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〈2022年11月29日付け北海道新聞朝刊〉
札幌農学校教授などを務めた新渡戸稲造は今年160年を迎え、来年は没後90年にあたるのを機に映画を作ろうとなり、現在、製作が進行中との記事が掲載されていました。
埼玉県在住の監督で、在日韓国人の半生を描いた「HARUKO」(平和・協同ジャーナリスト基金奨励賞受賞)などを手掛けた野沢和之氏(68歳)、東京在住で北大出身のドキュメンタリー映画の配信サイトを運営する並木秀夫氏(64歳)がプロヂューサーを担うとのことです。
お二人は新渡戸が教育について、「教育を受ける権利はどんな状況の人にも与えられるべきだ」や「人格を高めることこそ最も大事な教育の目標」という考えで私費を投げだして創設した「遠友夜学校」や、その流れをくむ「札幌遠友塾」に着目して取り組みを始めているようです。
新渡戸稲造の教育哲学ともいうべき思考と実践が、今も「遠友夜学校」に息づいているのだとしたら、何と素晴らしい事かと思います。
新渡戸の教育に対する思いが今にどう受け継がれているのかをこの映画の中で知ることができるかもしれないと思うだけで近未来に少しだけ希望が持てる気がしました。
改めて、未来を担う子どもたちのために「教育を受ける権利はどんな状況の人にも与えられるべきだ」や「人格を高めることこそ最も大事な教育の目標」という新渡戸稲造の思いが現実になることを願ってやみません。
そして、本日の新北のうた暦の掲歌です。
自然豊かな地で育った私は、春先の川辺に柔らかな緑を添えている柳の木が連なっている風景が大好きでした。
それが、いつも頃からか、消えて行ったのです。曲がった川をまっすぐにする工事の後に、柳の姿はなくなっていることが多くなりました。
この歌に詠まれた風景のあっけらかんとした川辺にがっかりする作者の姿が我が身と重なる気がします。
川辺をうっすらと緑に染める柳の木が連なる風景は絵本の中でしか見られなくなるのでしょうか。
それでは今日はこの辺で。
明日が皆様にとって良い一日となりますように・・・・。