( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/45008012.html からの続き)
脳の先天的な原因に加え、後天的な器質の要因もあります。
幼児虐待を受けた子は、脳の神経内分泌系の機能に 支障をきたし、
それが 成人してからも持続します。
また、記憶に関係している 「海馬」 や、
感情をコントロールする 「扁桃体」 が 小さくなってしまいます。
その結果、怒りや行動を制御することに 障害が出てきてしまうのです。
神経伝達物質は、感情や思考,行動の仕方に 大きく関わっています。
神経回路の中の 神経伝達物質のバランスが、先天的,後天的に崩れていると、
衝動的になったり 感情が不安定になったりし、
適合不全という形で 現れてくるのです。
従来のBPDの研究においては 生育歴を原因として強調してきましたが、
それは 患者の記憶による申告に基づいています。
BPDの資質を持っている子供は、苦痛な体験が 実際以上に過大に記憶され、
のちに 悪影響を及ぼしてしまいます。
BPDの子の親が 本当にどの程度 愛情不足だったのか、
子供がBPDの特質のために 愛情を感じることができなかったのか、
判別するのは難しいことです。
いずれにしても 子供に罪はありませんし、
親も全面的に責められないということを 知っておくのは大切だと思います。
[参考文献 「境界性パーソナリティ障害 最新ガイド」 (星和書店) ]