滑滝で
シャッター速度を試しながら写真を撮っていると
動くものが視界に入りました。
小鹿でした。
驚かさないように静かにしていると
だんだん近づいてきて
3mくらいまで接近してくれました。
草を食べて朝食の時間です。
登山者が少ないから
人を怖がらなくなっているのでしょうか。
食事の邪魔をしないように
腰を下ろすこともなく
休憩もそこそこに、出発します。
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滑滝からは少し沢を離れて
山の中を歩きます。
この辺りにも、樹木の名前の解説があり
トウヒ・ダケカンバを確認しました。
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道が、再び沢に戻ると
川は小川になり、
せせらぎの音とコバイケイソウの葉の緑で
千曲川の源流はすぐそこです。
8:10(滑滝から1:30で)
源流に到着しました。
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林の方から音がするので
振り向くと、今度は、
角の生えた大きな鹿が2頭、
こちらの様子を伺っています。
驚かさないよう静かにしていましたが
警戒されて、林の奥に消えていきました。
滑滝といい、水場には鹿がいます。
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せっかくなので、荷物を下ろし
源流の水を汲み、いただくと
癖がなくおいしい水でした。
湧き水になっており、水量も多く
さすがに日本一長い川の源流です。
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ただ、この時間帯はじっとしていると
虫が多く寄ってくるので
あまり長居はできません。
(下りでは虫はほとんどいませんでした)
水場であまりゆっくりできないのは
しんどいです。
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虫に追われながら
一気に稜線まで上り
後は平坦なのかと思ったら
最後まで登り続ける
休ませてくれない山でした。
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山頂の手前で、
今年初めての富士山が見えて
思わず足が止まり
シャッターを切ります。
8:50(千曲川源流より40分)
甲武信ヶ岳山頂に到着です。
無人です。先行者は
縦走か、周回コースに行った後でした。
10人ほどが
荷物を広げればいっぱいになるような
狭い山頂ですが、独り占め。
後に、単独の縦走者2人と二人連れが
上ってきました。
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遠くの山は少し霞んでいますが
見下ろす金峰山への緑濃い縦走路は
山歩きの楽しみを絵にかいたようでした。
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山頂で1時間ほど休んで下山。
上り:4:00(3回の小休止を含む)
下り:3:40(4回の小休止を含む)
ほぼ標準タイムです。
2日連続で高低差1000mを登り
とても疲れました。いまだに
膝が思うように動いてくれません。
本日の歩数:33,206歩
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ヒメイワカガミ
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深田久弥さんの
日本百名山より
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私が東京の学校に入った頃は、まだ今のように上越の山も開けず、
北アルプスも不便な時代で、私の山行の大半は奥秩父であった。
(中略)
まだ登山道も整備されず、山小屋も乏しく、指示標などというものは殆どなかった。
私たちは米や味噌を用意し、鋸(のこぎり)や鉈(なた)を持って、無人の山に出かけた。
休みが二、三日も続くと、東京にいるよりも秩父も山を歩いているほうが多かった。
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今回の山行は、無人とはいかないけれど
静かな奥秩父の
新緑の林と渓谷を堪能した旅になりました。
end