山と道・野の花のこと

揺れずに咲く花がどこにあるだろうか
この世のどんなに美しい花も揺れながら咲くのだ
<ト・ジョンファン>

5合目御金蔵~山頂☆早池峰@日本百名山№65

2024-07-17 | 65早池峰(初夏)
登山口から1時間かかった五合目
花を眺めながら
ゆっくり進みます。

見慣れない花があり
何枚か写真を撮って先に進むと
答えがありました。
花が開ききっていないので?
チシマフウロ

花がまとまってつく
がく片に毛が密である
1株だけ咲いていて
まだ小さいヨツバシオガマかと思ったら
ミヤマシオガマ

ヨツバシオガマより
花弁の先が丸まっている
葉の切れ込みが大きい

稜線の大きな岩が近づくと
8合目となり2段の梯子があります。
道なりに進んだら
ロープがついていて

そこを登りきると
1つ目の梯子を迂回していました。
1つ目の梯子を見下ろして

2つ目の梯子は2連になっていて
上りと下りで使い分けできます。

所々に咲く花を愛でて
ハヤチネウスユキソウ

バラ科のキジムシロ属の花
(葉が3枚あるので)

さらに岩場を登って
5合目から40分で
稜線の御田植場に到着です。

剣ヶ峰ヘの分岐を背に
岩と緑のなだらかな稜線を
門馬への分岐を右手に

足元の
ミヤマシオガマや
ハクサンチドリに励まされ
木道を進むと


早咲きのコバイケイソウの先にある
オレンジの避難小屋が
大きく見えました。

5合目から1時間で早池峰山頂に
到着です。

山頂も岩がゴツゴツして見えますが
足元には高山の花が咲いています。

御田植場や賽の河原方向を
振り返ると
木道のある箱庭ですね

西側には北東北の名山が
ゆったりと点在していました。

この写真の時点では鳥海山と八甲田山は
白く霞んでしまっていますが
肉眼ではハッキリと見えました。
ただ、遠くの山が引き立つ
手前の北上山地の濃い緑の方が
強く印象に残りました。
深田久弥さんの
日本百名山より
ある秋の夜、私は盛岡の東郊の丘に立った。
前面には華やかなネオンサインの街が拡がっていたが、
背後を向くと全くの暗闇で一点の灯も見えない。
「日本のチベットと言われる所以ですよ。」と案内の人が言ったが、
その暗闇の奥の広大な地域こそ、北上高地と呼ばれる人煙疎な地であった。
その高地の中の最高峰が早池峰である。
梅雨の晴れ間に来られて
休日の割に空いていて得した気分です。

大きな岩の手前には
ミヤマシオガマが満開で
咲き誇っています。
小田越から山頂まで2時間でしたので
もう少し歩いてもいいかなと思ったのですが
中岳・鶏頭山経由で岳駐車場まで
6時間弱かかるので、あきらめて
山頂からの景色を1時間ほど堪能し
来た道を戻りました。

家に帰って
花の百名山を読み返してみると
正面コースを頭垢離あたりまで下れば
打石や千丈ケ岩などの巨岩や
早池峰や北上山地の固有種の花
ヒメコザクラ・ナンブイヌナズナなどが
見られたかもしれないと
準備不足を後悔しています。
通行止めでも
途中までは行けるのが盲点でした。

小田越→早池峰山頂 2:00
早池峰山頂→小田越 1:20
この日の歩数:14221歩
ハヤチネウスユキソウを筆頭に
たくさんの高山植物を見られて
満足した
初夏の花の百名山でした。
帰りに高速道路の東和ICのすぐ近くの
東和温泉で汗を流し
炭酸泉のお風呂でリラックスしました。

レストランが併設されていて
盛岡冷麺とソフトクリームをいただき

長い帰路につきました。

特にソフトクリームは
他の席の方も注文されていて
リーズナブルな値段で
濃厚なおいしさで
お勧めです。
end

小田越~5合目御金蔵☆早池峰@日本百名山№65

2024-07-14 | 65早池峰(初夏)
岳駐車場を出発するシャトルバスの
始発は5:30でした。
出発時刻が近づくほどに
駐車場に車が入ってきました。
それでも広い駐車場はまだ
半分も埋まっていません。
始発のバスに登山者が順番に乗り込み
この日は2台で出発時間となりました。
朝は30分刻みの発車なので
長く待たされることはありません。
乗車時間も25分ほどで
小田越に着きました。
行程にトイレがないので
用を足してから出発するように
案内があり
トイレに行列ができました。

バス停のすぐ脇が登山口です。
気温は17℃

アオモリトドマツの森の中を
木道に従って進むとすぐに
砂利道となり

少しずつ傾斜が増して
樹高が低くなって
足元にも日差しが届きます。

始発のバスでしたから
すれ違う登山者はいません。

小田越から20分で森林限界となり
岩と緑の山肌が露になりました。

振り返ると、昨日歩いた薬師岳が
緑の裾野を広げています。

ここからお花畑が続きます。
花の百名山によれば、早池峰には
3種類のウスユキソウが生育しているそうで
これはミネウスユキソウでしょう

ヤマブキショウマ

(確認中)

キバナノコマノツメ

キンロバイ?

一番きれいな花を撮ったら
葉が隠れていて、判別不能
花びらの先端が窪んでいないので
ミヤマキンバイではないと思う

ホソバツメクサ

タカネツメクサに似ていて
がく片の形状で区別する
蛇紋岩の岩場によく見られる
ハヤチネウスユキソウ

ウスユキソウ属では大型で
茎の高さは10-20㎝になる
早池峰の固有種であり
絶滅危惧種に指定されている
黄色の部分が花で
花びらのように見えるのは葉である

たくさん咲いていましたが
3本が仲良く咲いて
一番白く見えたので
この写真を今回の旅の代表にします。


5合目の石柱

(現在の5合目よりだいぶ手前にあり)
確認中

ミヤマオダマキ

ミヤマアズマギク


薬師岳と同じ標高になり
5合目の御金蔵に到着です。

ここまで約1時間
お花畑になってから
写真を撮るのに忙しく
歩くペースが落ちました。
お花畑はつづく

時間がなくて薬師岳中腹より☆早池峰@日本百名山№65

2024-07-12 | 65早池峰(初夏)
山のシーズンが始まって
どこに行こうか思案していると
入梅してしまい
6月の週末は雨の予報が続きました。
かろうじて晴れ間のある
東北地方で唯一残した
早池峰に出かけることにしました。
新潟からはどのルートでも440㎞あり
休みなしで7時間はかかりますが
走り慣れた日本海側を北上し
河原ノ坊に到着したのは
午後の2:30を過ぎていました。

土日祝日は車の通行規制がありますが
午後1時からは規制が解除されるので
通行は可能です。シャトルバスが
大きいのですれ違いに苦労しますが。
深田久弥さんの
日本百名山より
登山路は岳から川に沿って六粁ほど上った河原ノ坊から始まる。
昔、快賢という僧が早池峰に詣で、ここに一寺を建てて河原ノ坊と呼んだ。
その後、洪水で寺は流出して名前だけが跡をとどめている。
すぐ横の谷川は昔の登拝者が垢離場(こうりば)と称して身を清めた所だという。
河原ノ坊から早池峰に向かう
正面コースは崩落のため通行止めとなっており
小田越コースを往復することになります。
シャトルバスに乗り
小田越までは10分ちょっとです。
小田越には帰りのバスを待つ人たちが
10人以上いました。
この日は早池峰を展望してみたいので
小田越から林道の反対側の
薬師岳への登山道に入ります。

時刻は午後3時になりました。
下りの最終バスが4:12発なので
往復3時間かかる薬師岳の山頂は
あきらめるしかありません。
展望が開ける所まで登れるのか?
自信はありませんでした。
歩き始めは木道です。

木道はすぐに終わり
普通の山道になります。

早池峰のサブルートですが
しっかりとした道になっていて
歩きやすいです。
何組かの下る人とすれ違いました。
小田越から30分で
真新しい標識があり

④ここは標高1450m
と表示されていました。
④とは4合目のことでしょうか?
傾斜がきつくなり
樹木が少し低くなって
早池峰が樹の間から見え始め

小田越から40分で
鉄の2連梯子が現れると
そのすぐ上で展望が開けました。





蛇紋岩の赤い岩肌と草木の緑に
登山道がくっきりと見え
肉眼ではわかりませんでしたが
山頂のオレンジ色の避難小屋も
写っていました。
左の河原ノ坊からの正面コースは
かなりの傾斜で
登山道が崩落し修復できていないことに
納得します。
下りのバスに乗りたかったので
ゆっくりしていられずに
急いで下山しました。
下りは30分で
バス出発の2分前に小田越に
到着です。

河原ノ坊にある
早池峰総合休憩所です。
誰もいませんが、パトロールの人
の車が1台止まっていました。
河原ノ坊の駐車場から
晴れれば、早池峰の稜線が見えます。

土日祝日は
午前5時~午後1時まで
上り・下りともに
一般車両は通行禁止のため
ふもとの岳駐車場まで戻りました。
翌日につづく