「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

BPDの生物学的原因 (2)

2007年02月10日 12時40分49秒 | BPD,パーソナリティ障害の書籍から
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/45008012.html からの続き)

 脳の先天的な原因に加え、後天的な器質の要因もあります。

 幼児虐待を受けた子は、脳の神経内分泌系の機能に 支障をきたし、

 それが 成人してからも持続します。

 また、記憶に関係している 「海馬」 や、

 感情をコントロールする 「扁桃体」 が 小さくなってしまいます。

 その結果、怒りや行動を制御することに 障害が出てきてしまうのです。

 神経伝達物質は、感情や思考,行動の仕方に 大きく関わっています。

 神経回路の中の 神経伝達物質のバランスが、先天的,後天的に崩れていると、

 衝動的になったり 感情が不安定になったりし、

 適合不全という形で 現れてくるのです。

 
 従来のBPDの研究においては 生育歴を原因として強調してきましたが、

 それは 患者の記憶による申告に基づいています。

 BPDの資質を持っている子供は、苦痛な体験が 実際以上に過大に記憶され、

 のちに 悪影響を及ぼしてしまいます。

 BPDの子の親が 本当にどの程度 愛情不足だったのか、

 子供がBPDの特質のために 愛情を感じることができなかったのか、

 判別するのは難しいことです。

 いずれにしても 子供に罪はありませんし、

 親も全面的に責められないということを 知っておくのは大切だと思います。

[参考文献 「境界性パーソナリティ障害 最新ガイド」 (星和書店) ]
 
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