中岳は小さなピークでアッケなく山頂に達した。ここから見あげる赤岳、阿弥陀岳いずれの峰も素晴らしい眺めだ。阿弥陀岳を見るとガイド登山だろうか、10名程の人がザイルで結ばれて降って行く姿も確認できる。 

 文三郎コースの降りから中岳(手前)と阿弥陀岳(奥)

 中岳山頂から阿弥陀岳

 中岳から細尾根伝いに中岳と阿弥陀岳の鞍部に着いたが、ガイド登山のグループはまだ阿弥陀岳を降る途中で、しばらく待たされた。阿弥陀岳の登りは急峻でバリエーションも含めて過去に幾度も通過したが、若い頃は楽勝コースだったのに齢老いた今は結構厳しく感じられる。

 阿弥陀岳の登り

 鞍部から20分程で広々とした阿弥陀岳(2805m)に着いた。山頂にはバリエーションコースを踏破したパーティが2組程休憩しており、彼らと相互に記念の写真と撮り合う。山頂からは権現岳から赤岳、横岳、硫黄岳に繋がる主稜線山脈が一気に見渡せるが、何と言っても赤岳から横岳に連なる岩壁が圧巻だ。

 阿弥陀岳山頂

 山頂から赤岳方面

 山頂から北アルプス稜線

 山頂から横岳の西壁

 

 20分程滞在し山頂を後にする。急峻な坂を慎重に降り鞍部に降立つと、左へ曲って樋状の沢を行者小屋に向って降って行く。雪の少ない今は容易な下山道だが、真冬の時期には過去に幾度か雪崩れ遭難事故が発生した沢で、積雪の状態によっては危険な道となる。

 鞍部から沢の降り

 行者小屋に降り着いたのは午後2時前で時間的には充分下山可能だが、早くビールを飲みたかった事もあり赤岳鉱泉へと足を進める。中山乗越を越えて14時過ぎに赤岳鉱泉に到着した。小屋の横には人工で作られた巨大な氷塔「通称アイスキャンディ」があり、何名かの人がアイスクライミングの練習をしていた。

 行者小屋に到着

 赤岳鉱泉

 アイスクライミングのゲレンデ氷壁「アイスキャンデー」

 今宵の赤岳鉱泉はもの凄い混みようで泊るのを後悔したが、受付を済ましビールも飲んじゃったから時既に遅しだった。客の中には中国や韓国の人なども大勢いて、日本の山にも外国人の進出が高まっているようだ。

 その夜はギュウギュウ詰めの大部屋に寝かされてイビキや物音でとても眠れたもんじゃ無く、「こんな事なら下山すりゃ良かった。」とグジグジ後悔した。連休中の山小屋何て絶対泊るもんじゃないという、現実に気付くのが遅かった。

 

 

1月8日(月)     天気=曇り

06:50赤岳鉱泉→ 07:20林道終点→ 07:42美濃戸山荘→ 08:16美濃戸口

  

 寝た気はしないが、目覚めた時は意外と爽やかで少しは眠れたようだ。昨晩の天気予報ではこの地域は今日の午前中から雨の予想だったので、硫黄岳を登る予定を変えて直ちに下山する事にした。朝食を終え、午前7時前小屋を出ると異様に暖かな空気、これも天気悪化の兆しだろうか。

 朝の赤岳鉱泉

 下山の道はトレイルがバッチリ踏み固められているので夏道よりも歩き易く、レールの上を進むような感じで道を見失う心配も無い。チェーンアイゼンを効かせて北沢沿いのコースを滑るように降って行く。

赤岳鉱泉から30分程で鉄の橋を渡り林道終点に着き、休む事無く林道を降って行く。降る途中の林道は凍結して一部はスケートリンク状態になっている。やがて昨日登る途中で休んだ美濃戸山荘に着き、そこも休まず通過して退屈な林道歩きを続けて午前8時過ぎ登山口の美濃戸口へ戻ってきた。

 スケートリンク状の林道

 南沢コースが分岐する美濃戸山荘前

 美濃戸口の山小屋「八ヶ岳山荘」で二日分の駐車料金1000円を支払うと、無料のドリンクサービスがあるそうで、暖かいコーヒーを頂いて疲れた身体にはありがたかった。

 昨日は素晴らしい天気に恵まれて久々に痛快な雪山歩きを堪能できた。大混雑の山小屋は不快だったが、終わってみればこれも一つのネタ話で、今年の初登山は充分に満足できる山行でした。

 

コメント
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