「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「車椅子社長・猛烈ケアビジネス」(11)

2006年11月14日 18時08分56秒 | 車椅子社長/無意識の彷徨/コンビンサー
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/42225841.html からの続き)

 日曜日。

 体育館で、車椅子に乗った 障害者アスリート達の

 ラグビーが 繰り広げられている。

 観客席で 驚いて見ている 美由と啓輔。

 「ウィルチェアー・ラグビー大会」 という 横断幕がかかっている。

 選手たちは素早い動きで、ボールを 前後左右にドリブルしたり、パスしたりする。

 不動は 強力なオフェンスとして、装甲車のような バンパーが付いた車椅子で、

 相手に 強烈な体当たりを食らわせる。

 ウィルチェアー・ラグビーは、以前は 「マーダー(殺人)ボール」 と言われたほど

 激しい格闘技なのだと、シンシアは 美由と啓輔に説明する。

 不動の隆々たる筋肉に 汗がほとばしる。

 目が釘付けになる 美由。

 シンシアは 子供のようにはしゃいで 不動たちを応援する。

 美由と啓輔も 次第に高揚していく。

 障害者なのに こんなことまでできるとは。

 シンシアは、障害者だからできるんだ と笑う。

 不動の活躍により、試合は 不動のチームが 優勝を勝ち取る。

 飛び上がって 喜ぶシンシア。

 美由,啓輔も 不動たちの姿に 心から感動する。
 

 帰り道、シンシアは 不動のことを話す。

 不動は元々、チェーンの飲食店を経営する 猛烈な商売人だった。

 シンシアは従業員として 不動と知り合い、その後 結婚した。

 不動は 学生時代から ラグビーをしていたが (顔の傷も ラグビーでできた)、

 試合中に 大怪我を負って 下半身麻痺になった。

 不動は 全てに絶望して、シンシアにも当たり散らし、自殺も考えた。

 しかし 次第に立ち直っていき、

 自分にしか できないことはないかと 考えるようになった。

 そして、障害者や高齢者の 介護ビジネスを思いついた。

 人間は どんなに困難な状況になっても、理想を持って 頑張れるのだと、

 今の不動は 信じているという。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/42297647.html
 
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