「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「車椅子社長・猛烈ケアビジネス」(6)

2006年11月09日 20時02分29秒 | 車椅子社長/無意識の彷徨/コンビンサー
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/42057955.html からの続き)

 啓輔宅への訪問日。

 道子が 手にしたものを 美由にあげようとして 持ってくる。

「かわいい金魚でしょ」

 それは 何と 道子の大便だった。

 びっくりする美由。

 啓輔は 道子を怒鳴りつけるが、

 シンシアは 啓輔をやんわりと制する。

 シンシアは道子に

「かわいいですねー。

 でも かわいそうだから 水に返してあげましょう」

 と言って、水洗トイレに流す。

 感銘する美由。

「お母さんの言動には、必ず お母さんにとっての 意味があるんですね」

 と、シンシアは 啓輔に語る。

「介護は楽しまなくちゃ」

 というのが シンシアのモットーである。

 道子が 座布団カバーの縫い目を ほどこうとしている。

 美由は シンシアの言葉を思い出して、道子に言う。

「繕ってくれて ありがとうございます。

 これもお願いしますね」

 と、別の端切れを渡す。

 そんな 美由とシンシアの ケアによって、道子と啓輔は 落ち着きを取り戻す。

 啓輔は、死ぬ気になれば 何でもできるんだ思う。

 シンシアは啓輔に

「死ぬ気になんか ならないで。

 介護は ズボラにしないと続かない」

 とアドバイスする。

(続く)
 
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