山と道・野の花のこと

揺れずに咲く花がどこにあるだろうか
この世のどんなに美しい花も揺れながら咲くのだ
<ト・ジョンファン>

弥彦山 2014-5☆オオハナウド・ササバギンラン・キンラン

2014-05-29 | 弥彦山の足跡 5月
早春の賑わいはどこへやら。
弥彦山の裏参道は
静けさを取り戻しました。
タンポポの花は終わり
胞子がまん丸にまとまり
旅立ちの準備は整ったようです。

オオハナウド
セリ科の多年草
日本では本州の近畿以北と北海道に分布する
外側の花弁が大きく、2深裂する

春から初夏に花が咲くのはハナウド
秋に花が咲くのがシシウドだそうです。
関東地方以西に分布するハナウドとは
大きさや葉の形で区別するようですが、
高さが1m以上あり
花も20cm以上でしたので
オオハナウドといたします。
白い花に日が当たると輝きを増し
一面の緑の山で
虫たちのスターになります。
ササバギンラン
(再掲載)
ラン科の多年草

白い花より上まで葉が伸びていたので
ササバギンランといたします。
花冠はほとんど開きません。
道路脇の下刈りされる劣悪環境で
ぽつんと一輪咲いていました。
絶滅危惧種に指定されている県も
あるようです。
キンラン
ラン科の多年草
東北地方南部から九州までの山林に自生する
特に関東では雑木林に普通に見られる
人工栽培はむずかしく
近年は絶滅危惧種に指定する県もある
花はふっくらと半開し
全部は開かない。

緑濃き山で
黄金色の花は目立ちます。
ぽつんと2株咲いていました。
よく見ると
開かないままの花が
葉の上に落ちていたので
失礼して
花弁を少し広げてみました。

花弁は3枚に分かれ
ラン科の花にふさわしい
独特の形状と
花弁の1枚には赤褐色の模様が
ありました。
虫になって花の中を覗いた気分です。
end

弥彦山 2014-5☆ヒメハギ・ツリバナ・ガクウラジロヨウラク

2014-05-23 | 弥彦山の足跡 5月
珍しい花の情報があったので
季節は5月中旬
咲く場所もある程度理解できて
花を撮りに
また弥彦山へ出かけました。
山の散策にはよい気候となり
家族連れの子供の大きな声が響き
もうひとつの
にぎやかな季節がやって来ました。
越後平野は田植えも終わり
遠くに雲はありますが
粟ケ岳・守門岳
佐渡ケ島も
くっきり見えました。

*

秋に赤い実を紹介した
ツリバナ
ニシキギ科の落葉低木
日本原産

赤い実の大きさと比べると
随分小さな花ですが
白い花がたくさん咲いて
目立ちます。

ガクウラジロヨウラク
ツツジ科の落葉低木

ウラジロヨウラクのガクが
長くなった変種で
本州中部以北の日本海側に分布する
ユキザサ
ユリ科の多年草

白い小さな花にピントが合わせにくく
以前の写真より
はっきり撮れたので
再掲載します。
最後に今回の目的の花
ヒメハギ
ヒメハギ科の常緑多年草
アジアの温帯から熱帯に広く分布する
山野の日当たりの良い草地に普通に見られる

昨年岩原スキー場で見たヒメハギは
高さ20cm以上で
花も大きかったのですが
弥彦山では
高さ10cm以下の小さい個体しかなくて
花も小さく
ミニチュアの花畑のようでした。
咲いてる場所が判りやすくて
予測していたので発見できました。
花は
飛んでいる鳥のように
力強い形です。

end

庭の花 2014-5☆スギナの中からカラスビシャク

2014-05-19 | 庭の花+花のまとめ
塾の敷地の
草取りをサボっていたら
スギナの間に
なにやら怪しい形の植物が
ありました。
カラスビシャク
別名:半夏(ハンゲ)
サトイモ科の多年草
 
田畑に雑草として生える。
史前に中国から帰化した植物で
北アメリカの一部では
侵略的外来種として問題視されている。
 
球茎を乾燥したものを半夏と呼び
鎮咳・鎮痰・吐き気止めに用いる
カラスビシャクが生える7月2日頃が
半夏生という雑節になっている。
絶滅危惧種に指定している県も
あるようです。
草取りをサボって
初めての花が撮れるなんて
果報者です。
判りやすいところに
植え替えてみました。
来年も咲いてくれるといいんですが。
毎年咲いている
エビネ
ラン科の多年草
 
日本・朝鮮半島南部・中国に分布する
地表近くの根茎が
海老が連なっているように見える
花は春に咲き
園芸種など変種が多い
 
岩陰に咲いているので
今年初めてちゃんと見ました。
ミリオンベル
2年目の花が咲きだしました。
 
いつまで咲いてくれるんでしょう?
こちらも
うれしい誤算です。

end

大菩薩嶺@日本百名山№29

2014-05-14 | 29大菩薩嶺(春)
今年初の2000m級は
日本百名山から選びました。
大菩薩嶺
2057m
深田久弥さんの
日本百名山より
大菩薩峠が大勢の人に親しまれるようになったのは
その名前の文学的魅力だけではない。
初心者にとってまことに格好な山だからである。
東京から日帰りができるしいろいろ変化のある安全な
コースが開かれているし、展望がすばらしく雄大だし、
それに二千米の高さの空気を吸うことができる。
峠から大菩薩嶺にかけて、甲州側は広々としたカヤトで
そこに寝ころんで富士や南アルプスを眺めているのは
全くいい気持ちである。
山ツアーだったので
大勢が休めるポイントで
休憩が入ります。
今回は
地図に名前が入った場所の写真を中心に
紹介することにいたします。
福ちゃん荘の看板の地図で
逆三角形の登山道を
反時計回りに周遊します。

入口の福ちゃん荘

大菩薩峠

大菩薩峠から
親不知ノ頭の眺め

親不死ノ頭から
妙見ノ頭

賽の河原(旧大菩薩峠)
を見下ろし

賽の河原

雷岩

雷岩からの富士山

手前の湖はダム湖の
大菩薩湖
林の中の山頂
大菩薩嶺

嶺とは峠のこと。
カラマツ尾根

いつまでもズーっと
カラマツの林でした。
最後に
この山のハイライト
歩きながらも
たくさんシャッターを押しました。
富士山の眺め

大菩薩嶺からの富士山は
すらっとスマートです。

甲州市の向こうは
3000m級の日本の屋根

コントラストを上げて
間ノ岳と北岳だと思います。

今回
花はほとんどありませんでしたので
皆さんと同じペースで歩けました。
秋のカラマツの黄葉は
みごとだと思われます。
季節が選べるなら
秋をお勧めします。
end

涼しい山頂☆越後白山@新潟百名山№15

2014-05-09 | 〇新潟100名山(下越)
新緑の風景は
写真ではなかなか伝わりません。
越後白山の前半に
お付き合いいただき
ありがとうございました。
5月上旬のこの日は
5合目を過ぎたあたりから
顔の周りの虫が増え始め
7合目から山頂まで
虫除けのネットを被ることにしました。
五頭山で苦労したので
下越の春山には必携です。
越後白山の
6合目から7合目からの展望は
霞んでしまっていますが
肉眼では十分見えました。
白さの残る山々を
コントラストを上げてみましたので
ご覧ください。
視界を分割して 
中央右は菅名岳・大蔵山です。
<画像消失> 
左奥に五頭山

更に左(北西)には
蒲原平野の水をはった田んぼが
広がります。

写っていませんが
右奥に真っ白な二王子岳は
まだ雪山の様子です。
さらにその右には
距離的に近いけれど
まだ登っていない日本百名山
飯豊連峰が
早く来いと言ってます。

花はイワウチワの他に
カタクリ

イワカガミ

タムシバ
黄色いスミレなど
春早い季節の花が咲いていました。

やがて視界に入った
山頂方向に進むにつれ
雪が深くなります。


山頂の山小屋が見えると
目的の山頂はすぐそこです。
カールのような沢をまいて進み
振り返った雪の向こうは
水を張った田んぼです。

山小屋の近くの雪が消えたところで
昼食をとり
山頂の記念写真を撮りました。

雪の中から
先端だけ顔を出し
山の名前が見えて最高です。
奥に見える山の頂は粟ケ岳です。
アップにすれば
この大迫力。

写真を撮る女性が
とってもいい場所にいてくれたので
写真に入ってもらいました。
いいでしょ
戻るとき鐘の音がして
振り返ると
小学生の女の子が
鳴らしていました。

下りの3合目位から
暑さを感じました。

それだけ山頂は
涼しかったということでしょう。
上り130分
下り90分
この日の歩数
15473歩
お土産は黄金の里会館で
カタクリの甘酢漬け
300円
珍しい物をいただきました。

end

新緑と急登の前半☆越後白山@新潟百名山№15

2014-05-08 | 〇新潟100名山(下越)
ガイドブックに
越後白山は駐車場から2合目まで
入梅時はヒル、夏場はメジロアブ
に注意するように書いてありました。

地図の左側のルートを往復しました。
快適な気温で林道のような道を
水の流れを楽しみながら
進みます。

咲いていた花は
スミレやサワハコベの他
テンナンショウ
ニリンソウ
タネツケバナなど
白いつぼみが見えました。
ギンランのような雰囲気ですが
花が咲いていないので
はっきりとは判りません。

シャガと判明しました。
今たくさん咲いています。2014-5追記
登山道の標識は
ほぼ10分強で現れ
目に付く場所にあり
現在地と山頂との距離を
正確に思い描くことができます。

1合目の標識を過ぎると
時々ロープを使う
容赦のない急登が続き
風がなく高温で虫が出たら
折れてしまいそうです。

この日は快適で
久しぶりの急な上りを
楽しむ余裕がありました。
展望はありませんが
どこまでも続く新緑のブナの林が
眼を癒してくれます。
時々
急登を振り返ります。

3合目には山の名前の由来である
白山権現を祭る祠があるようですが
少し奥にあるようで見当たらず
そのまま進みます。

盛りの花はミツバツツジ

花の色が赤いので
ユキグニミツバツツジでしょう。
道端には
春の花の名残はありますが
眼を奪うような花は
見当たりません。

3合目と5合目は
休憩するのにちょうど良い
小さな広場となっています。
ここは5合目。

6合目から
北の展望が開けます。

そして春の花も。

イワウチワです。
つづく

慈光寺☆越後白山@新潟百名山№15

2014-05-05 | 〇新潟100名山(下越)
昨年の春
越後百山の
日本国と五頭山に登りました。
ちゃんと数えたら
知らないうちに
越後百山は20座まで
数を伸ばしていました。
<タイトルの№15は日本百名山を除いています>
もちろん
日本百名山や二百名山・三百名山と
掛け持ちの山もありますから。
近いところから選んだつもりが
21座目の移動距離は割と長く
登山口は旧村松町
今は合併して五泉市となりました。
登るのは
白山
標高1012.4m
今年初めての1000m級です。
本当の山の名前は
ただの白山ですが
加賀の白山が有名なので
越後白山と称することにします。
長岡からは
家の屋根を横から見たような
ずんぐりとした山容で
あまり魅力的ではありませんが
三条市からまわり込み
田上から村松へ抜ける峠を越えると
越後白山は
田植え真っ最中の田んぼの向こうに
三角のお顔を見せてくれます。

思わず車を止めて
何枚も写真を撮りました。
村松の市街を抜けると
慈光寺目指して行けば
真正面が越後白山です。

山の全景が見えなくなる手前で
写真を撮りましたが
新潟日報のガイドブックと
まったく同じ場所になりました。
登山口は慈光寺の境内の奥ですが
その手前の
黄金の里会館前の駐車場で
車を止めます。
トイレをお借りして

正面が黄金の里会館で
慈光寺へは左の橋を渡ります。
歩いて10分ほどの距離を
樹齢300~500年の杉並木の
参道を進みます。

所々にお地蔵様が祭られていて
川の流れをさかのぼるように
進みます。

この日は
快晴というには白さの残る空ですが
杉並木の落ちる木漏れ日は
観光に来られた皆さんを
やさしく包んでいました。
やがて
大きな建物が木立の中に現れ
華やかに彩られた花が
出迎えてくれました。

新緑に映える
春もみじに誘われるように
門をくぐります。

門には四天王が祭られていて
覗いてみると
強くて怖そうな守護神でした。

正面の本堂に向かって
真ん中を外して
石畳の道が伸びています。

何かの意図を感じますが
曹洞宗(禅宗)には詳しくないので
理由はわかりません。
お参りをして
登山口に向かいます。
案内板が3つありました。

そのうち2つがボケてしまい
使い慣れているカメラなのに
珍しいことがあるものです。
唯一撮れたのは
大蛇伝説の説明でした。

新潟市内の白山神社と
この越後白山の関係が
よくわかりました。
つづく

弥彦山 2014-5☆ウリハダカエデ・ニシキゴロモ・芝桜

2014-05-03 | 弥彦山の足跡 5月
久しぶりに
弥彦山の登山ルートを外れ
双耳峰の多宝山に寄り道しました。
ヒメハギ見たかったけど
少し早かったようで
まだ咲いていませんでした。
弥彦山スカイラインと
9合目の展望台が
吹き付ける雲の間から
ちょっとだけ見えました。

大型バスも止まり
にぎやかです。
この先
展望はなく
花探しの旅になります。
といっても10分くらいですが
紫色の花がありました。

ヤマハッカのような葉っぱですが
季節は春
ちゃんと咲くころ
もう一度
来ることになりそうです。
ウリハダカエデ
カエデ科の落葉小高木
日本固有種で
北海道以外に自生する

カエデと言えば秋の紅葉ですが
花は雄と雌があり
これは雄花序です。

樹木の垂れ下がる花の中では
美しいものになるでしょう。
雨で濡れていれば
もっと雰囲気があると思います。
山頂には誰が植えたのか
芝桜が花を添えています。
 
多宝山は展望がほとんどなく
あまり人気のある山ではありません。
トレランの練習をしているような
ウェアを着た人に
3人ほどすれ違いました。
帰り道に
ニシキゴロモの大株が
いくつもありました。

弥彦山のおまけで登るには
もう少し
ご褒美が欲しいと思うのは
贅沢でしょうか。
ヒメハギの咲くころには
登りなおす予定です。
end