( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/45488583.html からの続き)
しかし尾崎豊は、有名になるにつれて 現実の虚偽に組み込まれていき、
ジレンマの中で 薬物をあおり、依存し、周りを巻き込み、
自己愛との両面価値の葛藤に 苦しめられました。
晩年は 心身ともボロボロになり、「精神の仮死状態」 に陥ってしまいました。
『原色の孤独』 という曲の中で 尾崎は、
「心が壊れてく。俺にも分からない。」
「生きている奴らは みなイカサマな 賭博師さ。」
と、歌っています。
尾崎は 愛や自由,正義という 真実を求め続け、
現実の偽善や裏切りと ただ独りで闘ってきました。
そして 最後はそれを得られずに 散っていきました。
彼は負けたのでしょうか?
否、「未完の完」 という言葉があります。
尾崎が残した言葉や歌は、今も多くの人の 心に刻み込まれ、
その存在は 永遠に残っていきます。
彼の生と魂は 普遍的な価値を持って 生き続けていくのです。
彼の苦悩があったからこそ、そのメッセージは 今も人々を癒し 救うのです。
心子の人生も 尾崎に重なります。
ずっとずっと 小さな存在ではありますが、心子もまた 人の心に残り、
同じ苦しみを持つ人たちの わずかな支えにでもなれば、
心子も僕も こんな幸甚なことはありません。
彼らは 月並みな尺度には納まらない エネルギーを持ちあぐんでいました。
体制への反抗,自分探しの煩悶,愛情への欲求と畏怖,他者の苦しみへの共感と犠牲。
それらに自他を巻き込みながら、疾風の如く生き去っていきました。
ボーダーであるがゆえの 創造性と破壊性を示しているのです。
[演者・平山正美 (聖学院大学教授, 精神科医)]
(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/45535657.html