深田久弥さんの
日本百名山より
*
山へ登る前にその山を望見するのは
登頂を終えて振り返る時と同様
心のときめくものである。
∨
∨
∨
高村光太郎夫妻が腰をおろして
パノラマのような見晴らしを眺めた

二本松の裏山の崖で
深田さんは
ほんとの空を見ることができたのだろうか?
*
紅葉が目的で安達太良山を訪れたのは
10月下旬。
ガイドブックによると
最盛期には少し遅いかもしれません。
会津で1泊したので
移動は楽になりました。
∨
風情のある温泉街の
岳温泉を過ぎ
あだたら高原スキー場が
登山の表口になります。
グリーンシーズンは
観光客を乗せて
アダタラエクスプレスという
ゴンドラが動いています。
*
登りで
使えるものはなるべく使う
軟弱派なもので
観光客と空中散歩です。
∨
これで約1時間半のショートカット
おまけに
紅葉の大パノラマが見られます。
∨
終点の山頂駅を9:30出発。
山頂方向を見上げると
紅葉は少しピークを過ぎているのか?
ポスターの紅葉よりも
少し地味かもしれません。

それでも
はるばる来た者を魅了する
雄大な山腹に
着物を広げたような紅葉です。
∨
少し歩くとすぐに
薬師岳展望台があり
観光客も多いのですが
展望台の名にふさわしい
ゆったりとした景色が
眼下に広がります。
あまりにも広大で
その当時のカメラでは全体が入りきりません。
カメラの代わりに
自分の眼で
シャッターを切りました。
∨
登山道は傾斜がゆるく
幅広の尾根です。
のんびりと紅葉を楽しみながら
1時間ほどで
山頂直下の広場に到着です。
大勢の人が訪れたように
とても広い。

余裕があれば
ゴンドラに乗らないほうが
達成感が得られるでしょう。
山頂は少し尖った岩場です。

*
登って見下ろせば
ゆったりしたパノラマ。

∨
紅葉に気をとられて
周囲の山並みの写真を
撮り忘れてしまいました。
*
磐梯山も見えていました。
∨
下りは
くろがね小屋経由で
ゴンドラの山麓駅まで
紅葉の谷を2時間かけて降ります。
∨
まずは鉄山に向かう稜線を進み
矢筈ケ森の直下の分岐へ
その西面に広がる沼ノ平を見物です。
噴火の火口ですが
今も有毒ガスを含む噴煙があがっています。

*
磐梯山にも近く
穏やかに思われた東北の福島ですが
どちらも激しい噴火があったとは
日本は火山列島なんだと
再認識しました。
∨
ここからは稜線を離れて下ります。
小さな谷川に
暖かい色の草の紅葉が目に付きました。


峰の辻で十字路になり
前方には2本の道が続いています。
どちらも勢至平に続いていますが、
谷に下りて
くろがね小屋経由の道を選択しました。
∨

この道は谷の底に当たるため
紅葉は見上げることになります。
今までの見渡す紅葉から
木の一本一本の彩を楽しみながら
歩くことができます。

*

4時間半ほどの滞在でしたが
東北の秋を満喫しました。

∨
来た道を最後に振り返り
見えたのは

∨
安達太良山は
たくさんの登山口があり
楽しみ方も一通りではない
万人の名峰です。
end