拙著に 次のようなエピソードを書いています。
心子とトラブルがあって、彼女が消息を 絶ってしまったときのことです。
『それから 心子と連絡が付かなくなった。
僕は日夜 電話とメールを送ったが、反応はなかった。
夜道を帰宅するとき、アパートから五十mほどの 駐車場の空間越しに、
僕の部屋の窓が 垣間見える箇所があるのだが、
そこを通るたび 僕は部屋の窓を確認した。
明かりが点いていないか、今日は心子が来ていないかと。』
そして、拙著の一番最後は 次の一節で締めくくっています。
『今も僕は、夜道を帰ってくるとき、
今日は部屋の明かりが 点いていないか、いつも確かめている。』
ところが、拙著の出版後しばらくして、
ちょうどその箇所に 常緑樹が植えられてしまいました。
部屋の窓がさえぎられて 見えなくなり、
明かりが点いているか 確かめられなくなってしまったのです。(;_;)
拙著に嘘を 書いたわけではありませんが、
読者の方には 現実と違うことを 伝えることになってしまいました。
でも 最近、その木が刈られて、
また 窓が見えるようになったのです。 (^o ^)
今 ふたたび僕は、夜道を帰ってくるとき、
今日は部屋の明かりが 点いていないか、いつも確かめています。 (^^)