新潟は雨の多い季節になり
何も降っていない時を狙って
弥彦山へ。
∨
山頂までの幸運は
あふれる光でクライマックスに。

何かが舞い降りてくる?

∨
海も風にあおられて
金色の波が水面に風紋となり
港に押し寄せていました。

∨
双耳峰の多宝山は
吹き付ける風で
秋色の山肌を隠す
雲を襟巻きにして
じっとたたずんでいました。

∨
遠くを見れは何事もないように
濁った鉛のような海なのに
足元では
冬の訪れを感じさせる白い波が
ふもとまで色づいた森と
バトルしていました。

∨
幸運にも
傘の世話にならなかったのは
ここまでです。
*
濃密な湿度の中で
一瞬・日が差して
雨に濡れた黄色い葉が
輝きを増しました。

∨
温度が高ければ
熱帯の雨季と勘違いする
森を潤す雨によって
機械の眼をしたカメラさえも
動作不能の極限です。
人通りのない登山道で
この沢はいつもと違う光景を
見せてくれました。
∨
色づいた木々は
次第に姿を変え
冬の支度の真っ最中ですが
3合目付近のもみじは
緑の葉と黄色になりかけの葉が
重なり合い
新緑のような錯覚に落ちました。

まもなく来る
白い季節の前に
まぶたに残る山のうつろいでした。
end
