( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/42015032.html からの続き)
その日の 巡回が終わる。
美由は シンシアが止めるのを押し切って、一人で 啓輔の家に戻る。
喜んで美由を迎える 啓輔。
いつも一人で 人恋しかった啓輔は、美由の優しさに 涙を滲ませる。
美由は 無理して来て 本当に良かったと思う。
これが 自分がやっていきたいことなんだ と。
美由が SCSに戻ると、不動は 烈火のごとく 美由を怒鳴りつける。
「商品のタダ売りをするな!」
美由はびびりながらも 不動に食いつく。
お年寄りのために、喜ばれるのが どうしていけないのかと。
不動は
「タダ働きを増やしていくと、いずれ負担になって どこかにしわ寄せが行く。
慈善は偽善だ」
と切り捨てる。
美由は、誰でも 公平に受けられるのが 福祉ではないかと 食い下がる。
「公平なバラマキ福祉が 財政を食いつぶした。
民間企業は コストを考えて 経営努力する。
介護は 競争の時代なんだ」
と述べる不動。
「競争に 勝っても負けても、成功した人も 失敗した人も、
無条件で受けられるのが 本当のケアだと思います」
と言い募る美由。
「高邁な理想に 人は騙される。
しかし 健全な利益があってこそ 次のサービスが 提供できる。
それが お客様のためにもなる。
儲けなくして 優しさは続かない。
次からは 必ず追加料金をいただけ。」
憤懣やる方ない 美由。
美由はその後も 不動に隠れて、時間外に 啓輔の家へ行ったりする。
(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/42090406.html