山と道・野の花のこと

揺れずに咲く花がどこにあるだろうか
この世のどんなに美しい花も揺れながら咲くのだ
<ト・ジョンファン>

山頂のパノラマと8月の花☆甲斐駒ヶ岳@日本百名山№67

2024-08-30 | 67甲斐駒ヶ岳(夏)
甲斐駒ヶ岳山頂に9時到着でも
この日は、雲が上がっていました。
あまりお腹は空いてないのですが
荷物を減らそうと
山小屋に頼んだ弁当に手を付けます。
普通の稲荷寿司4個と卵焼きでした。

もう少しサプライズがあるといいかな?
山ご飯を楽しみにしている人もいるし…
南側は
雲で見えない時間が多かったけど
何枚も写真を撮って
一番雲が少なかったものは
何とか全体が見えました。ただ、
北岳だけは雲が取れませんでした。

仙丈岳は雲間から見えた山頂部が
一番きれいに撮れました。


拡大すると、藪沢カールに
仙丈小屋が見えます。
鳳凰山は、上に富士山が重なり

最高峰の観音ヶ岳を中心に
左右対称で
鳥が羽を広げているようです。

西から北は時計回りに
AR(拡張現実)山ナビでご覧ください。
中央アルプスから乗鞍岳

北アルプスから高妻山

八ヶ岳から武尊山

関東の武尊山から雲取山

北側は里の風景が広がり
単独峰からの景色に見えます。
雲がかかって山の形は
ハッキリしませんが
今までに登ったたくさんの山が
並んでいます。
以前に登った3つの山からの
甲斐駒ヶ岳です。
2017年6月の瑞牆山より

2021年10月の鳳凰山より

2024年7月の仙丈岳より

深田久弥さんの
日本百名山より
(中央線は)
釜無川の谷を左手に見下ろしながら、信州の方へ喘ぎながら上って行く。
さっきまで遠かった南アルプスが、今やすぐ車窓の外に迫ってくる。
甲斐駒ヶ岳の金字塔が、怪異な岩峰摩利支天を片翼にして、
私たちの眼を驚かすのもその時である。
汽車旅行でこれほど私たちに肉薄してくる山もないだろう。釜無川を
距てて仰ぐその山は、河床から一気に二千数百米も突き上げているのである。
お花畑のような植物群はありませんでしたが
駒津峰から山頂までには
高山植物がいくつか咲いていました。
ヨツバシオガマ
ハマウツボ科の多年草

ミヤマツメクサ
ナデシコ科の多年草

葉が細く、花弁が尖っている
イワツメクサ
ナデシコ科の多年草

花弁が深く切れ込み
10枚に見えるが、5弁花である
オンタデ
タデ科の多年草

雌雄異株である
雌花

トウヤクリンドウ
リンドウ科の多年草

胃薬になる
タカネヒゴダイ
キク科の多年草

葉にギザギザの切れ込みがある
オシベの2本の柱頭が開いている
甲斐駒ヶ岳山頂で50分ほど
雲に一喜一憂して
最短の双児山経由で下山します。

つづく

駒津峰~山頂☆甲斐駒ヶ岳@日本百名山№67

2024-08-25 | 67甲斐駒ヶ岳(夏)
深田久弥さんの
日本百名山より
私が最初にこの峰に立った時は、信州側の北沢小屋から仙水峠を経、
駒津峰を越えて行った。六方石と称する大きな岩の傍らを過ぎると、
甲斐駒の広大な胸にとりつくが、一面に真白な砂礫で眼映ゆいくらい
であった。九月下旬のことでその純白のカーペットの上に、所どころ
真紅に紅葉したクマコケモモが色彩をほどこしていて、さらに美しさ
を添えていた。
駒津峰は日陰がなくて
山頂は逆光のため白が目立たず
上がってくる雲も気になり
休まずに先に進むことにしました。

ハイマツとダケカンバの細い尾根道を行くと
岩場となり
近づく山頂の変化を楽しみながら
慎重に進みます。



2本の鎖のついた斜面を下ると
一段落です。

振り返れば駒津峰

正面の山頂は雲が付いたり
離れたりで落ち着きません。


大きな岩を回り込むと
岩場を登る直登コースとの
分岐に出ました。

駒津峰から30分。
気温は28.5℃
日が当たると暑いです。
直登コースに登る準備中の
ヘルメットの2人に挨拶をして
右の一般ルートに進みます。
どちらのルートもコースタイムが
60分になっていて不思議です。

灌木帯を少し下り
まもなく白い砂礫の斜面が
見えてきました。

振り返ると、雲の中から
六方石(ろっぽういし)の全貌が現れました。

六方石(ろっぽうせき)は
五角か六角の角柱のことですが
四角までしか確認できませんでした。
ここからは、歩きにくい砂礫の道を
白い岩壁を見ながら

足1本しか置けない細道を抜け

動物の後ろ姿のような3体を超えると

摩利支天との分岐になります。

往復30分ほどなので、数名の
先客がいらっしゃいました。


その後も白い砂礫の道を
ジグザグに進むと、ようやく
山頂の祠が見えました。

直登の分岐から60分
駒津峰から1:30で
甲斐駒ヶ岳山頂に到着です。

気温は26.6℃

奥の山は仙丈岳です。
登山口から山頂まで
ここまで丁寧に書いた山は
他にありません。
分刻みでイベントのある
面白い山です。
つづく


仙水峠~駒津峰☆甲斐駒ヶ岳@日本百名山№67

2024-08-23 | 67甲斐駒ヶ岳(夏)
仙水峠で写真休憩の後
休んでいる皆さんを残し
駒津峰に出発します。
時刻は丁度6時です。
しばらくは
しらべの樹林の中を
急斜面に沿って登っていきます。

10分後、2278m+誤差30m
気温17.1℃

20分後、2329m+誤差30m
気温17℃
30分後
休憩できる小さなスペースがあり
南東の鳳凰山に続く早川尾根に
日本三百名山のアサヨ峰が
見えました。


南西には仙丈岳が見えました。

ガイドブックにも書いてあり
山小屋の管理人さんの話でも
雲が上がってくるので
できるだけ早く頂上を目指すよう
注意があったので
いつも以上に
道の途中でも写真を撮りました。
45分後
再び展望が開けて
間ノ岳と南アルプスの南部が
ずいぶん遠いけど
はっきり見えています。


仙丈岳も鳳凰山も
山頂部が見分けられる
ようになってきました。




そして
甲斐駒ヶ岳は
白い岩の山頂部を
朝日が照らし始めました。


昨日の夕食のとき
アサヨ峰からの甲斐駒ヶ岳は
格別だと聞いて
今日はアサヨ峰に登る
という人がいました。
この角度に近いので納得です。
50分後
ようやく北岳が現れました。

ここから見る山頂は尖っていて
凛々しいお姿です。

足元が明るくなって
コゴメグサとミヤマシャジンが
ひっそりと咲いています。
ミヤマシャジンはいつも
花にピントが合いません。
60分後
まだ樹林帯の道が続いています。

2548m+誤差30m
気温は21.3℃
時間とともに気温が上がっていきます。
70分後
だいぶ遠いですが、今回はちゃんと
中央アルプスが見えました。

そして雲が上がってきました。

80分後
御嶽山と北アルプスが見えました。

北アルプスは団子状態ですが
左端は乗鞍岳です。


90分後
駒津峰に到着です。

標高2740m
気温は24.1℃
双児山ルートの人も加わって
にぎやかです。
通常は樹林帯の通過点なので
こんなに写真を撮らないのですが
ここが今回のハイライト
だったかもしれません。
仙水峠のルートにして
大正解でした。
つづく

北沢峠~仙水峠☆甲斐駒ヶ岳@日本百名山№67

2024-08-19 | 67甲斐駒ヶ岳(夏)
こもれび山荘の朝食は
チェックインの時に時間を選べます。
4時、4時半、5時半の3回です。
私は空が明るくなってから
出発するつもりだったので
4時半を選びましたが
ほとんどの方が4時だったようです。
おかげで、テーブルが空いていて
慌てずに食べられました。
きのうの小屋の管理人さんの話で
気が変わり
仙水峠を目指すことにしました。
小屋では携帯の電波が届かず
YAMAPのルートは
変えられませんでした。
今までも多少のルート変更は
自動でカバーしてくれたので
大丈夫でしょう。
ライトなしで歩ける明るさになり
長衛小屋方向に4:45出発します。

気温は20℃。
同じ方向に向かう人はいませんでしたが
すれ違う人が数組いました。
テント場からの人だと思います。

テント場はテントの花が満開です。

こもれび山荘から10分で
長衛小屋の前も朝の賑わいです。

ここから沢沿いの森に囲まれた道です。
早朝は暗いので、いつも
カメラがぶれていましたが
今回はスポーツモードで撮ってみました。

行動記録としてなら
まあまあですね。
北沢の左岸を10分ほどで
丸太橋があり、右岸へ移動します。

ここで初めて先行者に会いました。
5分ほど右岸をさかのぼると
ロープ付いた5mの段差があり

沢路なのにロープの岩場は珍しいですね
と先行者に声をかけると
「楽しいですね」と変化球の答えが返ってきました。

再び、丸太橋を渡り左岸に出ると
仙水小屋に到着です。

北沢峠から40分は標準タイムです。
小屋の前に数名の登山者がいたので
仙水小屋で宿泊したのかと思っていたら
こもれび山荘で見た人たちでした。
水の補給をしていたようです。
この先に水場はありません。
私は休まずに進みます。
テント場のテント2張を右に見て
ガイドブックに書いてあった
シラベの樹林帯に入ります。

(シラベとはシラビソの別名)
それも長く続くことはなく
ゴーロ帯が見えてきました。


ゴーロ帯と樹林帯に挟まれて
道がつけられ、ちょうど
正面から朝日が入ってきました。


ただでさえ歩きにくいゴーロ帯を
まぶしくて前が見えない状態で進むので
ゆっくりと進みます。

白い岩山が見えてきました。
摩利支天の岸壁です。



北沢峠から1:10で
仙水峠に到着です。

気温は19℃と変化はありません。
標準タイムより少しだけ早く着きました。
写真を撮って小休止していると
ここまでに追い抜いた人たちが
追いついてきました。
その中で
このコースを登った経験のある人が
この先も樹林帯が続きますと
仲間に話していたので
少しがっかりです。
南には、鳳凰山のオベリスクも
シルエットになって見えています。

つづく

北沢峠☆甲斐駒ヶ岳@日本百名山№67

2024-08-17 | 67甲斐駒ヶ岳(夏)
休みと晴天と山小屋の空室をにらみ
7月から毎週のように予定を延期してきた
甲斐駒ヶ岳に
やっと出かけてきました。
8月では暑すぎるかと思ったけれど
晴天が最優先です。
深田久弥さんの
日本百名山より
わが国には駒ケ岳と名のつく山が多いが、その筆頭は甲斐駒であろう。
西にある木曽駒ケ岳と区別するために、以前は東駒ケ岳と呼ばれていたが、
今は甲斐駒ヶ岳で通っている。
山名の由来は、甲州に巨摩郡、駒城村などの地名のあるところから推しても、
かつて山麓地方に馬を産する牧場が多かったので、それに因んだものと思われる。
午後になると水蒸気が上がってきて
雲に隠れる山が多いので
山頂付近に山小屋のないこの山は
前日泊して、翌日の朝に明るくなったら
登るという日程に決めました。
バス停のある仙流荘へは
1か月前の仙丈岳と同じルートで
移動します。
こもれび山荘はバス停の目の前なので
最終バスに間に合えばよいのですが
山小屋でのんびりしようと思い
12:10のバスに乗りました。
最初は待っている人は少なかったので
1台で済むのかと思っていたら
茅野駅からのJRバスに乗って来た
大勢の方が加わり
2台に分乗することになりました。
アスファルトの駐車場でもあり
気温は高く、33℃でした。

標高860mの仙流荘から
標高2032mの北沢峠まで
バスの乗車時間は約1時間です。
こもれび山荘では
気温は28℃まで下がりました。

大きなスイカが流水に浮かび
目の前のバス停は
人影もまばらで静かです。

寝床は宿に早く着いた人から
少しですが快適な環境になるようで
私は2組目で
1階の壁際に案内されました。
翌日の登山の準備を念入りにして
横になって体を休め
午後5時から夕食です。
バス通りに面していますから
荷揚げの苦労はありません。
夕食は平地と変わりない
温かいものが出されました。
翌日の登山ルートは
最短の双児山ルートを往復することに
決めていました。
仙丈岳から見えた
甲斐駒の仙水小屋は沢にあり
今までの経験上、沢より尾根の方が
展望に恵まれるからです。

夕食のとき、小屋の管理人さんから
仙水峠の方が展望がいいという話があり
心が揺れてしまいました。
夕食後、ぶらりと外に出ると
気温は22℃に下がって長袖で快適です。

1か月前に満開だったクリンソウは
咲き残った数株以外は
緑のじゅうたんになっていました。

小屋の人に聞くと
植えたものが自然に増えたのだそうです。
山の季節は移ろうのが早いです。
翌日につづく