( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/42124828.html からの続き)
美由は 終日、不動のトイレ介助や 身の周りの世話をする。
しかし 尊大な不動は ありがとうの一言もない。
「俺は お前に給料を払って 修行をさせてやっているんだ」
と言う不動。
美由は、
「私が行けば 啓輔はとても喜んでくれる。
ありがとうの一言が お金よりありがたい」
と口を滑らせる。
不動は、美由が 契約外のサービスを 続けていることを察して 激怒する。
美由も つい逆ギレして、
「私は もっと普通の お年寄りや障害者の人の お世話をしたい」
と不満を述べる。
「普通の?」
と突っ込む不動。
美由は 痛いところを突かれ、はっとする。
「 “普通の” 障害者は 心が優しいか?
障害者は 頭を下げながら 生きていくか?
強欲で 威張った人間は “障害者らしくない” ってか?」
美由は 頭をハンマーで叩かれたような ショックを受ける。
美由は 心の中に、
「弱い障害者を 助けてあげることで 満足している」
という意識が あったのではないかと 気付かされる。
不動は
「貴様のような奴に 障害者を介護する 資格はない!!
障害者を 暮らしにくくしているのは 町の階段や段差じゃない、
貴様の “心のバリア” だ!!」
と 美由を恫喝する。
美由は 返す言葉もなく、自己嫌悪の涙を流す。
自分に 介護の仕事をする資格はない と落ち込む美由。
シンシアが 美由に声をかける。
「皆、必ず一回は 社長にやられる。
それを どう受け止めるか、あなたの宿題」
シンシアの言葉を 噛みしめる美由。
(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/42179306.html