「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

部屋の明かり---心子が来ていないか

2007年02月11日 13時54分41秒 | 「境界に生きた心子」
 
 拙著に 次のようなエピソードを書いています。

 心子とトラブルがあって、彼女が消息を 絶ってしまったときのことです。

『それから 心子と連絡が付かなくなった。

 僕は日夜 電話とメールを送ったが、反応はなかった。

 夜道を帰宅するとき、アパートから五十mほどの 駐車場の空間越しに、

 僕の部屋の窓が 垣間見える箇所があるのだが、

 そこを通るたび 僕は部屋の窓を確認した。

 明かりが点いていないか、今日は心子が来ていないかと。』

 そして、拙著の一番最後は 次の一節で締めくくっています。

『今も僕は、夜道を帰ってくるとき、

 今日は部屋の明かりが 点いていないか、いつも確かめている。』

 ところが、拙著の出版後しばらくして、

 ちょうどその箇所に 常緑樹が植えられてしまいました。

 部屋の窓がさえぎられて 見えなくなり、

 明かりが点いているか 確かめられなくなってしまったのです。(;_;)

 拙著に嘘を 書いたわけではありませんが、

 読者の方には 現実と違うことを 伝えることになってしまいました。

 でも 最近、その木が刈られて、

 また 窓が見えるようになったのです。 (^o ^)

 今 ふたたび僕は、夜道を帰ってくるとき、

 今日は部屋の明かりが 点いていないか、いつも確かめています。 (^^)
 
コメント
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