作曲家が書いた楽譜を 清書する、写譜師 (コピスト) という仕事があります。
ベートーヴェンには 3名のコピストがいて、3人目は誰か 判明していないそうです。
この映画は、その3人目を 若き女性作曲家とした フィクションです。
1824年、ベートーヴェン (エド=ハリス) は
交響曲第九の初演を 4日後に控えても 楽譜が完成せず、
野獣のように 苛立っています。
そこに、依頼されたコピストとして アンナ (ダイアン=クルーガー) が訪れます。
最初は 若い女など認めない ベートーヴェンですが、
アンナの才能を見込んで、共に創作に取り組みます。
やがて 師弟愛を超えた感情で 結ばれていく二人です。
「楽聖」 と奉られるベートーヴェンですが、この作品では
粗野で下品な 実に人間臭い男を、エド=ハリスが 演じています。
卑俗で天衣無縫な モーツアルトは すでに有名ですが、
このような姿の ベートーヴェンが描かれるのは 初めてではないでしょうか。
散らかりきった部屋で、ネズミやゴキブリも平気な ベートーヴェンは、
人の迷惑も考えず 隣人からは クソ野郎 呼ばわりされています。
がっしりしているものの 中年太りのお腹、ときに猫背気味で 傍若無人。
しかし 一方で、音楽家は 神に最も近い存在だと 言い切る彼は、
神の言葉としての 音楽を作り出し、人々に伝えるのです。
(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/42634908.html