山と道・野の花のこと

揺れずに咲く花がどこにあるだろうか
この世のどんなに美しい花も揺れながら咲くのだ
<ト・ジョンファン>

穂高岳山荘~山頂往復~涸沢ヒュッテ~下山☆奥穂高岳@日本百名山№68

2024-09-29 | 68奥穂高岳(夏)
穂高岳山荘からすぐの取付点が
奥穂高岳の難所です。

岩壁の高い所に梯子が2本見えます。

その上にも鎖場があり
見方を変えれば、15分くらいの
楽しいアトラクションになります。
少し落ち着いた場所から
穂高岳山荘

涸沢岳
標高3110m
穂高連峰第2の高峰です。

山頂に二人の登山者がいました。
この日の行程は移動距離が少ないので
個人で来ていれば登って
奥穂高岳を見てみたいと思いました。
足元に終わりかけの白い花が
咲いていました。

クモマグサみたいですが
葉の形が違うようで調査中です。

難所を超えると
岩を敷き詰めた緩い上りを
時々見える青空の下

雲で遠くは見えませんので
尖った山頂を目指して
淡々と進みます。
尖った岩の上に人が立っていたので
あそこが山頂でしょう。

その後は特別な難所もなく
穂高岳山荘から1時間で山頂に到着です。

近くでハッキリと見えたのは
ジャンダルム

昭和35年(1960年)8月の
ジャンダルム

骨格は変わりありませんが
所々、崩落して
全く同じ姿ではありません。
涸沢岳

西側は平らで
後立山の山並に似ています。
昭和35年8月はよく晴れて
裏銀座まで見通せています。

白い雲の向こうに何があるのか
AR山ナビに教えてもらいました。
<北>

AR山ナビはCGも表示できますが
だいぶ大雑把で
雰囲気しかわかりません。

無料なので仕方ありません。
涸沢岳や北穂高岳は近すぎて
山の形が表現できないためか?
表示されていません。
<西>

<南西>

<東>

風が弱くて雲がとれそうもないまま
下山します。
難所の前でもう一度
穂高岳山荘を記録しました。

昼食でラーメンをいただき
スープまで完食し
塩分が体に浸みこみました。
昭和35年8月

60年前ですから建物は別物でが
奥の小さな小屋が
おもちゃみたいでかわいいです。
屋根の上に載っている白い棒状の物は
何でしょうか?
ザイテングラートの下りは
こまめに休憩をとって
涸沢小屋に2時半ころ到着です。

テントも少なくなりました。
休憩時間があったので
いつもは下山後の
ソフトクリーム(700円)をいただきました。

特別な場所でいただく
甘いものは特別においしいです。
涸沢ヒュッテに戻ったら
逆光の中で、雲が踊っていました。

結局この日は、朝早い時間以外
雲がとれることはありませんでした。
残念です。
夜までに時間がたくさんあって
丁度いい気温と絶景に囲まれて
デッキで生ビール(1000円)を
2杯もいただきました。

最終日の朝は快晴でした。
ただ東の地平線には雲があったのか
真っ赤なモルゲンロートには
なりませんでした。

それでも日本で3番目の高峰を登った
満足感を抱いて長い下山路につきました。
YAMAPのデータ
1日目
距離16.4m 上り959m下り162m
2日目
距離5.1km 上り938m下り938m
3日目
距離16.5km 上り170m下り965m
1日目の歩数28119歩
2日目の歩数11648歩
3日目の歩数28679歩
槍ヶ岳が見られなかったのが
1番の心残りです。
次があれば、北穂高岳から
大キレット越しの槍ヶ岳を
見てみたいです。
end

涸沢ヒュッテ~ザイテングラート~穂高岳山荘☆奥穂高岳@日本百名山№68

2024-09-26 | 68奥穂高岳(夏)
個人で山旅にきたなら
朝食を終えたら、一刻も早く出立するのが
私流なのですが、この日は
涸沢ヒュッテで日の出の後に出発です。
ツアーの売りとして
朝日の当たる岸壁は見てもらいたい
気持ちはわかります。
5時からの朝食を終えて
登山の支度をして5:20に集合場所へ

最初は暗く、雲がかかっていたのに
日の出とともに、晴れ渡りました。

涸沢の岸壁も暗くて
稜線には雲がかかっていましたが

日の出とともに、雲が引いて



点呼があり、ストレッチをして
出発時刻の6時には快晴となりました。

上りは涸沢パノラマコースで
ザイテングラートへ
下りは涸沢小屋経由です。

ザイテングラートとは岸壁の側面の支稜
主稜に対する側稜のこと
涸沢ヒュッテから北穂高岳に向けて出発します。

35年(1960年)8月の写真

現在と違い
テントが斜面に張り付くように
設営されていました。
平坦な所には大きな石があったのか
雪が残っていたのかは
他の写真でも判別できませんでした。
すぐに左折してパノラマコースです。

お花畑だったであろう草地や
大きな岩がゴロゴロの中を

緩い傾斜で
北穂高岳に向かって行きます。
涸沢小屋からの道と合流すると
Uターンして奥穂高岳向きになり
左手の前穂高岳と北尾根が壁のように
広がります。

一番右が主峰で北尾根は
熟練の上級者コースになります。

ザイテングラートの横顔が
大きくはっきり見えてきました。

柱状節理の上に低木の緑が張り付き
その奥の雲をまとった高い壁に挟まれて
緑の中を色とりどりの登山者が
列をなして登っていました。
手前の色が変わり始めた草地と
ミルフィーユ状態です。
涸沢ヒュッテから1:30で

ここを右に回り込むと
ザイテングラートの取付点です。

広場のようになっていて
岩場の準備がゆったりとできます。
最初は順調に進んでいきますが
次第に止まって待つ時間が増えてきます。

岩場の向こうに雲がかかって
針の山のような黒い山もあり
突然広がった青空に
これから登る岩壁


鎖場の横にはドーンと
北穂高岳

上って行く先は
岩だらけ

細い道を回り込むときの
前穂高岳

涸沢岳方向


奥穂高岳方向

雲が巻き付いてきました。

1時間以上かけて
穂高岳山荘に到着です。

行く先にはガスがかかって
これは暗雲なのか?
つづく

横尾~涸沢ヒュッテ☆奥穂高岳@日本百名山№68

2024-09-22 | 68奥穂高岳(夏)
吊り橋に慣れていない人が多かったのか
横尾大橋はすごく揺れて
橋を降りてからも
しばらく揺れているように錯覚しました。
横尾から本谷橋までは
道幅が狭くなるけれど
川に沿ってつけられた道なので
傾斜は緩やかです。

屏風岩を回り込むので
左側はずっと屏風岩です。

あまりにも大きいので
少しくらい進んでも
変化は見られません。

それでも高度は上がっているようで
振り返れば
雲がかかっていますが
蝶ヶ岳方面が見通せます。


前方には北穂高岳が
AR山ナビには名前だけ見え始め
本谷橋に到着し、小休憩です。

下りには手を水で洗う余裕がありました。
冷たい水で手を洗うと
少しだけ疲れがとれます。
本谷橋からは傾斜がきつくなり
歩くペースが落ちます。

水の音がしない谷底を
春夏ならば高山植物が
秋なら紅葉の彩があって
楽しめるのにと

まだ遠くに見える稜線を目指して
2時間ほど歩き

もうそろそろかなと思う頃

色づき始めたナナカマドや

咲き遅れたアオノツガザクラが
迎えてくれて
涸沢の標柱までたどり着きました。

ガイドの後5分の声にほっとしたのか
ペースが上がらず
涸沢ヒュッテまで10分もかかりました。

到着が遅かったので
夕食まで20分しかなくて
着替えもできないまま夕食です。
曇っていましたが
とりあえずAR山ナビで
左から右へ写真を3枚撮り

夕食です。
メニューは普通の夕飯という感じでした。

皆さんが生ビールを頼むので
つられて1杯。

疲れてたどり着いた山小屋の
生ビールは格別です。
ガイドが着いてすぐ布団で横になると
高山病になりやすいので
気を付けてくださいとのアドバイスがあり
今回はそれに従ったせいか
頭痛になりませんでした。
部屋に戻るとき
テント場の灯がきれいだったので
カメラの設定を色々変えて
10枚以上撮りました。
早い時間は外で活動している人が多く
遅い時間はライトが少なくなるので
写真の出来は運しだいということでしょうか。

三脚は持っていませんので
デッキの手すりにカメラを置いて撮影しました。
この日の歩数は28000歩でした。
山小屋の布団が湿っていて重くて
掛けて寝ると足がつりそうだったので
隣の人のアドバイスで
掛け布団を足の下にひき
寝ることにしました。
そのおかげで足がつることもなく
よく眠れました。
つづく

上高地~横尾☆奥穂高岳@日本百名山№68

2024-09-20 | 68奥穂高岳(夏)
毎月1座のペースで順調に
数を進めている山歩きは9月に
ツアーで奥穂高岳に出かけました。
写真がメインの山歩きは
天気と撮影スポットが大事なので
ツアーとの相性は悪いのですが
遠い所と危ない所(ヘルメット要)は
いたしかたありません。
ツアーのメンバー構成によっては
余裕の時間が取れることもありますが
今回は標準×0.8くらいの
ゆったりペースで残念でした。
深田久弥さんの
日本百名山より
穂高岳は昔御幣岳(ごへいだけ)ともいった。
空高くそびえる岩峰が御幣の形に似ていたからである。
また、奥岳とも呼ばれた。人里から遠く離れた奥にあったからだろう。
梓川ぞいにバスが通じて以来、人々はたやすく神河内(上高地)に入り、
そこから穂高を仰ぐことができるようになったが、
それ以前は徳本峠(とくごうとうげ)を越えねばならなかった。
峠に立った時、不意にまなかいに現れる穂高の気高い岩峰群は、
日本の山岳景観の最高ものとされていた。
その不意打ちにおどろかない人はなかった。
登山バスのため、乗り換えなしで
上高地バスターミナルに到着し
出発は午前10時です。

標準タイムで涸沢まで6:20ですので
休憩時間を入れると、かなり
厳しいスケジュールです。

まず、地図左下から右上に向かいます。
(以後、経過時間は参考にならないので省略)
人が列をなし
外国語もよく聞こえて
今までで1番混雑を感じました。

河童橋からの穂高岳は雲の中なのに
振り向くと焼岳が青空でした。

この後、どの山も雲が付いたり離れたりで
落ち着きません。
梓川の左岸は明神まで工事のため通行禁止で
河童橋を渡り右岸をさかのぼります。
河童橋の向こう岸も混雑していて
ガイドがお土産を買うなら、こちらが
種類が多いとお勧めしていました。


右岸は遊歩道で始まり
熊の目撃情報でざわつきます。


水の中に立ち枯れた樹木に
昭和の上高地の面影が浮かびます。
後半は林道と重なり

川岸を歩くようになると
明神橋が見えました。

右岸を歩くと遠回りのため
明神橋は多分、初めて見ました。
この辺りもまだ観光客が大勢いて
吊り橋ですれ違うのも大変です。

明神館で最初の休憩をして

梓川の左岸(通常の道)に戻り
徳澤に向かいます。

ツアーのためAR山ナビの
山名の位置の微調整ができないので
ご了承ください。

日陰があって、地面が平らな
キャンプしたくなるテント場が見えると

徳澤園で、お昼休憩。

この日は登山用具のフェスみたいな
催し物があり、日陰はほとんど先客がいて
休憩する場所も暑い日向しか残っていません。
(手違いでカメラの気温データ消失↓)
帰りの日のお昼はここで
カレーを食べました。

時間が押しているので
お弁当を食べたらすぐ出発です。
ここで少し昭和時代に戻って
山好きだけが来る道・2選
徳澤と横尾の間だと推察しています。


横尾到着は1:30を過ぎて
この先が案じられます。

横尾大橋


AR山ナビでは
右側の槍ヶ岳などは
線が下端まで伸びているので
方角だけを示すもので
実際に見えるわけではありません。
相当高くドローンを飛ばせば見えるかも?
つづく

双児山経由の下山☆甲斐駒ヶ岳@日本百名山№67

2024-09-01 | 67甲斐駒ヶ岳(夏)
甲斐駒ヶ岳から駒津峰までは
来た道を戻ります。
気温は26℃
下山路は、写真右奥の
仙丈岳の方向にほぼまっすぐです。

手前右のピークは駒津峰
手前左のピークは栗沢山でしょう。
甲斐駒ヶ岳山頂から見える距離の
人がいる所が黒戸尾根との分岐です。

分岐から甲斐駒ヶ岳山頂を振り返ると
手前に、たまたま
すごく疲れた様子の人が写っていました。

白い岩壁を上から見ると
滑って降りたら楽そうですが

滑らないように気を付けながら
30分で、岩壁の下へ

六方石もハッキリ見えます。

近づくと六方石はやっぱり大きいです。

慎重に岩場を歩いて
上りでも山頂がきれいに見えた所に来て
振り返ると
山頂部に雲が駆け上がって行きます。

雲がとれるまで待ちました。

上りの人を何人か見送って
一番雲が少なかったのがこれです。
やはり日が当たると
南アルプスの緑に白い石が
甲斐駒ヶ岳らしいですね。
バックが青空だと最高なんですが。
この後15分ほどの上り返しがあり
雲の中に駒津峰の影が見えました。


山頂から1:20で駒津峰到着です。
気温は26℃で変わりません。
標準タイムは1時間ですので
雲が晴れるのを待った時間だけ
タイムオーバーです。
脚の調子がいいので
休まずに、双児山方面に下ります。

標識には仙水峠経由が2時間
双児山経由が1:50とあり
この時点で午前11時でしたので
午後1時のバスがギリギリです。

双児山までは下って上りますが
雲で双児山がハッキリ見えません。

高い木はないのですが
前後に山があって、雲がなくても
展望は期待できないでしょう。


勾配がゆるやかだったので
見た目ほど上り返しはきつくありません。
すれ違う人も少なくて黙々と歩き
40分で双児山に到着です。

気温は24℃で
この後は林に入り20℃まで下がりました。
ここで登山アプリのヤマップを確認すると
北沢峠までのコースタイムが1:30
となっていたので
午後1時のバスに間に合いません。
焦ってしまいました。
双児山は4合目です。
北沢峠まで一気に下ります。


2合目まで30分
北沢しか読めない標識があり
残り時間がわかりません。

まだ遠いと思っていたら
50分で北沢峠に到着しました。
YAMAPの時間は正確だと思っていたのが
盲点でした。
ガイドブックには1:10とあり

後で写真を見返したら
双児山の標柱にも70分とありました。
1つの情報源を過信しないことが
今回の反省点です。
こもれび山荘に預けていた宿泊のための
荷物を回収して、バス停に並びます。
12:30の臨時便には定員オーバーで
乗れませんでしたが
予定していた1:10のバスには
順番待ちの1番で乗れました。
この時間はバス2台でしたので
乗れなかった人はいないと思います。
終点の仙流荘のバス停に着くと
バスの運転手さんが
バスのドアを開ける前に
外はとても暑いですから
覚悟して降りてくださいとアナウンスされ
35℃を超えていると思われる駐車場を
愛車に向かって歩き出しました。
いつものように、帰りの道の駅で
ソフトクリームをいただきます。

屋外は35℃を超えているので
ソフトクリームは
あっという間に解け始めました。
まとめ
片道距離:8.9㎞
標高差:1156m
この日の歩数:21508歩
上り:北沢峠→1:10→仙水峠→1:20→駒津峰→1:30山頂
合計4:00
下り:山頂→1:10→駒津峰→0:40→双児山→0:50→北沢峠
合計2:40
雲にさえぎられて
完全な姿が見られなかった分
思いが残る山旅でした。
気力と体力が続けば
アサヨ峰からの甲斐駒ヶ岳を
見てみたいです。
end