「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「敬愛なるベートーヴェン」 (1)

2006年11月25日 16時17分45秒 | 映画
 
 作曲家が書いた楽譜を 清書する、写譜師 (コピスト) という仕事があります。

 ベートーヴェンには 3名のコピストがいて、3人目は誰か 判明していないそうです。

 この映画は、その3人目を 若き女性作曲家とした フィクションです。

 1824年、ベートーヴェン (エド=ハリス) は 

 交響曲第九の初演を 4日後に控えても 楽譜が完成せず、

 野獣のように 苛立っています。

 そこに、依頼されたコピストとして アンナ (ダイアン=クルーガー) が訪れます。

 最初は 若い女など認めない ベートーヴェンですが、

 アンナの才能を見込んで、共に創作に取り組みます。

 やがて 師弟愛を超えた感情で 結ばれていく二人です。
 

 「楽聖」 と奉られるベートーヴェンですが、この作品では

 粗野で下品な 実に人間臭い男を、エド=ハリスが 演じています。

 卑俗で天衣無縫な モーツアルトは すでに有名ですが、

 このような姿の ベートーヴェンが描かれるのは 初めてではないでしょうか。

 散らかりきった部屋で、ネズミやゴキブリも平気な ベートーヴェンは、

 人の迷惑も考えず 隣人からは クソ野郎 呼ばわりされています。

 がっしりしているものの 中年太りのお腹、ときに猫背気味で 傍若無人。

 しかし 一方で、音楽家は 神に最も近い存在だと 言い切る彼は、

 神の言葉としての 音楽を作り出し、人々に伝えるのです。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/42634908.html
 
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