山と道・野の花のこと

揺れずに咲く花がどこにあるだろうか
この世のどんなに美しい花も揺れながら咲くのだ
<ト・ジョンファン>

7月の花@岩手山☆日本百名山№43

2019-07-23 | ◇日本百名山 花のまとめ +道具
ツアー参加のため
そのとき一番の花を探し
ベストなアングルで
撮影することができませんでした。
御了解ください。なるべく
まとまって咲いていたものを
掲載しています。
赤・紫
コマクサ
(ケシ科の多年草)

花の百名山地図帳では
大群落として
大雪山系・白馬岳・蓮華岳・燕岳が
挙げられている(ウィキペディアより)
草津白根山の大群落も見事でしたが
絶滅寸前から地元の有志により
復元されたものだそうです。
ミヤマハンショウヅル
(キンポウゲ科の落葉つる性植物)

北海道~関東中部地方の亜高山帯~高山帯に生える
登山道の脇の所々に
ひっそりと生えていました
ベニバナイチヤクソウ
(ツツジ科の常緑多年草)

北海道・本州中部地方以北に分布し
山地帯から高山帯下部の草地・低木林・林縁に生育する

ハクサンチドリ
(ラン科の多年草)

ウラジロヨウラク
(ツツジ科の落葉低木)
ヤマオダマキ
(キンポウゲ科の多年草)
画像省略
青・緑
シラネアオイ
(キンポウゲ科の多年草)

黄色
ウコンウツギ
(スイカズラ科の落葉低木)

北海道~東北北部の亜高山帯に分布
ウコンのように鮮やかな黄色の花からついた
ミヤマキンバイ
(バラ科の多年草)

オオバキスミレ
(スミレ科の多年草)

白色
*
イワウメ
(イワウメ科の常緑小低木)

日本では北海道~本州中部の高山帯に分布
岩礫地や岸壁に張り付くように生育する
ミネウスユキソウ
(キク科の多年草)

マルバシモツケ
(バラ科の落葉低木)

マイヅルソウ
(キジカクシ科の多年草)

ヨツバムグラ
(アカネ科の多年草)
サンカヨウ
(メギ科の多年草)
ヤマブキショウマ
(バラ科の多年草)
画像省略

end


山頂~焼走りの湯@岩手山☆日本百名山№43

2019-07-20 | 43岩手山(初夏)
岩手山の山頂は薬師岳と呼ばれ
5時間かけて登った満足感とともに
風景を見渡します。
標高2038m
カメラのデータによれば
標高2023m・気温18.1℃
(標高の誤差は15mでした)
南に御室火口
中心にあるのは妙高岳

西には
鬼ヶ城と屏風尾根に囲まれた
西岩手火山体

その中心に
御苗代湖と八ツ目湿原

北西に
屏風尾根の付け根にある茶臼岳と
平笠不動避難小屋

屏風尾根はモニュメントバレーのような
独特の形状らしいが
この日は茶臼岳から想像するしかありません。

記念写真を撮影後、
昼食は
平笠不動避難小屋でとります。
山頂から30分下り
カメラのデータでは
標高1765m・気温21.4℃
歩きにくい火山砂礫の道を
250mほど一気に下りました。

山頂は風があり寒かったのですが
この辺りは
過ごしやすいお弁当日和です。

茶臼岳

仰ぎ見る岩手山山頂は
きれいな三角形をしていました。


ツルハシの分れまでは
林の中を
シラネアオイやサンカヨウの群落を愛で

その先が
溶岩の中に咲く
コマクサの大群落です。
歩きにくい砂礫の下り道は
コマクサがいつまでも続くように
咲いていました。

花の1株は小さいものが多いのですが
1つの面として見ると
日本一かもしれません。
株が小さいことは
人の手が入らず自然のものとして
より愛おしさを感じました。
したがって
写真ではその美しさを
うまく表現できておりません。
管理をしていた方の話では
この日は満開に近い状態だそうです。

コマクサを堪能して
第一噴出口跡に着くと
東側の展望が広がります。

*

写真中央の黒いところが溶岩で
焼走りコースの由来となります。
その左にある
白い屋根の建物と駐車場が
最終目的地の焼走りの湯だそうです。
まだ遠くて1:30はかかります。
振り返ると
山頂は再び雲に隠れました。
私たちが山頂にいた時間だけ
雲がとれて幸運でした。
この先も黒い砂礫の道で
九十九折に下っていきます。

周りの林が背の高い広葉樹林になると
右側に
焼走りの溶岩の道が並んでいます。


下山は
休憩を含み4時間かかりました。
階段が少なく、短時間で済むので
下りとして
このコースはお勧めです。
いつものソフトクリーム

この日は
ブルーベリーとバニラのミックスにしました。
帰りの長~いバスに乗る気力が
戻りました。
この日の歩数28,718歩
進む先に何があるのか
登山者を飽きさせない
スペクタクルな山でした。
最終回・花編に
つづく

7合目・鉾立~山頂@岩手山☆日本百名山№43

2019-07-16 | 43岩手山(初夏)
6合目から傾斜が緩み

旧道が合わさる7合目の鉾立に至ると
ハイマツの快適な火口原が広がります。


それまでの急登から開放され
足取りが軽くなり
遠くに見えた八合目避難小屋が
どんどん大きくなりました。
ここで長めの小休止です。


小屋の前には
パイプから流れ出る御成清水があります。
この日は曇りのため
水の消費は少ないのですが
水を補給すると
その冷たさに疲れがとれました。
小屋の目の前の鬼ヶ城火口壁は
怖い名前にかかわらず、美しく
何枚も写真を撮りました。

岩手山の山頂のある火口丘は
お鉢と呼ばれ
最初は雲に隠れていましたが、
 
幸運にも、
休憩中に雲がなくなりました。

火山ということで
浅間山と雰囲気が似ています。
ますます元気が出て先に進むと
不動平十字分岐を経て
薬師岳火口丘の上りに取り付く。

スコリアと呼ばれる
歩きづらい黒い火山砂礫の道で
油断すると、
前に出した足が引き戻されます。

途中で2又に分かれ
山頂に近い左の道は足元が悪く
遠回りだが、上りやすい
右の道を選択します。
よく見れば
砂礫の中にちらほらと
コマクサが見られますが
次第に広がる風景に見とれ
花を愛でる余裕はありません。
程なくお鉢の縁に出ると
中央の妙高岳と荒々しい火口に
驚きの声が上がります。

時計回りに
山頂の薬師岳を目指し歩き出すと

火口縁の道には石仏が整然と並び
信仰の山であることが
空気を引き締めます。

ここにも
石の獅子頭がありました。

そして
薬師岳山頂です。

登山口からここまで
休憩時間を入れて
5時間かかりました。

深田久弥さんの日本百名山より

最も端正に見えるのは東側からであるが、

しかしそこから頂上に登ったとき、

この山は下から察したほど単純でないことを悟るであろう。

われわれが東の山麓から仰いだのは、

岩手山の首脳部分には違いないが、

更にそこから西岩手と呼ばれる複雑な地形が続いているのである。

つづく


馬返し~6合目@岩手山☆日本百名山№43

2019-07-14 | 43岩手山(初夏)
1年ぶりの日本百名山です。
目的地は
岩手県の岩手山
標高2038m
我が家からは遠隔地のため
ツアーに参加することにしました。
歩きながら写真を撮るので
花はきれいでしたが
写真はいまひとつ。
花は最後にまとめて記事にします。
深田久弥さんの
日本百名山より
北へ向かう急行が盛岡を出て間もなく
左側に、ポプラ並木の梢越しに見えてくる岩手山は、
日本の汽車の窓から仰ぐ山の姿の中で、最も見事なものの一つだろう。
(中略)
岩手県が生んだ幾多の人材、
それらの精神の上に岩手山が投影せずにはおかなかっただろう。
雄偉にして重厚、東北人の土性骨を象徴するような山である。
夜行・日帰りの旅である
長いバス移動の始まりは
車窓に見える夕日で始まりました。

目的地の馬返し駐車場まで9時間
アイマスク・耳栓・ネックピローを用意して
準備は万全でしたが、予想通り
よく眠れませんでした。

駐車場から2、3分で広場があり
りっぱなトイレと
豊富な水量の鬼又清水があります。

まだ早朝のため先客はありません。
朝の5時に登山開始。

広場から右へ進むと
ミズナラやブナの広葉樹林には
霧のようにガスがかかり

あまり歓迎されていないようです。

すぐに傾斜が強まり
長い上りが始まります。
○合目の表示は

整備されていて新しく 


最初は5勺(0.5合)刻みで設置されて
約30分ごとに休憩です。

50分で1合目。

前方に岩手山の一部が
後方に
東の麓の雲海が見えました。
 
さらに赤土の道が森の中を
足元の小さな花を愛でながら
ほぼ一定の上りが続きます。
ミネウスユキソウ

トウフ岩は
写真を撮る余裕もなく通過。
2合5勺の分岐から新道へ。
旧道は石バネと呼ばれる岩と砂礫の道で
このツアーは日帰りのため回避。
土留めやハシゴで整備された道を
3時間歩いて、傾斜が緩み


左の旧道に大倉石が現れると

6合目で一息をつく。

つづく